看護判断のための気づきとアセスメント
精神看護
内容紹介
看護判断の気づきとアセスメントシリーズ
臨地実習や臨床現場での対象理解を助け,エビデンスに基づいた看護計画につなげるための「アセスメント力(臨床推論,臨床判断)」を高める若手看護師・看護学生のためのシリーズです!
学生や新人看護師が対象者を前にして最初に感じる困難をサポートします。看護過程を展開するのに役立つシリーズです。オールカラーの図表やイラストをふんだんに使用し,ビジュアルからもわかりやすくなるようにしました。
本書の特徴
- ・オリジナルのアセスメント様式と豊富な事例から,対象の捉え方とリカバリー志向のアセスメント力を身につけることができます。臨地実習や臨床ですぐに役立つ視点が満載です。
- ・精神看護の領域において,学生や初学者がおさえておくべき対象の考え方とアセスメントの方法に重点を置いてまとめているため,現場で使いやすくなっています。
- ・学生や若手看護師が担当することの多い疾患や障がいのアセスメントを事例として掲載しているため,看護過程を展開するときなどの助けとなります。
- ・オリジナルのアセスメント様式で対象者を理解しやすくなり,より最適な看護計画・看護ケアに結びつけることができます。
- ・統合失調症,気分障害,アルコール依存症,パーソナリティ障害,神経性やせ症,認知症などの事例アセスメントから,より正しい判断に導くヒントを得ることができます。
編集者から読者へのメッセージ
新しい看護書シリーズ「看護判断のための気づきとアセスメント」を,順次刊行していきます。
この『精神看護』を皮切りに,『小児看護』『母性看護』『セルフケア支援』『地域・在宅看護』『老年看護』が発刊される予定です。
今,現場や臨地実習で求められている「臨床判断」が適切にできるように,本シリーズで皆様をサポートできればと考えています。
第1編集部 塚田太郎
主な目次
第1部 気づき:対象者の体験に向きあい,希望を引き出す技術
- 1 リカバリー
01 リカバリーとは
02 対象者のリカバリーを促進する看護師のコミュニケーション - 2 治療的関係の構築
01 治療的関係とは
02 治療的コミュニケーション
03 精神科における治療的関係の段階 - 3 治療的関係の構築に必須/障害となるもの
01 治療的関係を構築するには
02 傷つき体験の影響に気づく
03 関係性の構築は出会いから
04 先入観がありませんか
05 私たち自身のコンディションに気をつけよう
06 2つの「共感」
07 その計画は対象者と共有できますか
08 答えのない状況にも寄り添う
09 セルフケアの回復機会を減らす,新設な“おせっかい”
10 対象者との心理的な距離を客観視する
11 関係性を発展的に終結させる
12 まとめ - 4 フィジカルアセスメント
01 精神看護でのフィジカルアセスメント
02 フィジカルアセスメントとは
03 精神看護領域でよく出あう身体症状や疾患 - 5 カルテや他職種からの情報収集
01 主訴・現病歴・既往歴・家族歴・生活歴・生育歴
02 血液検査・画像検査・脳波検査
03 心理検査
第2部 アセスメント:リカバリー志向の包括的アセスメントをする技術
- 1 精神看護における包括的アセスメントの枠組み
01 リカバリー志向の包括的アセスメント
02 すべてのアセスメントの基礎:リカバリーとストレングスモデル
03 医療的な包括的アセスメント:バイオ・サイコ・ソーシャルモデル
04 療養生活と自己実現を支援するためのアセスメント:セルフケアアセスメント
05 アセスメントの統合とリカバー志向のケア計画:コプロダクション計画 - 2 リカバリー・ストレングスのアセスメント:リカバリー志向のアセスメントに必要な考え方
01 ストレングスを見つける
02 「当事者が決める」を貫く
03 エンパワメントを意識する
04 当事者には地域に生活の場があると考える
05 おわりに - 3 医療的な包括的アセスメント
01 バイオ・サイコ・ソーシャルモデル
02 生物学的アセスメント
○精神症状のアセスメント:メンタル・ステータス・イグザミネーション(MSE)
○心身相関
○薬物療法等に伴う精神・身体への影響
03 心理学的アセスメント
04 社会学的アセスメント - 4 療養生活と自己実現を支援するためのセルフケアアセスメント
01 オレム-アンダーウッドのセルフケア理論
02 セルフケアアセスメント - 5 特別な状況下でのアセスメント
01 隔離・身体的拘束時のアセスメント
02 退院困難要因のアセスメント
03 修正型電気けいれん療法時のアセスメント - 6 アセスメントの統合と看護計画の方向性
01 アセスメントの統合と全体像
02 コプロダクションとケア計画
03 アセスメント様式(病棟用)
第3部 事例
- 1 統合失調症:発病初期のケース
- 2 統合失調症:慢性経過をたどっているケース
- 3 統合失調症:退院準備期のケース
- 4 統合失調症:訪問看護のケース
- 5 気分障害:うつ病の急性期のケース
- 6 気分障害:双極性障害のケース
- 7 物質使用障害:アルコール依存症のケース
- 8 パーソナリティ障害(境界性パーソナリティ障害)のケース
- 9 神経性やせ症:入院治療のケース
- 10 統合失調症で長く療養し、認知症疑いのあるケース
- 11 BPSDが激しく,精神科に入院している認知症のケース
- 12 知的発達症(知的障害・発達障害)を合併しているケース
著者情報
編集
吉川隆博 東海大学医学部看護学科教授
木戸芳史 浜松医科大学医学部看護学科教授
執筆(執筆順)
千葉理恵 神戸大学医学部保健学科教授
木戸芳史 浜松医科大学医学部看護学科教授
三井督子 明石こころのホスピタル看護部看護課長,精神看護専門看護師
荻野夏子 東海大学医学部看護学科講師
吉永尚紀 宮崎大学医学部看護学科准教授
小竹理沙 東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻
森田康子 東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻
奥野史子 伊勢赤十字病院看護部看護係長,精神看護専門看護師
米村薫人 東海大学医学部専門診療学系精神科学助教
山本賢司 東海大学医学部専門診療学系精神科学教授
牧山 篤 東海大学医学部専門診療学系精神科学助教
澤口範真 東海大学医学部付属病院,公認心理師
岡本典子 常葉大学健康科学部看護学科准教授
小野 悟 岐阜保健大学看護学部講師
田上博喜 宮崎大学医学部看護学科助教
松村麻衣子 信貴山病院ハートランドしぎさん,精神看護専門看護師
花田敦子 浜松医科大学医学部附属病院看護部,精神看護専門看護師
村方多鶴子 福岡県立大学看護学部教授
林 佑太 神戸大学医学部保健学科助教
廣田美里 神戸大学医学部保健学科助教
角田秋 東京有明医療大学看護学部准教授
吉川隆博 東海大学医学部看護学科教授
関本朋子 東京有明医療大学看護学部助手
犬飼さゆり 三重県立看護大学看護学部准教授
橋本千愛 三重県立看護大学看護学部助手
荒木学 三重県立看護大学看護学部助教
花田政之 黒川病院地域生活支援課、精神科認定看護師
正野温子 大阪赤十字病院看護部
藤原雅司 東京都立松沢病院看護部、精神看護専門看護師
増田郁美 浜松医科大学医学部看護学科助教
中村由喜子 三重県立看護大学大学院看護学研究科,精神科認定看護師
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看護判断のための気づきとアセスメント 精神看護
編著:吉川隆博 木戸芳史
サイズ:B5 292頁
価格:3,300円 (税込)