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気になる子の保護者支援 揺れ動く思いに応じた保育者のかかわり

内容紹介

保育者にとって、園における気になる子について、保護者がなかなかその状況を理解してくれなかったり、発達障害の可能性を受け入れてくれなかったりすることは大きな悩みどころです。
保育者が「子どもの困りに早く気づいてほしい」と焦ってしまうと、保護者との関係がうまくいかなくなることも…。

本書では、気になる子の保護者が戸惑いや不安で揺れ動きながらも、だんだんと子どもの状況を受け入れて、子どものために行動していく一連のプロセスを理解し、プロセスに応じた保護者支援ができるよう解説します。

保護者のペースに応じた支援がわかる!

本書では以下の4つのプロセスごとに、保護者への支援を解説します。保護者の段階的な心情の変化に寄り添うことで、きめ細やかな支援ができるようになります。
PROCESS1 保育者は子どもの様子が気になっているが、保護者は気にしていない
PROCESS2 保護者に子どもの様子を聞かれるようになる
PROCESS3 保護者の葛藤を目の当たりにする
PROCESS4 保護者から子どもに対する支援を求められる

園内での役割分担がわかる!

「担任保育者」と「管理職」に分けて、それぞれの保護者へのかかわり方や連携の仕方を示しています。
効果的で実践的な支援のあり方がわかります。

専門的な支援についてわかる!

専門的な支援につないでいく際の、相談窓口や機関の情報、連携の仕方についてもまとめています。
昨今急速にニーズが高まっている療育機関とのかかわり方についても具体的に解説します。

編集者から読者へのメッセージ

保育者は気になる子の困りに気づくと、「早く保護者に気づいてほしい」「早く支援につなげたい」と焦ってしまいがちです。
子どものための支援は大切にしつつ、保護者にはその時々の気持ちに寄り添いながら段階的に支援することで、ともに「子どものため」に行動できる信頼関係ができていきます。
焦ってしまいそうなときこそ、ぜひ本書の支援を実践していただけましたら幸いです。

主な目次

第1章 保護者支援で大切な視点
1 保護者を理解する
2 支援のあり方
3 保護者が安心できる保育者のかかわり

第2章 プロセスごとの保育者のかかわり
PROCESS1 保育者は子どもの様子が気になっているが、保護者は気にしていない
1 保護者に子どもの課題を伝えるべき?
PROCESS2 保護者に子どもの様子を聞かれるようになる
1 保護者がこぼす「違和感」にどう応える?
2 保護者から子どもの様子を聞かれたら何を伝える?
PROCESS3 保護者の葛藤を目の当たりにする
1 「障害」かどうかはっきりさせたい保護者にどう応える?
2 子どもへの不適切な対応が見られたらどうする?
PROCESS4 保護者から子どもに対する支援を求められる
1 保護者と協力して支援を進めるには?
2 がんばりきれないときの保護者を支えるには?

第3章 支援をつなぐために必要な視点
1 支援の輪をつくる
2 地域にあるつながれる場を知る
3 子どもと保護者を取り巻く人や機関と効果的につながるためのツール
4 就学に向けて縦につなぐ

著者情報

木曽 陽子(きそ・ようこ)

大阪公立大学現代システム科学域教育福祉学類、大阪公立大学大学院現代システム科学研究科現代システム科学専攻准教授。博士(社会福祉学)。保育士、社会福祉士、特別支援教育士スーパーバイザー。
研究分野は保育学、社会福祉学、特別支援教育。主な研究テーマは保育者や保護者への支援のあり方、障害のある子どもなど多様な子どもを含む保育など。
大阪府立大学大学院人間社会学研究科社会福祉学専攻博士後期課程修了。大学院進学後には、民間保育園の非常勤保育士や、障害のある子どもが通う療育施設でグループ療育や自閉症児自立支援教室等の非常勤スタッフとして勤務しながら研究を行う。その後、関西国際大学講師、大阪府立大学准教授を経て、2022年より現職。
主な著書に『発達障害の可能性がある子どもの保護者支援 保育士による気づきからの支援』(晃洋書房、2016)、『保育所等の子ども家庭支援の実態と展望 困難家庭を支えるための組織的アプローチの提案』(中央法規出版、2021(共著))、『発達障害のある子へのやさしい「個別の保育・指導計画」作成ガイド』(明治図書出版、2024(共著))など。