第4回 好感人間の条件を身につけよう
「自立して生きる感性」のまとい方
つきあい上手はEQが高い。人間関係能力のベースになるのはEQであり、EQを育まないかぎりIQだけでは人を動かすことができないからだ。EQは、魅力ある人にそなわった香気であるといえる。香りある人のイメージは、何より「自立して生きる感性」の持ち主であることだ。一度しかない人生を自分らしい生き方で悔いのないように、主体的に生き抜いていこうとする意欲がそこにある。そのような自立心を育むには、とりわけ人から好感をもたれることが大切である。そこで次に、好感人間の条件となる魅力的な香りをいくつか挙げてみよう。
自分らしく生きる
自分の置かれた立場に応じてそれぞれに行動様式があるが、その行動にらしさが感じられなければサマにならない。らしく生きようとする緊張感が、相手の心を打つ何かを与え、人間として迫力が出る。どう生きようとするか旗幟鮮明にして、らしさを打ち出すことである。
好奇心がたっぷり
何事にも好奇心を発揮して対応すると、教養が身についてくる。教養というのはムダの累積だ。読書、人づきあい、よろず体験のムダをすることで話題が豊富になり、マルチ(多面)人間というユニークな個性が人を魅惑するきっかけになる。
自然流である
構えずに自然体で応対するとムリがない。騙されまいとかバカにされまいとして心に武装しなければ、相手も心の窓を開いてホンネの会話がしやすくなる。壁があるとたしかにヘンな人は来ないが、そのかわり心強い味方が入る入り口もない。
思いやりがある
相手の立場になって考え、思いやっていく。相手を評価する形でひたむきに努力する、そんな心づかいに相手はほだされていくのだ。「なんていいヤツなんだ」という第一印象を与えて、まずは相手の交際リストに登録させてしまうことが先決だ。
ギブ・アンド・ギブに徹する
人間関係にギブ&テイクのビジネス感覚を持ち込むとつきあいはうまくいかない。むしろつまらぬ計算をしないで、自分のできることをまず与える喜びに徹することだ。温もりのあるヒューマンシャワーを、たっぷりと相手に浴びせてしまう。その好意を受けて心ある人はそのまま頬かぶりを決めることはしないし、自分のできることで返球しようとするものだ。この心のキャッチボールが、しっかりとした人間関係に結びついていくのである。