ギャンブル等依存症問題啓発週間に考える「孤立」を防ぐための支援

2026/05/13

 たびたびニュースになる「オンラインカジノ」。「まさかうちの人が…」「最近、利用者の様子がおかしい」。ギャンブル等依存症は、年齢や性別、職業を問わず、誰にでも起こりうる「脳の病気」です。

 

 毎年5月14日から20日は「ギャンブル等依存症問題啓発週間」です。この期間は、依存症への正しい理解を深め、本人や家族が社会から孤立せずに適切な支援へとつながることを目指す大切な1週間です。
厚生労働省特設サイト  https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73001.html


1. ギャンブル等依存症は「脳の病気」

 ギャンブル等依存症は、競馬、競輪、パチンコ、スロットなどにのめり込み、「やめたくても、やめられない」状態になる精神疾患です。

 

 かつては「意志が弱い」「だらしない」といった性格の問題と片付けられがちでしたが、現代医学では、脳内の報酬系(快感を感じる仕組み)が過剰に反応し、ドーパミンの制御が効かなくなる「脳の機能障害」であることがわかっています。本人がどれほど後悔し、「二度としない」と誓っても、脳が快感を求めて再発を促してしまうのです。


2. 周囲が気づくための「サイン」

 依存症は「否認の病」とも言われており、本人が問題を認めようとしないことも特徴の一つです。ですので、家族や支援者が、いかに早く異変に気づけるかも重要です。

 

嘘が増える: 負けた額を少なく言ったり、外出先を偽ったりする。
深追い: 負けた分をギャンブルで取り返そうとして、さらに深入りする。
金銭の変化: 生活費に手をつける、大切な私物を売る、督促状が届く。
情緒の不安定: ギャンブルができないと、イライラしたり無気力になったりする。
生活の崩壊: 勉強や仕事、家事などを放置し、昼夜逆転の生活になる。


3. 家族が陥りやすい「イネイブリング」の罠

 家族が良かれと思って行う手助けが、結果として病気を悪化させることを「イネイブリング」と呼びます。家族もまた「共依存」という依存症になっている場合があります。

 

借金の肩代わり: 「今回だけ」と肩代わりすると、本人が底つき感を感じる機会を奪い、「困っても誰かが助けてくれる」という誤った学習をさせてしまいます。
不始末の隠蔽: 本人のついた嘘を代わりに謝罪したり、仕事を欠勤する言い訳を代行したりすることです。


4. 回復に向けたステップと啓発週間のアクション

 回復とは、単にギャンブルを断つことだけではなく、本人と家族が健康的な人間関係と生活を取り戻すプロセスです。

 

1.家族自身のケア: 本人が治療を拒んでも、まずは家族だけで相談に行きましょう。家族が対応を変えることが、結果として本人を動かす力になります。
2.自助グループとの繋がり: 依存症者本人のための「GA」や、家族のための「ギャマノン」など、同じ悩みをもつ仲間と繋がることで、孤立感から解放されます。
3.専門機関の活用: 精神保健福祉センターや依存症専門医療機関では、医学的なアプローチとともに、具体的な生活再建のアドバイスが受けられます。


5. 相談窓口のご案内

 啓発週間に合わせ、全国で特設相談窓口やセミナーが開かれます。また、啓発週間にかかわらず、全国で随時窓口は開かれています。

 

精神保健福祉センター: 各都道府県の専門相談窓口です。
法テラス: 借金問題(多重債務)がある場合、法律の専門家による解決が必要です。
依存症対策全国センター: 全国の相談窓口・医療機関情報を検索できます。


おわりに ギャンブル依存症は「回復できる病気」です。この啓発週間をきっかけに、一人で抱え込まず、まずはその苦しさを誰かに話すことから始めてみませんか。