誌上ケース検討会 第106回 認知症の進行が疑われるひとり暮らし高齢者への支援を考える (2009年4月号掲載)
2026/06/09
このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。
スーパーバイザー
奥川 幸子
(プロフィールは下記)
事例提出者
Fさん(居宅介護支援事業所・介護福祉士)
クライアントの状況
Kさん・女性・76歳
・要介護度:要介護2
・障害老人の日常生活自立度:A1
・認知症高齢者の日常生活自立度:Ⅱb
・既往歴等:高血圧、腰痛
提出理由
ケアマネジャーとしてどこまでかかわればよいのか、はたして今の対応で利用者にとってよい方向に進んでいるのだろうか―。
ひとり暮らしの女性・Kさん(76歳)は、最近認知症が進行し、問題行動も顕著になってきたため、ケアマネジャーとして支援方法について不安を抱いている。
毎日のように本人から事業所に電話がかかってくるのだが、事務職員が対応するだけで、訴えの内容がケアマネジャーに伝わっていないことがあった。そのため、ヘルパーの利用回数を増やしてほしいといった、直接ケアプランに関連する要望をすぐに反映できないこともあった。
Kさんのきょうだいは遠方に住んでおり、しかも長いあいだ連絡をとっていないため、さまざまな場面でケアマネジャーが判断をしなければならないことが多いと感じており、この点についても不安をもっている。
関係機関との連携についても自分の中では不十分だと感じている。
事例検討のなかで利用者を取り巻く環境を再度整理し、今後の方向性を見いだしたい。
ここから先は、誌面の PDFファイル にてご覧ください。
プロフィール
奥川 幸子(おくがわ さちこ)
対人援助職トレーナー。1972年東京学芸大学聾教育科卒業。東京都養育院附属病院(現・東京都健康長寿医療センター)で24年間、医療ソーシャルワーカーとして勤務。また、金沢大学医療技術短期大学部、立教大学、日本社会事業大学専門職大学院などで教鞭もとる。1997年より、さまざまな対人援助職に対するスーパーヴィジョン(個人とグループ対象)と研修会の講師(講義と演習)を中心に活動した。主な著書(および共編著)に『未知との遭遇~癒しとしての面接』(三輪書店)、『ビデオ・面接への招待』『スーパービジョンへの招待』『身体知と言語』(以上、中央法規出版)などがある。 2018年9月逝去。
