誌上ケース検討会 第75回 20代の統合失調症の入院患者をどう支援していくか(2006年8月号掲載)
2025/04/01

スーパーバイザー
野中 猛
(プロフィールは下記)
事例提出者
Nさん(精神科病院・作業療法士(OT))
提出理由
クライアントは17歳で統合失調症を発症し、主症状として幻聴・慢性的な被害妄想をもつ26歳の女性である。1997年の1回目の退院後、当院のデイケア通所と院内就労を両立させ、約7年間社会生活を送っていた。しかし、職場環境の変化や退職という出来事の後、症状が悪化。幻聴から逃避するため自殺を図り、今回の入院となり5カ月経過したところにある。少しでも作業療法が将来ある若いクライアントのプラスになれば……という思いから報告します。この機会に皆様(※)のご意見をいただけたら幸いと考えています。(※本ケース検討会は、作業療法士を養成する専門学校における授業の一貫として行われたものです)
事例の概要
- ・クライアント:A氏(26歳・女性)
- ・診断名:統合失調症
- ・家族構成:母親(51歳)と2人暮らし。父親は本人が3歳のときに死亡。
- ・生育歴:詳細は不明であるが、A氏によると幼少の頃よりおとなしく、目立たない生徒であったそう。体育が得意で、小学校ではバスケット部、中学校では陸上部に所属。1995年4月、高校に入学。1回目の入院後、中退する。
- ・経済状況:父親の遺族年金と母親のパート収入(クリーニング店)等で生活。自宅は持ち家。
- ・医療費区分:国保家族
- ・社会資源:障害者手帳3級、障害者年金は申請中
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プロフィール
野中 猛(のなか たけし)
1951年生まれ。弘前大学医学部卒業。藤代健生病院、代々木病院、みさと協立病院、埼玉県立精神保健総合センターを経て、日本福祉大学社会福祉学部教授。専攻は臨床精神医学、精神障害リハビリテーション、地域精神保健、精神分析学など。主な著書に『心の病 回復への道』(岩波新書)、『図説ケアマネジメント』『ケア会議の技術』『多職種連携の技術(アート)』(以上、中央法規出版)、『ソーシャルワーカーのための医学』(有斐閣)などがある。 2013年7月逝去。