◎令和8年(前期・後期)保育士試験対策 出題傾向と対策のポイント 第11回 保育実習理論・造形

2026.03.30

令和8年(前期・後期)保育士試験対策 出題傾向と対策のポイント 第11回 保育実習理論・造形

喜多﨑薫(きたざき かおる)
総合学園ヒューマンアカデミーチャイルドケアカレッジ東京校非常勤講師、あさか保育人材養成学校講師


1 近年の出題傾向

令和7年試験では、造形からの出題数は5問となっています。テーマは①発達年齢と造形表現、②色彩の知識、③表現技法、④表現活動の材料、⑤形態と構成の理解の5つです。
直近の令和7年後期試験では、④表現活動の材料から2問が出題され、③表現技法からは出題されませんでした。
しかし、過去の試験を見ると、5問出題される際は5つのテーマから1問ずつ出題されていますので、まんべんなく学習しておくことが望まれます。出題の傾向も大きく変わった印象はありませんので、これまでどおりの学習で十分答えられる問題となっています。

 

①発達年齢と造形表現

令和7年試験では、前図式期や図式期について出題されました(前期問8、後期問8)。
発達年齢と造形表現の関係性は、象徴的な年齢区分を説明しつつ、生活体験の豊かさに影響されて個人差があることなど、それが絶対的なものではないことも問われ、より深い理解が求められています。
子どもの造形表現は、運動的機能の発達、コミュニケーションや体験による知的発達と関係が深いことから、発達の指標として技術指導を行うようなものではなく、子どもたち一人ひとりに寄り添うことが求められています。

 

②色彩の知識

令和7年前期試験では、問9で、保育所における遊具の色選びについて、色の三属性(色相・明度・彩度)や有彩色・無彩色による、視認性と誘目性の関係が問われました。
令和7年後期試験では、問9で、お祭りごっこで使う大道具を話題に、暖色・寒色、進出色・後退色、膨張色・収縮色の見え方の関係を解答するものとなっていました。
どちらも保育の現場での事例としての出題ですが、学習した色彩の基礎知識をもとに、子どもたちの日常での活動にあてはめれば、容易に正解が導き出せる出題です。

 

③表現技法

過去の試験では、バチック、コラージュ、スタンピング、フロッタージュ、デカルコマニー、フィンガーペインティング、モノタイプなどのモダンテクニックについて、名称と技法を結びつける問題や、材料の準備や制作手順、絵本で用いられる表現技法などが幅広く出題されてきました。
令和7年前期試験では、問10で、お泊り保育の夜のお楽しみ会という設定で、ブラックライトの特徴や性質が細かく記述され、ブラックライトが紫外線を放射することが問われています。
事例での会話の最後は「使用方法に気をつけながら、今後の活動に取り入れてみたいです」という保育士の言葉で締めくくられました。これは、近年の保育現場で「ブラックライト・パネルシアター」が流行していることが影響していると考えられます。
表現技法は出題されないこともあるテーマですが、安全面から扱い方や使用環境に気をつける必要があります。子どもたちに寄り添うための知識としてしっかり学習しておきましょう。

 

④表現活動の材料

画材や素材、用具や道具などの知識は、毎年必ず出題されており、とても重要なテーマです
令和7年前期問11では、粘土の種類とその性質や特徴について出題されました。粘土は過去の出題率がとても高い素材で、土粘土は陶芸に用いられることや、焼成の特徴・手順などの知識も問われたことがあります。
令和7年後期試験では、問10で段ボールの特徴や加工について、問11で紙のサイズ、鉛筆の濃さ、のこぎりの刃、水彩絵の具の筆の太さについて出題されました。
画材や素材は、1問につき1つ問われるのが過去の傾向でしたが、令和7年後期問11では、初めて1問のなかで複数の画材について問われました。これは、画材としてつくられたものだけでなく、自然の素材や身の回りの素材も含め、実にさまざまな素材が複合的に活用されている現状を反映したものと考えられます。
実際に子どもたちと表現活動をする場面を想像し、学習した知識だけではない、子どもたちとのコミュニケーションも含めた、より実践的で応用的な考え方が求められています。

 

⑤形態と構成の理解

令和7年前期問12では、サイコロに描かれた絵と展開図の位置関係が問われました。
令和7年後期問12では、スチレン版画による原版と図像の反転関係が出題されました。
過去には、切り紙遊び、劇遊びでの大道具の前後関係など、平面から立体への転換や、図像の反転、切ったり折ったりすることによる形態や図像の変化など、形の変化を空間的に想像する力が求められる問題の出題率が高くなっています。
保育実習理論・造形では、折り方や切り方などの構造、動きの仕組みなどが理解できないと解答できない問題が例年出題されており、上下・左右・表裏など、形態を立体的に想像する力や、応用的な造形感覚が求められる傾向が続いています。


2 今後の受験対策、勉強の進め方

①基本的な学習の仕方

保育実習理論・造形では、5つのテーマについての基礎知識がもっとも重要です。
①発達年齢と造形表現の特徴、②色彩の知識は、応用的な出題が少なく基礎知識でほとんどカバーできる出題となっています。
近年の特徴として、保育現場での事例が保育士同士の会話形式で出題されることが多くなってきました。会話のなかに重要なポイントが記述されているので、読み飛ばさないようにしましょう。
また、穴埋め問題では、まったく関連性のない語句が記載されていることもありますので、惑わされないように前後の文章にも注意して読み解きましょう。
実際の保育の現場では、基本的な知識だけでは解決できない、わからないことがたくさん起こります。その時に大切なのが、知識に基づいた応用力です。表現の1つである造形は、内面からの表出で、心理状態に関わることもあるため複合的な理解が必要です。
合格テキスト 」や「 合格問題集 」ではテーマごとに分けられていますが、1つのテーマやジャンルにこだわらず、広く表現について考えられる柔軟性をもちましょう

 

②覚えるだけでなく体験する

表現は、文字で覚える以上に、実際の体験がとても重要になります。テキストだけに頼らず、少しでも実際に絵の具を使って混色したり、糊で貼ったり、はさみで切ってみたりすることを心がけましょう。手の感触、視覚的な刺激は何よりも心に残ります。
また、モダンテクニックも実際に表現してみると、手順の重要さや注意点が理解できます。まずは気軽にやってみましょう。
その時に「うまくできない」体験をしたら、とてもラッキーです。「どうしてだろう?」という疑問をもつこと、「こうやったら?」の解決策を考えることは、一番の力になります。

 

③造形感覚を養う

例年出題される、形態と構成の理解の応用問題は、構造や仕組み、加工の前後の変化が大きな特徴です。試験問題では、実際にその場で動かしたり、切ったりできるわけではないので、どうしても図だけを頼りに「頭のなかで想像する力」が必要になります。
知らないこと、体験したことがないことはなかなか想像しづらいので、一度やってみましょうと言いたいところですが、出題される領域があまりに幅が広いので現実的には難しいです。
ここで助けになるのが「ものを見る力」です。日常生活で目にするもの、触るもの、動かすものを、少しゆっくり角度を変えて観察してみましょう。牛乳パックやアイスクリームのカップ、ヨーグルトの容器などを、リサイクルのために広げたらどんな形になっているでしょうか。ドアのレバーを下げたらどうしてドアが開くのでしょうか。
このような、ちょっとした観察での「へえ〜、こんな形なんだ」とか、「こうなっているんじゃないか?」という経験や想像が、造形感覚を養います。
また、空間的な感覚は、実は折り紙でも養うことができます。子どもたちと折るような基本的なものだけでなく、少し複雑な難しい折り紙に挑戦すると、解説図(平面)と折っている紙(立体)の関係を考えることが必要になり、空間的な感覚と応用力が身につきます。


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