◎令和8年(前期・後期)保育士試験対策 出題傾向と対策のポイント 第10回 保育実習理論・音楽
2026.03.30
令和8年(前期・後期)保育士試験対策 出題傾向と対策のポイント 第10回 保育実習理論・音楽
チェロ奏者、ヒューマンアカデミー通信講座・保育士講師、大宮こども専門学校専任講師、埼玉学園大学人間学部非常勤講師、川口短期大学こども学科非常勤講師
1 近年の出題傾向
保育実習理論のうち、音楽は毎回6問出題されており、主な分野は①基礎知識と音楽用語、②音程と移調、③和音とコードネーム、④伴奏和音と和音進行の4つです。
①基礎知識と音楽用語
音楽の基礎を正しく理解しているかを問う問題が中心です。保育士として楽譜を読み、子どもに音楽を教えるために必要な最低限の知識が出題されます。
音名と階名の違い(前期問6)、調性の判断、速度標語・強弱記号・曲想標語(前期問2、後期問2)などが問われます。
毎回ほぼ同じ形式で出題されるため、用語の意味を正確に覚えて得点につなげましょう。暗記で対応できるため、最も取り組みやすい分野です。
②音程と移調
この分野では、音と音の距離(音程)や、曲を別の高さに移す(移調)の理解力が問われます。保育現場では、子どもの声の高さに合わせて歌のキーを変えることがあるため、実践的な知識です。
主なポイントは、完全音程・長音程・短音程の区別、半音・全音の理解、簡単なメロディの移調(前期問4、後期問4)です。
苦手意識のある受験生が多い分野ですが、パターンは毎年同じなので、計算問題のようにルールを覚えれば確実に解けるようになります。
③和音とコードネーム
和音の構造やコードネーム(C、G7、Amなど)に関する出題は伴奏づくりや弾き歌いにも直結する知識です。
三和音(メジャー・マイナー)の構成(前期問3、後期問3)、属七の和音(G7など)、コードネームの読み方と構造、和音の構成音について理解しておきましょう。
ピアノが苦手でも、コードの仕組みを理論として理解すれば解くことができます。「C=ドミソ」「G7=ソシレファ」など、暗記で対応可能な問題も多いです。
【令和7年―後期―問3】
問3 次の楽譜からメジャーコード(長三和音)を抽出した正しい組み合わせを1つ選びなさい。

(組み合わせ)
| 1 | ア | イ | ウ |
| 2 | ア | ウ | カ |
| 3 | イ | ウ | オ |
| 4 | イ | エ | オ |
| 5 | ウ | エ | カ |
【解説】
まず、すべての和音を基本形(根音が一番下に来る形)に直して考えます。この問題では、アとイが展開形になっているため、基本形に戻すと次のようになります。
ア → ラ・ド・ミ
イ → ファ・ラ・ド
次に、メジャーコード(長三和音)の条件を確認します。メジャーコードは、
根音 → 第三音が長三度
第三音 → 第五音が短三度
という音程関係で構成されます。
この条件に当てはまる3つの音の組み合わせを探すと、イ・エ・オがメジャーコードを形成していることがわかります。したがって、正答は4となります。
④伴奏和音と和音進行
曲の伴奏づくりに必要な和音の流れを理解しているかを問う問題も毎回出題されています。保育士試験では、特にⅠ(トニック)、Ⅳ(サブドミナント)、Ⅴ(ドミナント)の3つが中心です。主要三和音(Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ)の役割、和音進行の基本パターン(Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ など)、簡単な伴奏づけの知識を身につけておきましょう。
令和7年試験では、メロディに合う伴奏の組み合わせを選ぶ問題が出ています(前期問1、後期問1)。
主要三和音を押さえれば大半の問題に対応でき、実技での(弾き歌い)にもつながる重要分野です。
2 受験対策、勉強の進め方
①筆記試験
音楽理論は、数学のように基礎から順番に理解する必要があります。公式と解き方を覚えればあとは応用になりますので、練習問題をたくさんこなして力をつけていきましょう。
先に述べました①基礎知識と音楽用語から、暗記を中心に、②音程と移調、③和音とコードネーム、④伴奏和音と和音進行の順番に学習していくと理解しやすいです。
音楽理論を初めて学ぶ方は、「
合格テキスト
」や「
合格問題集
」のほか、インターネットなどで子ども向けに音楽理論をやさしく解説したサイトを参考にしてみると、スムーズに学習できるでしょう。
②実技試験
保育士試験の筆記試験に合格したら、次は実技試験です。
音楽、造形、言語のなかから2分野を選択して受験します。
筆記試験に合格してから準備をするのでは遅いので、前もって練習を始めましょう。
音楽の実技試験は、2つの課題曲の弾き歌いです。演奏箇所はあらかじめ決められており、本番でも楽譜を見ながら演奏することができます。
課題曲の楽譜は全国保育士養成協議会のホームページからダウンロードできるほか、自分で楽譜を用意することも可能です。どの調の楽譜でもいいので、自分の演奏しやすいものを選びましょう。また、難しい伴奏は必要ありませんので、自分の技術に合った伴奏にしましょう。
使用できる楽器は、ピアノもしくはギター(アコースティック)です。ピアノは会場に設置されたものを使いますが、ギターの場合は自分で楽器を用意して試験会場に持ち込みます。なお、令和7年試験より、アコーディオンは使用できなくなりました。
電子キーボードで練習する場合、実際のピアノとは鍵盤の重みが異なりますので、試験前にピアノで練習しておくことをおすすめします。公共施設や民間の音楽教室、ピアノ練習スタジオなどで練習できます。
子どもたちと一緒に歌う場面を想定した試験ですので、本番では表情豊かに、また最後まで止まらずに弾くことが大切です。歌や伴奏の技術、リズムなどの表現に加えて、途中で間違えても止まって弾き直さず、続行する練習もしておきましょう。
保育実習理論・音楽の試験内容は、保育士になってからも役立つスキルです。しっかり対策をして保育士を目指しましょう!
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