◎令和8年(前期・後期)保育士試験対策 出題傾向と対策のポイント 第8回 社会的養護
2026.03.26
令和8年(前期・後期)保育士試験対策 出題傾向と対策のポイント 第8回 社会的養護
常磐大学人間科学部教育学科准教授
社会的養護は、家庭での養育が困難な子どもを社会全体で支える制度や理念、実践について理解しているかを問う科目です。児童養護施設や里親制度などの養育形態、児童相談所をはじめとする支援機関の役割、子どもの権利、社会的養護の歴史などが主な出題範囲となります。
また、この科目は教育原理と合わせて1つの試験科目として扱われ、両分野でそれぞれ6割以上の得点が合格の目安とされています。
1 近年の出題傾向
令和7年試験では、社会的養護の出題傾向においては前期試験と後期試験で明確な違いがみられました。特に注目されるのは、出題のテーマとなる資料や指針などの扱いに前期と後期で違いがある点です。
これは近年の試験のなかでも特徴的なポイントであり、受験対策を考えるうえでも重要な視点となります。
①令和7年前期試験
前期試験では、「
児童養護施設運営指針
」(平成24年3月 厚生労働省)をテーマとした出題が目立ちました(問2・問6・問8)。社会的養護の制度や理念を問う問題に加え、運営指針に記載されている内容をもとにした設問で、施設の地域支援機能や家庭復帰支援、記録管理などに関する理解が求められました。
問3では「
新しい社会的養育ビジョン
」への理解が問われ、里親支援への包括的支援体制の強化や特別養子縁組の推進などが取り上げられています。さらに、問5では養育里親の養育・支援内容、問7では「
令和3年度における被措置児童等虐待届出等制度の実施状況
」(こども家庭庁)に関する統計的理解が問われました。
加えて、問9では子どもの意見表明を踏まえた施設対応、問10ではストレングスの考え方が扱われるなど、実践的な判断力を求める問題も出題されていました。
前期試験は全体として、やや実務的・政策的な視点を含む出題構成であったといえます。
②令和7年後期試験
一方、後期試験では、子どもの権利、里親制度、社会的養護の現状、歴史、ガイドライン、事例対応など幅広く出題されました。
問1では「児童の権利に関する条約」の条文理解が問われ、家庭環境を失った児童が国から特別の保護と援助を受ける権利を有することについて確認する内容となっていました。
問2・問10では養育里親に関する問題が出題され、委託期間や学校との連携、養育里親に求められる適切な対応など、里親養育における具体的事項についての理解が求められています。
また、問3では「
社会的養育の推進に向けて
」(令和7年3月 こども家庭庁)に基づき、社会的養護施設に入所する児童について、近年の傾向が問われました。問4では「
里親及びファミリーホーム養育指針
」(平成24年3月 厚生労働省)の理念が扱われ、里親養育は、家庭的養護として社会的責任のもと行われることが確認されています。
問7は、日本の児童福祉の歴史に関わる人物として、石井十次、石井亮一、野口幽香、留岡幸助があげられ、それぞれの人物が立ち上げた施設との正しい組み合わせを選ぶ問題でした。
さらに、問9では、施設の入所児童から妊娠の可能性を打ち明けられた場合の対応を扱った事例問題が出題され、現場での適切な支援判断が求められる内容となっていました。
これらのことから、後期試験は制度理解と実践的対応の双方を重視した出題であったといえます。
このように、令和7年試験では、前期と後期で出題の焦点が変化していました。
前期では「児童養護施設運営指針」に関連した内容が多く扱われ、社会的養護の実践的側面や地域支援機能が重視されていたのに対し、後期では社会的養護の理念や制度の基礎理解が中心となっていました。
難易度の面では、どちらも極端に難しい問題が多いわけではありませんでしたが、前期試験は政策文書の内容を踏まえた問題が含まれていたため、受験者によってはやや難しく感じられた可能性があります。一方、後期試験は過去問と類似した基本的なテーマが多く、標準的な難易度であったと考えられます。
2 受験対策と勉強の進め方
今後の受験対策として重要なのは、理念・制度・施設という3つの視点から社会的養護の内容を体系的に整理して理解することです。
まず、子どもの最善の利益や家庭的養護の推進といった社会的養護の基本理念を理解し、その理念に基づいて整備されている制度や支援体制を学び、さらに具体的な施設や支援方法へと理解を広げていくことが効果的です。
特に児童養護施設、乳児院、里親制度などは頻出分野であるため、それぞれの役割や対象となる子ども、支援内容を整理して学習しておく必要があります。
また、近年の出題傾向として、施設の名称や制度の定義を問うだけでなく、施設の機能や支援内容、社会的養護の課題など、より実践的な理解を求める問題もみられます。
今回の前期試験のように、児童養護施設運営指針などの政策文書が出題の素材となる場合もあるため、社会的養護に関する基本的な指針や制度の趣旨についても概略を把握しておくことが望ましいでしょう。
さらに、効果的な学習方法としては過去問題を活用した学習があげられます。保育士試験では過去に出題されたテーマが形を変えて再び出題されることが多く、過去問を繰り返し解くことで出題パターンを把握することができます。「
合格テキスト
」で基本知識を理解したうえで「
合格問題集
」を解き、間違えた部分を重点的に復習することで、効率的に得点力を高めることができます。
このように、社会的養護は、家庭での養育が困難な子どもを社会全体で支える制度や理念を理解することを目的とした科目です。令和7年の試験では、前期と後期で出題の焦点に違いがみられましたが、いずれも社会的養護の基本的な考え方や制度を理解していることが前提となっています。制度の背景や目的を含めて体系的に学習を進めることが、安定した得点につながるといえるでしょう。
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