「できるだけ時間や労力をかけずに合格したい!」。これは全受験生に共通する願いでしょう。この連載では、指導した受験生を全員合格に導いた実績をもつ筆者が編み出した「効果的学習法」を紹介していきます。
第14回 絞り込み学習
イメージしながら覚えよう
「学習のターゲット」に焦点を当てた学習法を、「絞り込み学習」とよぶ。
準備するものは、過去問、社会福祉辞典、福祉年表、福祉小六法、関係資料、シャープペンシルやマーカーなど。それらを「手を伸ばして届く位置」に置いておく。手順は以下のとおり。
準備するものは、過去問、社会福祉辞典、福祉年表、福祉小六法、関係資料、シャープペンシルやマーカーなど。それらを「手を伸ばして届く位置」に置いておく。手順は以下のとおり。
「絞り込み学習」の学習の流れ
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(1)過去問の「×」の問題の「解説」を読み込む
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(2)その際、1回で覚える覚悟で取り組む
- (3)解説に出てくる専門用語、キーワード、年代、法の条文等を社会福祉用語辞典、福祉小六法、福祉年表等で確認する
この学習が最も時間のかかる部分だが、おっくうがってはいけない。社会福祉用語辞典や福祉年表等々、参考資料を使って「根拠」を調べ・覚える。辞典や年表等はひんぱんに使う。コツは「調べる」のではなく、「イメージしながら覚える」ことだ。
例えば「社会福祉基礎構造改革」というキーワードが出てきたら、年代を調べ、その時代の前後の動きを把握し、社会福祉辞典で内容を確認する。年表の活用は図表-2のように行う。
例えば「社会福祉基礎構造改革」というキーワードが出てきたら、年代を調べ、その時代の前後の動きを把握し、社会福祉辞典で内容を確認する。年表の活用は図表-2のように行う。
図表-2 時代のうねりを理解する例
1995年から2000年にかけては、21世紀を迎えるためにさまざまな施策が展開された。1995年には高齢社会対策基本法の制定や障害者プランの策定。1996年には優生保護法が改正されて母体保護法になった。同じく1996年に厚生労働省の組織改革が行われて社会援護局が誕生した。精神保健福祉の領域では、1995年に精神保健福祉法が制定され、2年後の1997年には精神保健福祉士法ができた。このような福祉の大きなうねりのなかで1997年に「社会福祉事業等のあり方に関する検討会」が発足し、1998年に中間まとめが報告された。時を同じくして、ゴールドプラン21や新エンゼルプラン、成年後見制度に関連する民法改正等が行われた。
まさに「時代が動いている!」という感じだ。
まさに「時代が動いている!」という感じだ。
ポイントは、体を動かしながらやること。福祉年表、『社会福祉用語事典』『国民の福祉と介護の動向』『厚生労働白書』などを机の上に開き、それらを「行ったり来たり」しながら覚える。体を動かすと知識の定着率は格段に向上する。
解説等に年代が出てきた場合は、福祉年表で年代を確認する。その出来事の前後の政策を把握することで「時代のうねりの中で何が起きているか」をイメージする。年表の縦系列では時代のうねりを、横系列では「出来事」に対して領域をまたいで関連する政策等を把握する。
法文やキーワードが出てきた場合には、『社会福祉用語辞典』や『福祉小六法』で調べてマーキングする。出てくるたびにマーキングする。何度も何度もマーキングする。そうすることで、頻出する年代、法令、キーワードを脳に刻むことができる。
解説等に年代が出てきた場合は、福祉年表で年代を確認する。その出来事の前後の政策を把握することで「時代のうねりの中で何が起きているか」をイメージする。年表の縦系列では時代のうねりを、横系列では「出来事」に対して領域をまたいで関連する政策等を把握する。
法文やキーワードが出てきた場合には、『社会福祉用語辞典』や『福祉小六法』で調べてマーキングする。出てくるたびにマーキングする。何度も何度もマーキングする。そうすることで、頻出する年代、法令、キーワードを脳に刻むことができる。