いまやブームともいえるほど広まった「コーチング」。実は、自分ひとりでもできることを知っていましたか? 福祉の現場にも詳しい諏訪茂樹先生が、自分自身で受験勉強のモチベーションを高める「セルフコーチング」の方法を伝授します
第8回 一緒にやる仲間を挙げるとすれば?
ライバルは成長に不可欠
一言で助けを借りるといっても、様々な方法があります。その一つは、どちらが先にゴールするかを競い合う方法であり、もう一つは、ともにゴールを目指す方法です。
「競争することはよくない、共同することが大切だ」という人もいますが、それは余りにも偏った考えではないでしょうか。競争が行き過ぎてしまい、手段を選ばなくなると、確かに問題でしょう。ところが、フェアな競争は、悪いことばかりではありません。それどころか、互いの自己開発・自己成長に極めて効果的なことが、アスリート達の競技生活を見ているとよく分かります。
2004年に100m平泳ぎで世界新記録を達成したブレンダン・ハンセンは、インタビューに応えて「北島康介がいたから、これまで頑張ることができたのだ」と言いました。二人のライバル関係は有名であり、しかも互いの成長にとって欠かすことのできない大切なライバルなのです。
互いに努力を引き出す
もちろん、競争するだけではなく、共同するのも効果的な方法です。プレーヤーとサポーターとか、情報収集役と記録役とか、役割を分担しながら協力したり、分担はせずに二人三脚でゴールを目指したりするのです。
既に社会福祉援助技術を学習した人は、グループワーク(集団援助技術)に出てくる「努力の相互促進」という言葉を、思い出すのではないでしょうか。つまり、グループワークならではの効果として、Aさんの努力がBさんの努力を引き出し、Bさんの努力がCさんの努力を引き出し、Cさんの努力がAさんの努力を引き出すという傾向が、メンバー間に現れるのです。
そういえば私も、1人で禁煙にチャレンジしていた頃は、何度も失敗していました。ストレスを感じる度に、つい1本吸ってしまうことを、繰り返していたのです。ところが、インターネット上ではありますが、匿名の仲間が14名集まることで、ようやく禁煙に成功しました。情報を交換したり励ましあったり、ときには言い争いをしながらも、ようやくゴールすることができたのです。
一緒に学習する仲間を挙げるとすれば、それは誰ですか? その人とは、どちらが先に合格するかを競い合いますか? 役割を分担して一緒に勉強しますか? それとも、サポーターになってもらいますか?
既に社会福祉援助技術を学習した人は、グループワーク(集団援助技術)に出てくる「努力の相互促進」という言葉を、思い出すのではないでしょうか。つまり、グループワークならではの効果として、Aさんの努力がBさんの努力を引き出し、Bさんの努力がCさんの努力を引き出し、Cさんの努力がAさんの努力を引き出すという傾向が、メンバー間に現れるのです。
そういえば私も、1人で禁煙にチャレンジしていた頃は、何度も失敗していました。ストレスを感じる度に、つい1本吸ってしまうことを、繰り返していたのです。ところが、インターネット上ではありますが、匿名の仲間が14名集まることで、ようやく禁煙に成功しました。情報を交換したり励ましあったり、ときには言い争いをしながらも、ようやくゴールすることができたのです。
一緒に学習する仲間を挙げるとすれば、それは誰ですか? その人とは、どちらが先に合格するかを競い合いますか? 役割を分担して一緒に勉強しますか? それとも、サポーターになってもらいますか?
- 諏訪茂樹先生の最新刊
- 『対人援助のためのコーチング 利用者の自己決定とやる気をサポート』(中央法規出版)