いまやブームともいえるほど広まった「コーチング」。実は、自分ひとりでもできることを知っていましたか? 福祉の現場にも詳しい諏訪茂樹先生が、自分自身で受験勉強のモチベーションを高める「セルフコーチング」の方法を伝授します
第7回 達成方法をたくさん挙げるとすれば?
はじめから選りすぐらない
ここで何よりも大切なのは、初めから最善の方法を考えないことです。選りすぐりながら考えても、なかなか最善の方法には辿りつきません。また、選りすぐっているうちに考え方が型にはまり、思いもよらぬ名案が浮かばなくなる危険性もあるのです。
したがって、取捨選択は後回しにして、最初は質よりも量で、とにかくたくさん挙げてみるのです。とっぴなアイディアでも構いませんので、ダメなものも含めて、どんどん思いつきで挙げてみて下さい。
一人でブレーン・ストーミング
ダイエットを例にして、考えてみましょう。ダイエットの方法として、まず思い浮かぶのは食事制限と運動ですが、それだけではないはずです。頭を柔軟にして考えてみれば、皆の前で宣言するとか、ダイエット用のブログを始めるとか、着痩せして見える服を着ないとか、ワンサイズ下の服を買うとか、体重計に毎日乗って記録をつけるとか、いくらでも思いつくはずです。 グループワーク(集団援助技術)の一つとして、ブレーン・ストーミングを経験した人も多いでしょう。質よりも量を重視して、たくさんのアイディアを挙げてみるというのは、ブレーン・ストーミングのルールです。セルフコーチングで手段を考えるこの段階は、1人でブレーン・ストーミングをするようなものです。そして、この段階を誰かに手伝ってもらえば、ブレーンス・トーミングそのものとなります。
ソリューション・フォーカス・アプローチ
なお、最近はコーチングにも様々な流派が登場しており、その一つとしてソリューション・フォーカス・アプローチがあります。問題の原因(障壁)を考えるのはほどほどにして、あるいは全く考えずに、もっぱら解決策を考えるのが、ソリューション・フォーカス・アプローチです。たしかに、原因を考えていると言い訳しか出てこなくて、できないことを正当化してしまうことがよくあります。そういう時には原因を考えるのを止めて、「なぜできないのか」ではなく「どうすればできるのか」を考えるのです。
どうすれば資格試験に合格できますか? 他に良い方法はないですか? それだけですか? 思いつく限り、たくさん挙げるとすれば?
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