いまやブームともいえるほど広まった「コーチング」。実は、自分ひとりでもできることを知っていましたか? 福祉の現場にも詳しい諏訪茂樹先生が、自分自身で受験勉強のモチベーションを高める「セルフコーチング」の方法を伝授します
第1回 寝て待つだけではダメ
“三年寝太郎”だった私の学生時代
当時、何年も寝続けた後に偉業を成し遂げたという三年寝太郎の民話を知り、「私も寝太郎と同じだ」と思いました。また、神経症の治療法の一つである森田療法では、最初に何もしないで過ごすことを知り、「なるほど」と思ったのです。無為に過ごすことは無駄ではなく、心身のエネルギーを蓄積することなのだと、自分なりに考えるようになりました。そして、「焦っても仕方がない」「やる気は寝て待て」などと、自分に言い聞かせていたのです。
「やりたいことが」頭を過ぎる
ところが、社会に出た途端に、事態は一変しました。やる気の有無にかかわらず、「やらなければならないこと」が次々と押し寄せてきたのです。そして、「やらなければならないこと」を何とか処理できるようになると、「このままで人生を終わらせたくない」という気持ちになり、「やりたいこと」が頭を過ぎるようになりました。しかし、「やらなければならないこと」を処理するだけで、心身のエネルギーは消耗しています。エネルギーを蓄積するために寝て過ごすことも許されず、やる気を引き出し、持続させる他の方法を求めて、試行錯誤しなければならなくなったのです。
資格試験の合格を目指す皆さんにとっても、やる気をうまく引き出し、持続していくことは、大切な課題の一つでしょう。一夜漬けの勉強では資格試験に対応できず、しかも、試験科目の全てが自分の興味・関心に合致しているとは限らないからです。ともすると挫けそうになる自分を上手くコントロールしながら、コンスタントに学習を積み重ねていく努力が必要になるのです。
やる気を引き出し、持続させるための幾つかの質問を、これから何回かに分けて紹介して行きます。一連の質問によって皆さんは自問自答しながら、セルフコーチングを行うことになります。皆さんの資格取得だけではなく、その後の利用者とのかかわりにおいても、これから紹介する質問が役立つことを、私としては願っています。
資格試験の合格を目指す皆さんにとっても、やる気をうまく引き出し、持続していくことは、大切な課題の一つでしょう。一夜漬けの勉強では資格試験に対応できず、しかも、試験科目の全てが自分の興味・関心に合致しているとは限らないからです。ともすると挫けそうになる自分を上手くコントロールしながら、コンスタントに学習を積み重ねていく努力が必要になるのです。
やる気を引き出し、持続させるための幾つかの質問を、これから何回かに分けて紹介して行きます。一連の質問によって皆さんは自問自答しながら、セルフコーチングを行うことになります。皆さんの資格取得だけではなく、その後の利用者とのかかわりにおいても、これから紹介する質問が役立つことを、私としては願っています。