認知症
退院を迫られています。どうしたらよいでしょうか。
パーキンソン病で認知症の母がいます。現在は入院しており、食事は点滴で栄養を補っています。
入院期間がある程度になったため、今月末に退院を迫られていますが、他の病院に問い合わせたところ、どこにも入院できませんでした。私は遠方に住んでおり、身近で母を介護できる人がおりません。もし、病院が見つからなかったら、どうしたらよいのでしょうか?
また、私の家で介護することになった場合、点滴で栄養を補っていた母が病院以外で暮らしていけるでしょうか。介護保険サービスのこともよくわからないので、母を介護できるかわからず不安でいっぱいです。アドバイスをお願いします。
入院期間がある程度になったため、今月末に退院を迫られていますが、他の病院に問い合わせたところ、どこにも入院できませんでした。私は遠方に住んでおり、身近で母を介護できる人がおりません。もし、病院が見つからなかったら、どうしたらよいのでしょうか?
また、私の家で介護することになった場合、点滴で栄養を補っていた母が病院以外で暮らしていけるでしょうか。介護保険サービスのこともよくわからないので、母を介護できるかわからず不安でいっぱいです。アドバイスをお願いします。
おのさん〈女性〉より
まず、今の状況について確認しましょう。その上で、病院内の医療福祉相談室、市区町村の介護保険課(高齢福祉課)や地域包括支援センターなどに相談に行くとよいでしょう。
ある日、突然介護という現実に直面され、戸惑われるお気持ちをお察しいたします。そのような中、この度のように「治療していた病院から退院しなくてはならい」「どこに何を相談したらよいか」「認知症があり日常生活をどうしたらよいか」「使える介護サービスは何があるのか」等々、はじめてのことばかりで先々のことが不安になってしまいます。そこでまずは、次のように整理して考えてみましょう。
まずは、今の状況について再確認します。
まずは、今の状況について再確認します。
◇お母様の心身状態
・医師からみた身体的な状態や症状。そして生活をしていく上での留意点の確認。認知症状とパーキンソン病の状態および今後の治療計画。
→今後の通院治療などの頻度や内容を知ることは、服薬管理や通院介助をしていく上で参考になります。
・看護側からみた介護のより良い方法
→医療・看護の視点から、在宅や施設の介護を利用する際の留意点を知ることで、本人や介護者にとって負担なく介護をしていけるポイントがわかります。
・医師からみた身体的な状態や症状。そして生活をしていく上での留意点の確認。認知症状とパーキンソン病の状態および今後の治療計画。
→今後の通院治療などの頻度や内容を知ることは、服薬管理や通院介助をしていく上で参考になります。
・看護側からみた介護のより良い方法
→医療・看護の視点から、在宅や施設の介護を利用する際の留意点を知ることで、本人や介護者にとって負担なく介護をしていけるポイントがわかります。
◇お母様とご家族の思い
・ご本人の生活していく意欲やご家族の介護への認識
→何よりも、ご本人の生きて、活きようとしていく意欲は大切です。その思いと同じように、介護するご家族の思いも大切です。そのためには「何とかより良い生活を続けていこう」という意欲をもたれていることの確認が必要です。
これらのことを確認した上で、身近な相談窓口を訪ねましょう。たとえば、現在入院されている病院に「医療福祉相談室」(もしくはそれに似たような相談窓口)があるかを確認してください。そこには、医療ソーシャルワーカー(MSW)という専門職がおり、病院内での調整ばかりではなく、退院してから利用できる様々なサービスを紹介してくれます。時には、行政や各種事業所などの介護サービスの窓口に連絡・調整してくれます。また、医療福祉相談室だけでなく、病棟看護師長などがお手伝いしてくださる病院もあるので、師長さんに相談してみるのもよいかもしれません。
病院に相談窓口がない場合は、お母様の居住地にある市区町村の窓口(役所の介護保険課・高齢福祉課など)、もしくは地域包括支援センターに行きましょう。介護や生活を安心していくための総合相談をしてくれます。
このような相談窓口に行く場合、先ほどの最初に確認したことがらを整理しておくと、相談時間を有効に使うことができ、介護サービスをスムーズに利用できる機会になると思います。
また、介護サービスを利用する際には、介護経験者などが集う家族会のみなさんの話や口コミなどを参考にすることで、最寄りの介護に関する多くの情報が入ります。たとえば(社)認知症の人と家族の会は全国組織ですが、各地で「集い」という家族会を開いていますし、無料の電話相談なども行っています。
耳慣れない言葉ばかりで戸惑われることが多いと思いますが、まずは何よりも、現状を把握して、そのことを相談機関などに相談していくことをおすすめします。劇的に不安が解消されれば何よりですが、まずは、安心した介護生活を始めるためにも、多くの情報を収集し、現状にあった方法を確実に選択していましょう。
回答者:永島徹(NPO法人風の詩・副理事長、社会福祉士、介護支援専門員)
・ご本人の生活していく意欲やご家族の介護への認識
→何よりも、ご本人の生きて、活きようとしていく意欲は大切です。その思いと同じように、介護するご家族の思いも大切です。そのためには「何とかより良い生活を続けていこう」という意欲をもたれていることの確認が必要です。
これらのことを確認した上で、身近な相談窓口を訪ねましょう。たとえば、現在入院されている病院に「医療福祉相談室」(もしくはそれに似たような相談窓口)があるかを確認してください。そこには、医療ソーシャルワーカー(MSW)という専門職がおり、病院内での調整ばかりではなく、退院してから利用できる様々なサービスを紹介してくれます。時には、行政や各種事業所などの介護サービスの窓口に連絡・調整してくれます。また、医療福祉相談室だけでなく、病棟看護師長などがお手伝いしてくださる病院もあるので、師長さんに相談してみるのもよいかもしれません。
病院に相談窓口がない場合は、お母様の居住地にある市区町村の窓口(役所の介護保険課・高齢福祉課など)、もしくは地域包括支援センターに行きましょう。介護や生活を安心していくための総合相談をしてくれます。
このような相談窓口に行く場合、先ほどの最初に確認したことがらを整理しておくと、相談時間を有効に使うことができ、介護サービスをスムーズに利用できる機会になると思います。
また、介護サービスを利用する際には、介護経験者などが集う家族会のみなさんの話や口コミなどを参考にすることで、最寄りの介護に関する多くの情報が入ります。たとえば(社)認知症の人と家族の会は全国組織ですが、各地で「集い」という家族会を開いていますし、無料の電話相談なども行っています。
耳慣れない言葉ばかりで戸惑われることが多いと思いますが、まずは何よりも、現状を把握して、そのことを相談機関などに相談していくことをおすすめします。劇的に不安が解消されれば何よりですが、まずは、安心した介護生活を始めるためにも、多くの情報を収集し、現状にあった方法を確実に選択していましょう。
回答者:永島徹(NPO法人風の詩・副理事長、社会福祉士、介護支援専門員)