介護技術
AVM(脳動静脈奇形)の在宅介護についてアドバイスをお願いします。
介護初心者なので不安に思っていることを教えていただければと思います。30代前半の婚約者の介護についてですが、現在回復期のリハビリテーション病院にてリハビリを受けています。気管切開、胃ろう、左半身麻痺、歩行も困難な状態で全介助となっています。
筆談でコミュニケーションは可能で、記憶もしっかりしています。ただし高次脳機能障害が出ている状態です。
このような状態で、今後わたし一人で介護が出来るかどうかが不安です。療養型の病院も考えましたが、せっかく少しづつ回復しているのだから、わたしがリハビリをしてあげたいと思いました。
相手の家族は忙しいようで病院以外の選択肢はないようです。病名はAVM(脳動静脈奇形)でもうすぐ発症して1年です。当初、遷延性意識障害になるとまでいわれていましたがここまで回復出来ました。
何かヒントがえられればと思い質問をしてみました。宜しくお願いします。
筆談でコミュニケーションは可能で、記憶もしっかりしています。ただし高次脳機能障害が出ている状態です。
このような状態で、今後わたし一人で介護が出来るかどうかが不安です。療養型の病院も考えましたが、せっかく少しづつ回復しているのだから、わたしがリハビリをしてあげたいと思いました。
相手の家族は忙しいようで病院以外の選択肢はないようです。病名はAVM(脳動静脈奇形)でもうすぐ発症して1年です。当初、遷延性意識障害になるとまでいわれていましたがここまで回復出来ました。
何かヒントがえられればと思い質問をしてみました。宜しくお願いします。
Yawnさん(男性)より
一人で背負いこまずに、複数の人で介護体制を作りましょう。また、制度やサービスの活用、看護・介護専門職の力を借りることも大切です
少しづつ回復に向かっている婚約者に寄り添いながらお一人で介護できるのかと迷われているお気持ちをお察し致します。
介護を一人で背負い込むことはお勧めしません。なぜならば介護は大変な労力が必要ですし、出費も伴います。お一人で背負い込むことで身体的・精神的にまいってしまうことが多いからです。
主な介護者を決め、できるだけ複数の人々で介護できる体制をとることをお勧めします。そのために、婚約者ご本人がどこで生活したいのか、誰のそばにいたいのかなど、ご本人の意思を確認しましょう。
ご本人の気持ちを大切にしながら、婚約者のご両親と今後の方向性についてしっかりご相談され、ご家族の気持ちの意思統一を図られることをお勧めします。
婚約者のご両親は、あなたのこれからの生活と人生をご心配されているかもしれませんよ。
婚約者と共にリハビリに励みながら介護を始める覚悟ができるならば、以下のことをしっかり確認しましょう。
1.現在の心身状態を理解し、今後起こりうる症状・変化や生活していく上での留意点。また、今後の治療方針・治療計画をしっかり把握しましょう。
2.気管切開、胃ろう等の医療的ケアの技術を習得し、日常生活に必要なより良い介護方法を見出しましょう。
3.障害者自立支援制度、障害者のサービス内容や活用方法を理解しましょう
4.安全で快適な住環境、介護環境を総合的に整えましょう。
例えば、住環境に関しては、ベットと車いすの生活となりますので段差の解消や移動しやすい室内環境の調整、外出のための工夫が必要となるでしょう。また、介護環境に関しては、気管の管(くだ)の交換や物品の供給、管理や全身状態の観察、薬剤の処方などのために、往診で対応してくれる医師を探す必要があるかもしれません。その他の細かな食事や水分の注入や気管からの分泌物の吸引、朝夕の洗面・歯磨き、左半身麻痺があるとのことですので、体を動かすことや排泄の世話がどの程度必要なのか理解し、ご家族で担いきれないときには、訪問看護、訪問介護、入浴サービスなど様々な介護サポートメンバーを決めていきましょう。
何よりも大切なのは、よりよい生活を維持することです。これらすべてを一人で解決しようとせず、あなたの良き相談者や協力者を持ちましょう。
婚約者の方は現在入院されているので、入院先の病院に「医療福祉相談室」があるか確認してください。医療ソーシャルワーカー(MSW)という専門職がおり、さまざまな相談に対応して下さいます。また、病棟の看護師長にも相談してみるのも良い方法かもしれません。
病院に相談窓口がない場合には、お住まいの市区町村の窓口(障害者支援課など)もしくは、障害者支援センターで、介護や安心した生活をおくるための総合的な相談に応じて下さいます。
婚約者の方が病気になられてもうすぐ1年。ご本人の努力をはじめ、ご相談者の献身的介護で少しづつ回復されていることはとても喜ばしいことですね。ご家族の皆様が健康でいられ、無理のないよう現状にあった方法を確実に選択していきましょう。
回答者:鳩ヶ谷訪問看護ステーション 療養通所介護事業所 鳩ヶ谷 白石 恵子
●制度面からのアドバイス
編集部より、障害者サービスについて、補足説明します。
病気などによって、生活に困難が生じた場合、「障害者自立支援法」という法律に基づいて、さまざまなサービスを利用することができます。
それにはまず、「身体障害者手帳」の取得が必要になります。「身体障害者手帳」とは、障害福祉サービスを利用するための、いわば証明書のようなものです。身体障害者手帳については、お住まいの市区町村(「障害福祉課」というような名称であることが多いようです)にお尋ね下さい。
実際に障害者サービスを利用するには、市区町村への申請が必要になります。申請を行うと、市区町村により介護の必要度についての調査・認定が行われます。その後、介護者や住居などの状況、サービスの利用意向などをふまえて、サービスの利用が決定されます。
具体的なサービスには、ホームヘルパーが自宅を訪れて入浴や食事などの介護を行う「ホームヘルプサービス」や、医療的ケアが必要な障害のある方に対して、主に昼間に病院などで療養上の管理や介護を行う「療養介護」などがあります。サービスの利用料は決められており、利用者の自己負担はその1割になります(自己負担額が多くなった場合でも、所得に応じて負担上限月額が設定されています)。
いずれにしても、市区町村で相談に応じていますから、まずはお住まいの市区町村の窓口で必ずご相談下さい。
なお、厚生労働省のホームページに障害者自立支援法に関するパンフレットが紹介されています。
また、「WAM-net」というサイトでは、障害福祉サービスを提供する事業者を検索することができます。
介護を一人で背負い込むことはお勧めしません。なぜならば介護は大変な労力が必要ですし、出費も伴います。お一人で背負い込むことで身体的・精神的にまいってしまうことが多いからです。
主な介護者を決め、できるだけ複数の人々で介護できる体制をとることをお勧めします。そのために、婚約者ご本人がどこで生活したいのか、誰のそばにいたいのかなど、ご本人の意思を確認しましょう。
ご本人の気持ちを大切にしながら、婚約者のご両親と今後の方向性についてしっかりご相談され、ご家族の気持ちの意思統一を図られることをお勧めします。
婚約者のご両親は、あなたのこれからの生活と人生をご心配されているかもしれませんよ。
婚約者と共にリハビリに励みながら介護を始める覚悟ができるならば、以下のことをしっかり確認しましょう。
1.現在の心身状態を理解し、今後起こりうる症状・変化や生活していく上での留意点。また、今後の治療方針・治療計画をしっかり把握しましょう。
2.気管切開、胃ろう等の医療的ケアの技術を習得し、日常生活に必要なより良い介護方法を見出しましょう。
3.障害者自立支援制度、障害者のサービス内容や活用方法を理解しましょう
4.安全で快適な住環境、介護環境を総合的に整えましょう。
例えば、住環境に関しては、ベットと車いすの生活となりますので段差の解消や移動しやすい室内環境の調整、外出のための工夫が必要となるでしょう。また、介護環境に関しては、気管の管(くだ)の交換や物品の供給、管理や全身状態の観察、薬剤の処方などのために、往診で対応してくれる医師を探す必要があるかもしれません。その他の細かな食事や水分の注入や気管からの分泌物の吸引、朝夕の洗面・歯磨き、左半身麻痺があるとのことですので、体を動かすことや排泄の世話がどの程度必要なのか理解し、ご家族で担いきれないときには、訪問看護、訪問介護、入浴サービスなど様々な介護サポートメンバーを決めていきましょう。
何よりも大切なのは、よりよい生活を維持することです。これらすべてを一人で解決しようとせず、あなたの良き相談者や協力者を持ちましょう。
婚約者の方は現在入院されているので、入院先の病院に「医療福祉相談室」があるか確認してください。医療ソーシャルワーカー(MSW)という専門職がおり、さまざまな相談に対応して下さいます。また、病棟の看護師長にも相談してみるのも良い方法かもしれません。
病院に相談窓口がない場合には、お住まいの市区町村の窓口(障害者支援課など)もしくは、障害者支援センターで、介護や安心した生活をおくるための総合的な相談に応じて下さいます。
婚約者の方が病気になられてもうすぐ1年。ご本人の努力をはじめ、ご相談者の献身的介護で少しづつ回復されていることはとても喜ばしいことですね。ご家族の皆様が健康でいられ、無理のないよう現状にあった方法を確実に選択していきましょう。
回答者:鳩ヶ谷訪問看護ステーション 療養通所介護事業所 鳩ヶ谷 白石 恵子
●制度面からのアドバイス
編集部より、障害者サービスについて、補足説明します。
病気などによって、生活に困難が生じた場合、「障害者自立支援法」という法律に基づいて、さまざまなサービスを利用することができます。
それにはまず、「身体障害者手帳」の取得が必要になります。「身体障害者手帳」とは、障害福祉サービスを利用するための、いわば証明書のようなものです。身体障害者手帳については、お住まいの市区町村(「障害福祉課」というような名称であることが多いようです)にお尋ね下さい。
実際に障害者サービスを利用するには、市区町村への申請が必要になります。申請を行うと、市区町村により介護の必要度についての調査・認定が行われます。その後、介護者や住居などの状況、サービスの利用意向などをふまえて、サービスの利用が決定されます。
具体的なサービスには、ホームヘルパーが自宅を訪れて入浴や食事などの介護を行う「ホームヘルプサービス」や、医療的ケアが必要な障害のある方に対して、主に昼間に病院などで療養上の管理や介護を行う「療養介護」などがあります。サービスの利用料は決められており、利用者の自己負担はその1割になります(自己負担額が多くなった場合でも、所得に応じて負担上限月額が設定されています)。
いずれにしても、市区町村で相談に応じていますから、まずはお住まいの市区町村の窓口で必ずご相談下さい。
なお、厚生労働省のホームページに障害者自立支援法に関するパンフレットが紹介されています。
また、「WAM-net」というサイトでは、障害福祉サービスを提供する事業者を検索することができます。