衣食住
訪問介護で、タバコやお酒を買うことはできますか?
ホームヘルパーをしています。現在サービスに入っている利用者宅での支援内容について疑問があります。利用者の日常品等の買い物のときに、毎週タバコとビールの購入も頼まれます。これらの嗜好品は直接生活に必要なものと思われないのですが、このようなとき皆さんはどう対応されているのでしょうか?
リボンさん(女性)より
利用者の状況やニーズを把握し、ケアプランに反映させること。そして、支援内容を利用者に理解してもらうこと。サービス提供責任者やケアマネジャーと相談することが大切です。
こちらのコーナーは家庭介護者の方のご質問に答えるコーナーですが、ホームヘルパーのお立場の方からの質問をいただきました。今回は特別に、専門職の方への回答を掲載します。とはいえ、家庭介護者の方にもサービス提供の考え方を知る上で役に立つ内容ですので、ぜひご一読ください。回答は櫻井和代さんにご用意いただきました。以下、櫻井さん、お願いします。
リボンさん、こんにちは。
さて、嗜好品の買物については次の二つの質問を多く受けます。一つは、ご質問者の方からあるように、利用者からイレギュラーに頼まれる日常生活用品以外の買物をうまく断る方法について。二つは、嗜好品と言っても今までの生活の継続の観点からも本人の生活に必要なもの。酒、タバコ、仏壇の花、なぜできないのかという法の解釈への疑問です。
今回の場合は一つ目の質問と考えてよいでしょう。まず基本的に嗜好品の買物は、原則としてケアプラン作成段階で認められていません。ただ利用者自身が嗜好品を買いに行き、転倒して要介護状態が悪くなったという事例もあります。生活支援とは一概に「これはいけない」と断言できるものでもありません。ケアマネジャーも利用者の状況やニーズをきちんと把握し、プランを作成する必要があります。
さて、嗜好品の買物については次の二つの質問を多く受けます。一つは、ご質問者の方からあるように、利用者からイレギュラーに頼まれる日常生活用品以外の買物をうまく断る方法について。二つは、嗜好品と言っても今までの生活の継続の観点からも本人の生活に必要なもの。酒、タバコ、仏壇の花、なぜできないのかという法の解釈への疑問です。
今回の場合は一つ目の質問と考えてよいでしょう。まず基本的に嗜好品の買物は、原則としてケアプラン作成段階で認められていません。ただ利用者自身が嗜好品を買いに行き、転倒して要介護状態が悪くなったという事例もあります。生活支援とは一概に「これはいけない」と断言できるものでもありません。ケアマネジャーも利用者の状況やニーズをきちんと把握し、プランを作成する必要があります。
本当に必要な支援とは何かを見極める
嗜好品の中でも「健康悪化」をもたらす要因を含むタバコと酒。今回の事例もケアプランには位置づけられず、当然「訪問介護計画」にも位置づけられていない内容を、利用者宅では1対1の関係の中で断りきれないという悩みと疑問かと想像します。
ここで大切なのは「本当に必要な支援とは何か」、利用者を中心に据えて、訪問介護計画でニーズと目標をきちんと定め、かつ利用者にもその内容を理解してもらうことです。
この事例の場合「タバコとビール」が本人の生活の中でどのような位置を占めているのか。単に「これまでの生活の維持」という観点からだけではないところで、訪問介護計画に記載できるような根拠が示せるかどうかになると思います。在宅支援はチームケアです。チームの中で承認されなければ「ヘルパーが健康悪化の元になるタバコとビールを買っている。ケアプランの総合方針とも反する。何事か!」と、支援関係者の中でトラブルが発生することも考えられます。
嗜好品の中でも「健康悪化」をもたらす要因を含むタバコと酒。今回の事例もケアプランには位置づけられず、当然「訪問介護計画」にも位置づけられていない内容を、利用者宅では1対1の関係の中で断りきれないという悩みと疑問かと想像します。
ここで大切なのは「本当に必要な支援とは何か」、利用者を中心に据えて、訪問介護計画でニーズと目標をきちんと定め、かつ利用者にもその内容を理解してもらうことです。
この事例の場合「タバコとビール」が本人の生活の中でどのような位置を占めているのか。単に「これまでの生活の維持」という観点からだけではないところで、訪問介護計画に記載できるような根拠が示せるかどうかになると思います。在宅支援はチームケアです。チームの中で承認されなければ「ヘルパーが健康悪化の元になるタバコとビールを買っている。ケアプランの総合方針とも反する。何事か!」と、支援関係者の中でトラブルが発生することも考えられます。
まずはサービス提供責任者に相談する
質問者の方がサービス提供責任者でなければまずはサービス提供責任者に相談し、訪問介護としての再アセスメントをしてもらいましょう。もちろん、ヘルパーが自らの実践の中でのアセスメントをすることも必要です。利用者に必要なことであれば、必ず訪問介護計画に利用者のニーズと目標につながるような根拠を示せるはずです。それをもとにサービス提供責任者がケアマネジャーと相談し、必要なサービスが決定されていくことになるでしょう。
現実の解決策として、サービス提供責任者からホームヘルパーの支援内容を利用者に説明してもらい、まずは「ヘルパーの仕事ではない」ことの理解を得ることです。本来はケアマネジャーがケアプラン作成時に、さらにサービス提供責任者が訪問介護計画作成時にサービス内容をきちんと利用者に説明しているはずです。ここがきちんとなされていないと、現場のヘルパーにそのしわ寄せがきてしまいます。現場のヘルパーは「利用者とケンカはできない」立場。そのことを関係者の方にもっと知ってもらいたいものですね!
質問者の方がサービス提供責任者でなければまずはサービス提供責任者に相談し、訪問介護としての再アセスメントをしてもらいましょう。もちろん、ヘルパーが自らの実践の中でのアセスメントをすることも必要です。利用者に必要なことであれば、必ず訪問介護計画に利用者のニーズと目標につながるような根拠を示せるはずです。それをもとにサービス提供責任者がケアマネジャーと相談し、必要なサービスが決定されていくことになるでしょう。
現実の解決策として、サービス提供責任者からホームヘルパーの支援内容を利用者に説明してもらい、まずは「ヘルパーの仕事ではない」ことの理解を得ることです。本来はケアマネジャーがケアプラン作成時に、さらにサービス提供責任者が訪問介護計画作成時にサービス内容をきちんと利用者に説明しているはずです。ここがきちんとなされていないと、現場のヘルパーにそのしわ寄せがきてしまいます。現場のヘルパーは「利用者とケンカはできない」立場。そのことを関係者の方にもっと知ってもらいたいものですね!
回答者:櫻井和代(介護支援専門員・介護福祉士)
参考文献:櫻井和代『訪問介護計画おたすけ作成便利帳』日総研、2010年5月発行、2520円
参考文献:櫻井和代『訪問介護計画おたすけ作成便利帳』日総研、2010年5月発行、2520円