1 介護保険制度の仕組み
介護保険制度の基本
介護保険制度とは
介護保険制度は、介護が必要になった高齢者やそのご家族を社会全体で支えていく仕組みです。「介護が必要になる」のは限られた人だけでなく、誰にでもその可能性(これをリスクといいます)があります。このようなリスクを多くの人で負担しあい、万が一介護が必要になったときに、サービスを受けられるようにするのが介護保険制度です。
介護保険制度は、40歳以上の人が支払う「保険料」と「税金」とで運営されています。運営は市町村と特別区(以下、市町村)が行い、これを都道府県と国がサポートします。
運営者を「保険者」、介護が必要になったときにサービスを受けることができる人のことを「被保険者」といいます。
介護保険制度は、40歳以上の人が支払う「保険料」と「税金」とで運営されています。運営は市町村と特別区(以下、市町村)が行い、これを都道府県と国がサポートします。
運営者を「保険者」、介護が必要になったときにサービスを受けることができる人のことを「被保険者」といいます。
被保険者とは
被保険者は、次の2つに分けられています。
第1号被保険者 | 65歳以上の高齢者 |
第2号被保険者 | 40歳以上65歳未満の医療保険に加入している人 |
サービスを利用できる人
要介護状態 | 入浴、排泄、食事など、日常生活を送るうえで基本となる動作について常に介護が必要と見込まれる状態 |
要支援状態 | 介護を必要とする状態のその程度を少なくしたり、悪化するのを防止したりするために特に支援が必要と考えられる状態、または日常生活を送るのに困難があると見込まれる状態 |
要介護状態であると認定された人を「要介護者」、要支援状態と認定された人を「要支援者」といいます。
なお、第2号被保険者(40歳以上65歳未満の人)が「要介護者」、「要支援者」と認定されるには、要介護状態(もしくは要支援状態)の原因である身体上または精神上の障害が、加齢に伴って生じる疾病であることが必要です。この疾病を、「特定疾病」といいます。
なお、第2号被保険者(40歳以上65歳未満の人)が「要介護者」、「要支援者」と認定されるには、要介護状態(もしくは要支援状態)の原因である身体上または精神上の障害が、加齢に伴って生じる疾病であることが必要です。この疾病を、「特定疾病」といいます。
◆ワンポイント◆ 介護保険は何歳から使えるの? 介護保険料は40歳から納めますが、介護保険サービスを利用できるのは65歳からです。 ただし、40〜64歳の人でも「特定疾病」にかかった場合は、介護保険サービスを利用できます。 |
保険料
第1号被保険者の場合
第1号被保険者(65歳以上の人)の保険料は国が定める基準に従って、保険者である市町村が条例によって3年に1度定めます。所得の低い人の負担を減らし、所得の高い人は能力に応じたものとするため、「所得段階別保険料」となっています。
具体的には、まず「基準額」を設定し、これに、所得に応じた負担割合をかけます。所得は原則として6段階に分けられています(第1段階のほうが所得が低い)。第1段階と第2段階では、標準額に2/4をかけて(つまり保険料は半額になります)、第3段階では3/4をかけます。一方、第5段階では5/4を、第6段階では6/4をそれぞれ基準額にかけて保険料が決められます。第4段階は標準額が保険料になります。
なお、“原則として6段階”と書きましたが、これは市町村によって異なることもあるからです。詳しいことはお住まいの市町村に確認して下さい。
具体的には、まず「基準額」を設定し、これに、所得に応じた負担割合をかけます。所得は原則として6段階に分けられています(第1段階のほうが所得が低い)。第1段階と第2段階では、標準額に2/4をかけて(つまり保険料は半額になります)、第3段階では3/4をかけます。一方、第5段階では5/4を、第6段階では6/4をそれぞれ基準額にかけて保険料が決められます。第4段階は標準額が保険料になります。
なお、“原則として6段階”と書きましたが、これは市町村によって異なることもあるからです。詳しいことはお住まいの市町村に確認して下さい。
区分 | 該当者 |
保険料 (標準額に対する割合) |
第1段階 |
○老齢福祉年金の受給権をもっていて、かつ (1)市町村民税世帯非課税 (2)第2段階区分を適用された場合、生活保護法の要保護者となるが第1段階の保険料であれば保護を必要としない状態になる人 ○生活保護法の被保護者 ○本来の区分が適用された場合、生活保護法の要保護者となるがより低い区分の保険料であれば保護を必要としない状態になる人(「境界層該当者」といいます) |
2/4 |
第2段階 |
○市町村民税世帯非課税者であって、前年度の公的年金等の収入金額及び合計所得額の合計額が80万円以下で第1段階に該当しない人 ○境界層該当者 |
2/4 |
第3段階 |
○市町村民税世帯非課税者であって、第1段階、第2段階に該当しない人
○境界層該当者 |
3/4 |
第4段階 |
○市町村民税非課税者であって第1段階、第2段階、第3段階に該当しない人 ○境界層該当者 |
標準額 |
第5段階 |
○市町村民税課税者であって合計所得金額が基準所得金額未満である人 ○境界層該当者 |
5/4 |
第6段階 | ○上の各段階のいずれにも該当しない人 | 6/4 |
第2号被保険者(40〜64歳の人)の場合
加入している医療保険の算定方法により保険料の額が決められ、医療保険料に上乗せされて集められます。
◆ワンポイント◆ 障害福祉サービスと介護保険サービスの違いって? 人は年齢を重ねるにつれ病気がちになったり、身体の動きが衰えたりして、日常生活に不支障をきたすことも多くなってきます。介護保険制度は、年を重ねること(加齢)を理由とする病気などによって“介護が必要となった”ときに備えるものです。
一方で、“介護が必要となる”のは、加齢に伴う病気などに限られるわけではありません。生まれついてだったり、事故だったりさまざまな理由によって、日常生活をおくるのに困難を抱え、“介護が必要”となることもあります。このような場合にも、介護保険と同様に、その人の生活を支えるサービスを利用できるような仕組みが整えられています。そのサービスを「障害福祉サービス」といいます。 障害福祉サービスは介護保険サービスと内容的に重なるものもあります(たとえば、ホームヘルプサービスなど)。このようなサービスについては、介護保険サービスを利用できる場合(65歳以上で介護が必要になった場合、40〜64歳で「特定疾病」によって介護が必要になった場合)には、まず、介護保険によるサービスを優先して利用することになります。次いで、介護保険ではカバーしきれない場合について、障害福祉サービスを利用することになります。 |