主任介護支援専門員に要求されるスーパーバイザーとしての役割。その責務をどのように果たしていけばいいのか? 経験が浅くても無理なくできるスーパービジョンの方法を解説します。
第3回 スーパービジョンとは
連載も3回目を迎え、そろそろスーパービジョンの具体的な中身に入っていこうと思います。実践を考える前に、少し「スーパービジョン」のことを整理しておきましょう。スーパービジョンという言葉は聞いたことがあっても、中身がよくわからないという人もけっこう多いのではないでしょうか?
スーパービジョンの定義
識者によりスーパービジョンの定義に差異はありますが、ここでは、月刊『ケアマネジャー』3月号に掲載されていた昭和大学教授・高橋学氏の定義がわかりやすいので紹介します。
「スーパービジョンは、援助者の専門的実践についての指導・調整・教育・評価する立場にある機関の管理運営責任を持つ職員が行うもので、スーパーバイジーとの信頼関係を基底にその人の仕事を管理し、教育し、指示することによって専門家としての熟成を図るものである。スーパーバイザーの究極の目的は、機関の方針と手続きに従って、利用者へのサービスが量的・質的に最高の水準となるように取り組むことである」(21頁)
なじみのない用語にとまどう人もいるかもしれませんので、まず、よく使用される語句について、整理をしておきましょう。
スーパービジョン(supervision 名詞)、あるいはスーパーバイズ(supervise 動詞)とは、上記の定義に基づいた一連のプロセスを指します。方法としては、事例または課題を題材にしながら、双方向のやり取り(口頭・文書等)で進められます。
スーパーバイザーとは、スーパービジョンを行う人です。上記の定義でいえば、「機関の管理運営責任を持つ職員」を指します。一方、スーパーバイジーとは、スーパービジョンを受ける人です。これから専門家としての熟成過程にある人となります。
この連載のなかで考えるとすれば、スーパーバイザーが主任介護支援専門員であり、地域のケアマネや事業所のケアマネジャーがスーパーバイジーということになります。
「スーパービジョンは、援助者の専門的実践についての指導・調整・教育・評価する立場にある機関の管理運営責任を持つ職員が行うもので、スーパーバイジーとの信頼関係を基底にその人の仕事を管理し、教育し、指示することによって専門家としての熟成を図るものである。スーパーバイザーの究極の目的は、機関の方針と手続きに従って、利用者へのサービスが量的・質的に最高の水準となるように取り組むことである」(21頁)
なじみのない用語にとまどう人もいるかもしれませんので、まず、よく使用される語句について、整理をしておきましょう。
スーパービジョン(supervision 名詞)、あるいはスーパーバイズ(supervise 動詞)とは、上記の定義に基づいた一連のプロセスを指します。方法としては、事例または課題を題材にしながら、双方向のやり取り(口頭・文書等)で進められます。
スーパーバイザーとは、スーパービジョンを行う人です。上記の定義でいえば、「機関の管理運営責任を持つ職員」を指します。一方、スーパーバイジーとは、スーパービジョンを受ける人です。これから専門家としての熟成過程にある人となります。
この連載のなかで考えるとすれば、スーパーバイザーが主任介護支援専門員であり、地域のケアマネや事業所のケアマネジャーがスーパーバイジーということになります。
スーパービジョンの目的はなにか
定義を明らかにしたところで、あらためて「スーパービジョンとは何か」について、考えてみましょう。
簡単に言ってしまえば、スーパービジョンとは一人前の信頼できるケアマネジャーとして機能してもらうために行う様々な支援です。新人が組織に入ってきてもすぐに仕事ができるわけがありません。業務を全うするために必要なことを身につけるための方法―それがスーパービジョンなのです。
「必要なこと」とは、その組織(居宅・介護保険施設・小規模多機能など)と個人の背景(基礎職種や人生経験など)によって異なります。また、その時に担当するケース内容によっても要求されるものが変わるため、それにあわせて変化していきます。適宜、必要なことを必要な時に補うのもスーパービジョンのひとつの要素といえるでしょう。
このように、スーパービジョンはケアマネジャーのような対人援助職のスキルアップに、大きく寄与する手法なのです。とはいえ、いきなり完璧なスーパーバイザーになるのはちょっと無理があります。できることから、少しずつ始めましょう。
簡単に言ってしまえば、スーパービジョンとは一人前の信頼できるケアマネジャーとして機能してもらうために行う様々な支援です。新人が組織に入ってきてもすぐに仕事ができるわけがありません。業務を全うするために必要なことを身につけるための方法―それがスーパービジョンなのです。
「必要なこと」とは、その組織(居宅・介護保険施設・小規模多機能など)と個人の背景(基礎職種や人生経験など)によって異なります。また、その時に担当するケース内容によっても要求されるものが変わるため、それにあわせて変化していきます。適宜、必要なことを必要な時に補うのもスーパービジョンのひとつの要素といえるでしょう。
このように、スーパービジョンはケアマネジャーのような対人援助職のスキルアップに、大きく寄与する手法なのです。とはいえ、いきなり完璧なスーパーバイザーになるのはちょっと無理があります。できることから、少しずつ始めましょう。