主任介護支援専門員に要求されるスーパーバイザーとしての役割。その責務をどのように果たしていけばいいのか? 経験が浅くても無理なくできるスーパービジョンの方法を解説します。
第2回 スーパービジョンと事例検討会との違いを学ぶ
今年度の主任介護支援専門員研修の講師を何度か務める機会がありました。そのなかで、受講者がもっとも理解しにくかったことが事例検討会とスーパービジョンの違いであったように感じました。そこで今回のテーマです。まずは、両者の違いを把握し、スーパービジョンへの理解を深める入り口としましょう。
事例への興味は邪魔になる?
皆さんは日常的に利用者の支援をしていますから、興味関心が事例へと向かうのは当然のことです。ただ、それゆえにスーパービジョンの場面でも、つい事例に目がいってしまいがちです。しかし、利用者に対して責任をもってケアマネジメントを行うのは、あくまでも担当ケアマネジャーであり、主任ケアマネジャーの皆さんの役割ではないはずです。
事例検討会の場で意見やアイデアを求められているのであれば、もちろんそれで構いません。しかし、スーパーバイザーとして援助をするのであれば、事例に興味を持つのは邪魔になりこそすれ役には立ちません。なぜでしょうか? スーパービジョンとは、その担当者(スーパーバイジー)がよりよい支援を自らできるようにすることだからです。
事例検討会の場で意見やアイデアを求められているのであれば、もちろんそれで構いません。しかし、スーパーバイザーとして援助をするのであれば、事例に興味を持つのは邪魔になりこそすれ役には立ちません。なぜでしょうか? スーパービジョンとは、その担当者(スーパーバイジー)がよりよい支援を自らできるようにすることだからです。
焦点はバイジー、その人
スーパービジョンの場面において、興味関心はスーパーバイジーその人になります。すなわち、皆さんがかかわる地域や事業所内のケアマネジャーになります。たとえ事例を通して話をする場合においても、焦点がどこに置かれるかが決定的に違うのです。
スーパービジョンは、そのケアマネジャーが自分らしく仕事をするために、今できていること・できていないことに気づき、何をどうしていったらよいかを自分自身で理解し実践できるようになることが目的です。そのため、どんな場面や事柄について、その人(バイジー)がどんな対応をするのか、どんな考え方をしているのかに着目していきます。それを把握するための、いわば材料が事例となるわけです。ですから、ひとつの事例を通じて理解できたことを、他の事例に置き換えて、再度確認することができるわけです。
一方、事例検討会においては、事例そのものに焦点を当てていきます。その事例に即した理解や支援のあり方を考えていくことになります。事例に生じた具体的な課題を解決することが目的なのです。もちろん、その検討のなかで、支援者自身の気づきや理解を深めていくなどの、スーパービジョンの要素を加味することは可能です。
スーパービジョンは、そのケアマネジャーが自分らしく仕事をするために、今できていること・できていないことに気づき、何をどうしていったらよいかを自分自身で理解し実践できるようになることが目的です。そのため、どんな場面や事柄について、その人(バイジー)がどんな対応をするのか、どんな考え方をしているのかに着目していきます。それを把握するための、いわば材料が事例となるわけです。ですから、ひとつの事例を通じて理解できたことを、他の事例に置き換えて、再度確認することができるわけです。
一方、事例検討会においては、事例そのものに焦点を当てていきます。その事例に即した理解や支援のあり方を考えていくことになります。事例に生じた具体的な課題を解決することが目的なのです。もちろん、その検討のなかで、支援者自身の気づきや理解を深めていくなどの、スーパービジョンの要素を加味することは可能です。
どうすればスーパービジョンになるのか
なにがスーパービジョンなのという詳しい解説はあらためてすることとし、ここでは簡単にスーパービジョンの原則を述べたいと思います。
まずスーパービジョンとは、契約に基づいて実施されるものです。そのため何を目的とするかに関して、バイザーとバイジーとの間で共有されている必要があります。いくらバイザーが「○○を身につけて欲しい」と思っていても相手がそのことに同意しなければ(気がついていなければ)届かない場合もあるのです。
単なるアドバイスは、スーパービジョンではありません。「○○が必要だ」とバイザーとバイジーの双方の了解の上に、その必要なことをバイジーが受け取るところまで、バイザーは責任を負うのです。ですから、バイザー側も、スーパービジョンで扱う範囲を自分の力量にあった内容に限定しておくことが重要になるのです。こうなってほしいという期待をただ負わせるのではなく、バイザー自身が理解し・説明することができ、また自身の力でバイジーをそこまで導くことができるものが対象となります。
まずスーパービジョンとは、契約に基づいて実施されるものです。そのため何を目的とするかに関して、バイザーとバイジーとの間で共有されている必要があります。いくらバイザーが「○○を身につけて欲しい」と思っていても相手がそのことに同意しなければ(気がついていなければ)届かない場合もあるのです。
単なるアドバイスは、スーパービジョンではありません。「○○が必要だ」とバイザーとバイジーの双方の了解の上に、その必要なことをバイジーが受け取るところまで、バイザーは責任を負うのです。ですから、バイザー側も、スーパービジョンで扱う範囲を自分の力量にあった内容に限定しておくことが重要になるのです。こうなってほしいという期待をただ負わせるのではなく、バイザー自身が理解し・説明することができ、また自身の力でバイジーをそこまで導くことができるものが対象となります。