主任介護支援専門員に要求されるスーパーバイザーとしての役割。その責務をどのように果たしていけばいいのか? 経験が浅くても無理なくできるスーパービジョンの方法を解説します。
第4回 スーパービジョンの「契約」とは
「契約」と聞くと、皆さんは文書によって交わされるものをイメージされるのではないでしょうか? しかし、ここで言う契約とは、契約事項をまとめた書類に印を押して(そうする場合もありますが)行われるものではなく、互いに何をするのかを了解し合うことを指しています。スーパービジョンの実践において、契約は重要なことです。契約が意味することを、一緒に考えていきましょう。
契約で範囲を決める
個人スーパービジョンを例に考えていきます。現状ではあまり意識されていないようですが、スーパービジョンの開始前に約束ごとを決めておくことはとても大切です。例えば、「スーパーバイザーは(支援などが)うまくできなかった理由は問わず(スーパーバイジーが発言するのは可)、どうすればよかったかの助言を行う」「バイジーは、バイザーの言葉の意味を理解できない場合、はっきりそれを認め、バイザーに伝える」「今後の支援、実践につながることのみについて話す」など、参加しやすくするためのルールを明確にしておくのです。
また、何を話題(テーマ)にするのかも重要です。特に、スーパービジョンをする方も受ける方も経験がなくて不安な場合は、第1回目でも少し触れたように、「事業所の運営規定に基づいた実践になっているかを確認する」「厚生労働省通知に示されたルールを逸脱していないか」といった介護支援専門員の基本的業務を一緒に点検することから始めることをお勧めします。こうした点であればきちんと実践できているはずですし確認も容易ですから、無用の不安をもたずに済みます。あるいは、普段気になっている点を再確認し、自信へ変えることができます。
つまり契約の中身とは、こうしたルールやテーマをあらかじめ互いに確認し、それ以外のことは行わない、もしその範囲を超える場合には再契約を必要とするということです。すなわち、バイザーとバイジーが今後スーパービジョンにおいて実施していくルールとテーマを明らかにし、了承しあうことなのです。また、そのために必要なこと(方法、時間、回数、頻度等)を決めておきましょう。
また、何を話題(テーマ)にするのかも重要です。特に、スーパービジョンをする方も受ける方も経験がなくて不安な場合は、第1回目でも少し触れたように、「事業所の運営規定に基づいた実践になっているかを確認する」「厚生労働省通知に示されたルールを逸脱していないか」といった介護支援専門員の基本的業務を一緒に点検することから始めることをお勧めします。こうした点であればきちんと実践できているはずですし確認も容易ですから、無用の不安をもたずに済みます。あるいは、普段気になっている点を再確認し、自信へ変えることができます。
つまり契約の中身とは、こうしたルールやテーマをあらかじめ互いに確認し、それ以外のことは行わない、もしその範囲を超える場合には再契約を必要とするということです。すなわち、バイザーとバイジーが今後スーパービジョンにおいて実施していくルールとテーマを明らかにし、了承しあうことなのです。また、そのために必要なこと(方法、時間、回数、頻度等)を決めておきましょう。
なぜ契約が必要か
スーパービジョンの目的は専門職としての成長、すなわち実践力の向上です。いくらバイザーが必要だと判断しても、現時点のバイジーの力量では理解できないことや実現できそうにない提案は、その後の実践にはつながりません。そこで、事例や自分自身の支援の経過を振り返るには、まずバイジーが理解している範囲からスタートするしかないわけです。言い換えれば、バイザー(主任介護支援専門員)は自分の期待を相手に強制してはいけないのです。これはバイジーにも言えることです。勝手に、「主任介護支援専門員ならなんでも教えてくれる」といった思い込みでスタートしてはうまくいかないでしょう。
「契約」を意識すれば、契約内容の合意を作る過程で、相手の求めているものと自分が提供しようとしているもの、または自分が提供できるものと相手の期待にずれがないかを互いに確認することができます。スタートラインとゴールを共通のものとする作業を事前に行い、共通になったものだけを契約するのです。
例えば、「介護支援専門員業務に必要なことは何かを明らかにする」と「介護支援専門員の業務に必要なことを獲得する」では、一見似ているようですが、スーパービジョンの範囲がだいぶ異なります。前者であれば、バイザーとバイジーが了解しあえれば終了です。しかし後者であれば、バイザーにはバイジーに不足していることを明らかにし、それを獲得できるようにする責任が伴うことになります。
「契約」を意識すれば、契約内容の合意を作る過程で、相手の求めているものと自分が提供しようとしているもの、または自分が提供できるものと相手の期待にずれがないかを互いに確認することができます。スタートラインとゴールを共通のものとする作業を事前に行い、共通になったものだけを契約するのです。
例えば、「介護支援専門員業務に必要なことは何かを明らかにする」と「介護支援専門員の業務に必要なことを獲得する」では、一見似ているようですが、スーパービジョンの範囲がだいぶ異なります。前者であれば、バイザーとバイジーが了解しあえれば終了です。しかし後者であれば、バイザーにはバイジーに不足していることを明らかにし、それを獲得できるようにする責任が伴うことになります。