平均の合格率が約20%と、介護・福祉の資格としては最難関のケアマネ試験。この高いハードルを突破した後には何が待ちかまえているのか──ケアマネジャーを目指す皆さんに向けて、具体的な業務内容から相談援助の魅力、そしてちょっと大変なところまで、現役ケアマネジャーが“ケアマネの仕事”をホンネで解説します。
第3回 ケアマネジャーの職場
久しぶりの原稿となってしまいましたが、今回はケアマネジャーの活躍する職場についてお話ししたいと思います。
介護保険の制度上、ケアマネジャーが必ず配置されなければならないのは、居宅介護支援事業所、介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)、地域密着型介護老人福祉施設(小規模特養)、小規模多機能型居宅介護事業所、認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) 、特定施設入居者生活介護事業所などです。
なんだか漢字ばかりになってしまいましたが、大別すると居宅でのサービス利用を支援する(1)居宅介護支援事業所と、施設入所などの(2)居住系サービスの施設や事業所の2つに分けられます。またこれ以外にも、地域包括支援センターには主任介護支援専門員が配置されています。もう少し詳しくみてみましょう。
(1)居宅介護支援事業所
ケアプランセンターなどの名称で呼ばれることもあり、訪問介護やデイサービスなど他のサービスに併設された事業所が大多数を占めますが、1割強の事業所は独立型(第1回「独立型」の理由を参照)として存在しています。
利用者さんの多くは、今まではまったく必要のなかった介護サービスをこれから仕方なく利用することになったために、大きな不安や戸惑いを持って居宅介護支援事業所を訪れてきます。
そうした利用者さんの立場に立って、希望を聞いたり状況を客観的に見極めたりしたうえでこれからの生活を一緒に考え、ケアプランを紡ぎ出すことがケアマネジャーの主な役割です。
そのためには、地域に存在するフォーマルおよびインフォーマルな社会資源についての広範な情報収集力や、連携のためのコミュニケーション力が必要です。
また、介護報酬という金銭に関わるサービスの種類や量に関する判断を利用者さんと一緒にするわけですから、公正中立といった正義感も特に重要な資質として求められます。
(2)居住系サービスの施設や事業所
居住系サービスにおいても、ケアマネジャーの基本的な役割は変わりません。ただし、施設や事業所の種別によっては100名もの利用者の介護サービス利用に関する支援を、たった1名のケアマネジャーで担当しなければならない場合もあります。35名を原則上限とする居宅介護支援事業所のケアマネジャーと比べると、支援の質を担保するためには時間も気力も多く必要となるかもしれません。また、当然のことながら訪問先はご自宅ではなく、施設や事業所内の居室である点も大きな違いと言えるでしょう。
所属するのが居宅介護支援事業所か居住系サービスの施設や事業所かで、業務に異なるところはありますが、大事にしなければならないことは変わりはありません。それは、介護保険の専門家としての適切なアドバイスなどではなく(もちろん、これも必要ですが)、利用者の立場に立って共にこれからの生活を悩み考える姿勢です。ケアマネジャーの立ち位置は難しいものですが、身内ではないけれど他人でもない、その中間くらいに位置して支援していきたいと考えています。
介護保険の制度上、ケアマネジャーが必ず配置されなければならないのは、居宅介護支援事業所、介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)、地域密着型介護老人福祉施設(小規模特養)、小規模多機能型居宅介護事業所、認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) 、特定施設入居者生活介護事業所などです。
なんだか漢字ばかりになってしまいましたが、大別すると居宅でのサービス利用を支援する(1)居宅介護支援事業所と、施設入所などの(2)居住系サービスの施設や事業所の2つに分けられます。またこれ以外にも、地域包括支援センターには主任介護支援専門員が配置されています。もう少し詳しくみてみましょう。
(1)居宅介護支援事業所
ケアプランセンターなどの名称で呼ばれることもあり、訪問介護やデイサービスなど他のサービスに併設された事業所が大多数を占めますが、1割強の事業所は独立型(第1回「独立型」の理由を参照)として存在しています。
利用者さんの多くは、今まではまったく必要のなかった介護サービスをこれから仕方なく利用することになったために、大きな不安や戸惑いを持って居宅介護支援事業所を訪れてきます。
そうした利用者さんの立場に立って、希望を聞いたり状況を客観的に見極めたりしたうえでこれからの生活を一緒に考え、ケアプランを紡ぎ出すことがケアマネジャーの主な役割です。
そのためには、地域に存在するフォーマルおよびインフォーマルな社会資源についての広範な情報収集力や、連携のためのコミュニケーション力が必要です。
また、介護報酬という金銭に関わるサービスの種類や量に関する判断を利用者さんと一緒にするわけですから、公正中立といった正義感も特に重要な資質として求められます。
(2)居住系サービスの施設や事業所
居住系サービスにおいても、ケアマネジャーの基本的な役割は変わりません。ただし、施設や事業所の種別によっては100名もの利用者の介護サービス利用に関する支援を、たった1名のケアマネジャーで担当しなければならない場合もあります。35名を原則上限とする居宅介護支援事業所のケアマネジャーと比べると、支援の質を担保するためには時間も気力も多く必要となるかもしれません。また、当然のことながら訪問先はご自宅ではなく、施設や事業所内の居室である点も大きな違いと言えるでしょう。
所属するのが居宅介護支援事業所か居住系サービスの施設や事業所かで、業務に異なるところはありますが、大事にしなければならないことは変わりはありません。それは、介護保険の専門家としての適切なアドバイスなどではなく(もちろん、これも必要ですが)、利用者の立場に立って共にこれからの生活を悩み考える姿勢です。ケアマネジャーの立ち位置は難しいものですが、身内ではないけれど他人でもない、その中間くらいに位置して支援していきたいと考えています。