13万人を超える受験者の中から晴れて介護福祉士になった皆さんに、仕事をしながら勉強を続けるコツや効果的な勉強法、受験を仕事に活かす展望についてうかがいました。
第28回 笠原みさとさん
特別養護老人ホーム ユニットリーダー
笠原さんが使った参考書
介護福祉士速習レッスン(上下)
ユーキャン
ユーキャン
介護福祉士過去問題集
ユーキャン
ユーキャン
笠原さんの合格までの道のり
福祉の仕事に就きたい
試験というものは、「実力があれば必ず受かるものだ」とは言われます。しかし、どこかに運・不運の芽が潜んでいて、巡り合わせの悪さから、付きがないという人が世の中にはいるものです。今回ご紹介する笠原みさとさんは、どうも不運を重ねてしまいやすい方のようで、3度目の受験でやっと合格を手にしたという、試験の苦労人でした。
笠原さんは、福祉の仕事を目指して福祉系の学校に進学し、学生時代にはボランティア活動に励み、老人福祉施設での実習を重ねるなど、人一倍、福祉の世界に馴染んできた人でした。実習で実際にお年寄りと接する中で、思いだけではできない仕事であることも実感として理解し、授業でテキストを読み込むだけでは学べない、ケアすることの難しさといったことも勉強しました。
笠原さんの最初の就職先は老人保健施設でした。そこではショートステイを担当していたのですが、ショートは利用者の入れ替わりが早く、多くのお年寄りに接することはできても、じっくりとケアに取り組んでいくといった形をつくることは難しいところがありました。そこで、地元にあった現在の勤め先である特養に替わったのでした。
いま、笠原さんは、お年寄りと接していくなかで、様々な悩みや苦しみも味わいながら、それでもお年寄りから寄せられる笑顔や喜びの気持ち、投げかけてくれる言葉などに励まされて、日々、自分が成長していくことを実感しているそうです。
笠原さんは、福祉の仕事を目指して福祉系の学校に進学し、学生時代にはボランティア活動に励み、老人福祉施設での実習を重ねるなど、人一倍、福祉の世界に馴染んできた人でした。実習で実際にお年寄りと接する中で、思いだけではできない仕事であることも実感として理解し、授業でテキストを読み込むだけでは学べない、ケアすることの難しさといったことも勉強しました。
笠原さんの最初の就職先は老人保健施設でした。そこではショートステイを担当していたのですが、ショートは利用者の入れ替わりが早く、多くのお年寄りに接することはできても、じっくりとケアに取り組んでいくといった形をつくることは難しいところがありました。そこで、地元にあった現在の勤め先である特養に替わったのでした。
いま、笠原さんは、お年寄りと接していくなかで、様々な悩みや苦しみも味わいながら、それでもお年寄りから寄せられる笑顔や喜びの気持ち、投げかけてくれる言葉などに励まされて、日々、自分が成長していくことを実感しているそうです。
笠原さんの受験勉強
介護の仕事に就いている人の離職率ということが、話題になることが多くなりました。この仕事に就いているのは女性が多く、結婚、出産を機に辞めるという話はよく聞きます。しかし笠原さんは、自分がそうした状況になっても、子育てが終わったなら再びこの仕事に復帰したいと思っていました。そのためには、資格を取得していると復帰もスムースに進むだろうと、資格取得を目指したのでした。
笠原さんは、学生時代には福祉系の学科の専攻でしたが、介護福祉士資格を取得できるコースではなかったので、実務経験ルートでの国家試験受験となりました。
笠原さんが最初の受験で試験勉強を開始したのは、筆記試験が始まる3か月前のことでした。まずは、書店で参考書などを見比べ、使いやすそうなテキストと過去問題集を購入しました。テキストを読み込み、どのような問題が出題されるのかも見渡してみますと、介護技術系の問題は、日々の仕事をで行っていることの整理といった感じなので、これはなんとかなりそうです。しかし福祉制度などについては、学校で習ったとはいってもその後の制度の改正等もあって変わっているものも多く、改めて学び直す必要があると思いました。それでも、学校で一通りは福祉の科目を学んでいましたので、参考書を読み込んでみると、およその問題は解けるように感じたのでした。
そこで笠原さんは、毎日1時間は勉強に充てることにしました。主に寝る前ですが、問題集を枕元において、端から解いていきます。繰り返し解いていくことで、問題に慣れればといった思いから、兎に角、毎日続けることを目標にしました。しかし、受験勉強として、どの程度の事柄をしっかりと理解して覚えていれば、実際の受験で力が発揮できるのか、そうしたことは分かりませんでした。最初の受験では、笠原さんは問題集を解くことだけで、受験に臨んだのでした。
さて、冬になり試験当日となりました。会場は予め下見をしていたので、時間に余裕をもって到着できました。しかし他の受験者は皆、自信がありそうに見えます。そして試験開始。いざ問題に臨んでみると、分からなかった問題はあったけれど、なんとか得点はできたような気がしたのでした。これなら1次試験はなんとか合格するのでは、と想像していたのでしたが、2月に届いた通知は不合格。この年は、ボーダーラインに得点が集中し、笠原さんは、もう数問正解していれば、恐らくは合格を手にしていたろうというところで、無念の涙を呑みました。
笠原さんは、学生時代には福祉系の学科の専攻でしたが、介護福祉士資格を取得できるコースではなかったので、実務経験ルートでの国家試験受験となりました。
笠原さんが最初の受験で試験勉強を開始したのは、筆記試験が始まる3か月前のことでした。まずは、書店で参考書などを見比べ、使いやすそうなテキストと過去問題集を購入しました。テキストを読み込み、どのような問題が出題されるのかも見渡してみますと、介護技術系の問題は、日々の仕事をで行っていることの整理といった感じなので、これはなんとかなりそうです。しかし福祉制度などについては、学校で習ったとはいってもその後の制度の改正等もあって変わっているものも多く、改めて学び直す必要があると思いました。それでも、学校で一通りは福祉の科目を学んでいましたので、参考書を読み込んでみると、およその問題は解けるように感じたのでした。
そこで笠原さんは、毎日1時間は勉強に充てることにしました。主に寝る前ですが、問題集を枕元において、端から解いていきます。繰り返し解いていくことで、問題に慣れればといった思いから、兎に角、毎日続けることを目標にしました。しかし、受験勉強として、どの程度の事柄をしっかりと理解して覚えていれば、実際の受験で力が発揮できるのか、そうしたことは分かりませんでした。最初の受験では、笠原さんは問題集を解くことだけで、受験に臨んだのでした。
さて、冬になり試験当日となりました。会場は予め下見をしていたので、時間に余裕をもって到着できました。しかし他の受験者は皆、自信がありそうに見えます。そして試験開始。いざ問題に臨んでみると、分からなかった問題はあったけれど、なんとか得点はできたような気がしたのでした。これなら1次試験はなんとか合格するのでは、と想像していたのでしたが、2月に届いた通知は不合格。この年は、ボーダーラインに得点が集中し、笠原さんは、もう数問正解していれば、恐らくは合格を手にしていたろうというところで、無念の涙を呑みました。
慢心が生んだ落とし穴
しかし、これで諦めるつもりはありません。春にはまた続けて受験勉強を開始しました。今度は、自分の知識の曖昧なところ、また試験で問われるポイントを明確に整理して覚えることで、知識を確実なものとすることにしました。そこで1年目に購入したテキストを、納得できるまで繰り返して読み込みました。それに基づいて過去問題を解くことで、問題が問うている意図をつかみながら、解答を導くといった練習を繰り返しました。
毎日の勉強時間は、勤務に追われる中でのことなので、やはり1時間程度捻出できればよいほうです。勉強にとれる時間帯は、どうしても就寝前が多くなりました。そして今年は職場での受験対策の講習会を積極的に利用し、また一緒に受験する仲間と一緒に図書館で勉強しあうなど、様々な対策も併せて行いました。
そうした甲斐あって、2回目の受験では、一次試験は落ち着いて受験できました。しかしそこに落とし穴があったのです。笠原さんは介護技術講習会を受講していませんでした。実技試験は、それほど困難なこととは思っていなかったのです。過去の問題を見ても、だいたいクリアできる内容の出題です。これなら十分に合格できる、そんな慢心が気持ちのどこかにありました。
さて、2次試験です。控え室で問題を渡された段階で、すでに問題が頭に入ってきません。そしていざ会場に入ると、全く頭が働かない状態でした。どこか重要なポイントを外したような気がしてはいたのですが、それがどこか、そんなこともよく分かりませんでした。結果は、やはり不合格でした。
毎日の勉強時間は、勤務に追われる中でのことなので、やはり1時間程度捻出できればよいほうです。勉強にとれる時間帯は、どうしても就寝前が多くなりました。そして今年は職場での受験対策の講習会を積極的に利用し、また一緒に受験する仲間と一緒に図書館で勉強しあうなど、様々な対策も併せて行いました。
そうした甲斐あって、2回目の受験では、一次試験は落ち着いて受験できました。しかしそこに落とし穴があったのです。笠原さんは介護技術講習会を受講していませんでした。実技試験は、それほど困難なこととは思っていなかったのです。過去の問題を見ても、だいたいクリアできる内容の出題です。これなら十分に合格できる、そんな慢心が気持ちのどこかにありました。
さて、2次試験です。控え室で問題を渡された段階で、すでに問題が頭に入ってきません。そしていざ会場に入ると、全く頭が働かない状態でした。どこか重要なポイントを外したような気がしてはいたのですが、それがどこか、そんなこともよく分かりませんでした。結果は、やはり不合格でした。
3度目の真実
自分が緊張しやすい性格であることは、ある程度は自覚していたのですが、多くの試験官の前では、思いの以上に緊張してしまっていたのです。これではいくら実力があっても、緊張に押しやられてしまいます。笠原さんは、翌年も再々度受験することに決め、今度は介護技術講習会に申し込みました。
そして、筆記試験に落ち度がないように、最新の知識なども整理して対応をはかりました。その成果があって、筆記試験は合格し、介護福祉士資格を取得できたのでした。
3回も受験するということは、気力の維持も必要ですし、なかなか大変なことです。誰しも何度も受験して資格取得となることは避けたいと思うものですが、結果として不合格となってしまっては、再挑戦する気持ちはとても大切なものでしょう。おそらく笠原さんは、3回の受験で、筆記試験で問われていた事柄を、日常の仕事と結びつけながら展開することができるようになっていったのではと思います。筆記試験は、とかく知識だけの問いかけに終わってしまいやすいのですが、繰り返して学んでいけば、自ずと仕事と結びついていくものです。大変ではあっても、それは決して無駄にはなっていないと思います。
笠原さんは、受験勉強を振り返ってみて、苦手とする部分の克服に時間がかかったこと。そこを重点的に勉強することで、次第に力をつけていったことを思い返していました。また緊張しやすいといった自分の性格をも配慮し、試験会場での雰囲気への慣れ方、どんな問題の解き方をすれば的確に得点を重ねられるか、そんなコツも学んでいったということです。
資格を取ることを生きがいかのようにして、様々な試験に臨む人もいますが、これから介護福祉士資格を取ろうとされる皆さんは、おそらく受験のベテランといった方は少ないと思います。それだけに「自分を知ること」、それが受験の第一歩ではないかと、改めて考えさせられた次第です。
そして、筆記試験に落ち度がないように、最新の知識なども整理して対応をはかりました。その成果があって、筆記試験は合格し、介護福祉士資格を取得できたのでした。
3回も受験するということは、気力の維持も必要ですし、なかなか大変なことです。誰しも何度も受験して資格取得となることは避けたいと思うものですが、結果として不合格となってしまっては、再挑戦する気持ちはとても大切なものでしょう。おそらく笠原さんは、3回の受験で、筆記試験で問われていた事柄を、日常の仕事と結びつけながら展開することができるようになっていったのではと思います。筆記試験は、とかく知識だけの問いかけに終わってしまいやすいのですが、繰り返して学んでいけば、自ずと仕事と結びついていくものです。大変ではあっても、それは決して無駄にはなっていないと思います。
笠原さんは、受験勉強を振り返ってみて、苦手とする部分の克服に時間がかかったこと。そこを重点的に勉強することで、次第に力をつけていったことを思い返していました。また緊張しやすいといった自分の性格をも配慮し、試験会場での雰囲気への慣れ方、どんな問題の解き方をすれば的確に得点を重ねられるか、そんなコツも学んでいったということです。
資格を取ることを生きがいかのようにして、様々な試験に臨む人もいますが、これから介護福祉士資格を取ろうとされる皆さんは、おそらく受験のベテランといった方は少ないと思います。それだけに「自分を知ること」、それが受験の第一歩ではないかと、改めて考えさせられた次第です。