13万人を超える受験者の中から晴れて介護福祉士になった皆さんに、仕事をしながら勉強を続けるコツや効果的な勉強法、受験を仕事に活かす展望についてうかがいました。
第7回 畠山絵里奈さん
特別養護老人ホーム 介護職員
畠山さんが使った参考書
介護福祉士国家試験過去問解説集
中央法規出版
中央法規出版
畠山さんの合格までの道のり
高等学校の福祉科、専攻科から介護福祉士への道
現在、介護福祉士国家資格を取得する道としては、介護福祉士養成施設(大学)(2年課程から4年課程まで)卒業によるもの、福祉系の大学等を卒業後、養成施設(1年)を卒業するもの、また介護業務経験3年を経て国家試験を受験して取得するもの、そして福祉系高等学校あるいは介護福祉専攻科のある高等学校を卒業して国家試験を受験して取得するものの、大きくは4つのコースがあります。
このうち、福祉科、専攻科のある高校を卒業して国家資格を取得する人は、近年は4000人台と全合格者の約1割を占めるようになってきました。手元に資料がないので明確な数字を挙げることができないのですが、一般に福祉系高等学校卒業者の国家試験合格率は高いとされています。また福祉系大学等に進学する人が2割、福祉系の施設等に就職する人が3割と約半数を占めており、入学したときの初心をしっかりと保っている人が多いことも特徴といえるようです。
このうち、福祉科、専攻科のある高校を卒業して国家資格を取得する人は、近年は4000人台と全合格者の約1割を占めるようになってきました。手元に資料がないので明確な数字を挙げることができないのですが、一般に福祉系高等学校卒業者の国家試験合格率は高いとされています。また福祉系大学等に進学する人が2割、福祉系の施設等に就職する人が3割と約半数を占めており、入学したときの初心をしっかりと保っている人が多いことも特徴といえるようです。
畠山さんと高校の福祉科
今回ご紹介する畠山さんは、福祉系の高等学校を卒業と同時に介護福祉士国家資格を取得しました。畠山さんのお母さんは介護の仕事に就いていて、畠山さんが高校受験のときは、お母さんが介護福祉士国家資格をとるために受験をした年でした。しかし、福祉を目指したのは、特にお母さんの影響というよりは、「人と接すること、人を支援するといったことが好きだったからです」と畠山さん。
まだ中学生だったこともあり、お母さんが一生懸命に勉強していた姿はみていても、その勉強の内容まではまったく知らなかったそうです。「だから高校に入学し授業で習うことはすべて初めてのことで、とても興味を覚えて学ぶことができました」と、高校時代を振り返っています。
高校の福祉科では、一般教養科目と並んで8つの福祉・介護系の科目が必修となっていて、学校内での実習と施設等での実習もあります。畠山さんの高校では介護施設出身の先生がいて介護の仕事の実際を詳しく伝えてもらえ、また課外授業として介護技術系の勉強も、試験対策の勉強なども行われていたそうです。
授業に興味を覚えて聴いていたというだけあって、学校の成績は良かったようです。医学一般の科目は好きな科目で、特に勉強したといった感じはなかったとか。介護技術系の講義も、勉強というよりは聴いていればそのまま頭に入ったようで、特別に学習したといった意識はなかったそうです。しかし制度や人名が登場する教科については、テストに臨んで書き出して覚えるのが畠山流でした。
まだ中学生だったこともあり、お母さんが一生懸命に勉強していた姿はみていても、その勉強の内容まではまったく知らなかったそうです。「だから高校に入学し授業で習うことはすべて初めてのことで、とても興味を覚えて学ぶことができました」と、高校時代を振り返っています。
高校の福祉科では、一般教養科目と並んで8つの福祉・介護系の科目が必修となっていて、学校内での実習と施設等での実習もあります。畠山さんの高校では介護施設出身の先生がいて介護の仕事の実際を詳しく伝えてもらえ、また課外授業として介護技術系の勉強も、試験対策の勉強なども行われていたそうです。
授業に興味を覚えて聴いていたというだけあって、学校の成績は良かったようです。医学一般の科目は好きな科目で、特に勉強したといった感じはなかったとか。介護技術系の講義も、勉強というよりは聴いていればそのまま頭に入ったようで、特別に学習したといった意識はなかったそうです。しかし制度や人名が登場する教科については、テストに臨んで書き出して覚えるのが畠山流でした。
畠山さんと介護福祉士国家試験受験勉強
畠山さんは、高校を卒業したら福祉の仕事に就くことを当然のことのように考えてきました。ですから高校3年になると介護福祉士国家資格取得のために受験をすることも当たり前のことに思っていました。
しかし、受験のために特別に勉強をしようといった気にはなかなかなれず、心配したお母さんから「勉強しなくていいの」と言われ、それで重い神輿を上げたのがなんと、11月に入ってからでした。医学一般なども好きな科目だっただけに、どのような問題が出題されるのか、自分が覚えていないところはどこか、それを確かめるために、国家試験の過去問題集を買って、それでチェックしていきました。1回目の回答では間違えた問題が明確になり、2回目には1回目で間違えた問題に重点的に取り組み、要点を書き出すなどして弱点を強化しました。そして仕上げとして3回目の繰り返し。これで畠山さんの受験勉強はほぼすべてです。
そして1月の筆記試験。それでも介護技術系の科目に不安があり、「落ちたらどうしよう、皆に置いていかれたくない」と心配したそうです。それは2次の実技試験も同じでした。「何度も試験を受けるのは嫌なので、1回で合格したい」。その思いが短期集中の受験勉強の原動力であったようです。畠山さんは、見事に合格して卒業しました。
しかし、受験のために特別に勉強をしようといった気にはなかなかなれず、心配したお母さんから「勉強しなくていいの」と言われ、それで重い神輿を上げたのがなんと、11月に入ってからでした。医学一般なども好きな科目だっただけに、どのような問題が出題されるのか、自分が覚えていないところはどこか、それを確かめるために、国家試験の過去問題集を買って、それでチェックしていきました。1回目の回答では間違えた問題が明確になり、2回目には1回目で間違えた問題に重点的に取り組み、要点を書き出すなどして弱点を強化しました。そして仕上げとして3回目の繰り返し。これで畠山さんの受験勉強はほぼすべてです。
そして1月の筆記試験。それでも介護技術系の科目に不安があり、「落ちたらどうしよう、皆に置いていかれたくない」と心配したそうです。それは2次の実技試験も同じでした。「何度も試験を受けるのは嫌なので、1回で合格したい」。その思いが短期集中の受験勉強の原動力であったようです。畠山さんは、見事に合格して卒業しました。
畠山さんと介護の仕事
就職は、自宅からは遠く、通勤には時間がかかるのですが、自分でも納得のいく特別養護老人ホームに決まりました。実際の介護の仕事にも全く違和感もなく、魚が水を得たようにすんなりと職場に入っていけたそうです。職場の同僚にも恵まれ、ユニットでお年寄りと接していることに喜びを感じている毎日です。
近年の特養は重度化が進み、それとともに医療的な知識を要求される機会も多くなっています。「もともと医学知識は好きな科目だったけど、職場の看護師さんが丁寧に教えてくれるので、仕事のうえで心配はないですね」と畠山さん。かと言って、病院の看護師のような働き方は自分には合わないと思っています。「介護と看護はやはり違う」、介護としての役割の大切さを十分に認識しているようでした。
近年の特養は重度化が進み、それとともに医療的な知識を要求される機会も多くなっています。「もともと医学知識は好きな科目だったけど、職場の看護師さんが丁寧に教えてくれるので、仕事のうえで心配はないですね」と畠山さん。かと言って、病院の看護師のような働き方は自分には合わないと思っています。「介護と看護はやはり違う」、介護としての役割の大切さを十分に認識しているようでした。
畠山さんの勉強方法
畠山さんは、これからケアマネジャーの資格を取りたいと思っています。でも、何度も試験を受けたくはなく、それでいて働きながらの勉強ですから、帰宅後の限られた時間のなかで取り組むことになるので、仕事に支障を来たすことのない範囲で、できれば1回で合格したいと闘志を燃やしています。
「私は、分からないこと、覚えられないことは書き出すのが一番と思っています。書いて覚える、それが私の勉強法です」と、ケアマネジャー資格取得の勉強でも、要点の整理は書き出すことで覚えることを信条としています。書くという作業は、ただ言葉そのものを書き出しても意味がありません。畠山さんは、大学ノートに、自分なりに項目や課題とその要点を整理して書き出し、そのノートを仕事の合間におさらいしています。
参考書を読んで覚え、問題集を解くというのが一般的な受験勉強ですが、学校の授業で学生が先生の講義を聞き取ってノートを作るように、参考書や教科書であっても、読み取った内容を自分で整理して書き出す、といった作業をされる人は少ないのではないでしょうか。「書く」ということは、自分なりの理解の仕方を補うものですので、要点整理ノートを作って勉強してみるのも、受験勉強の仕方としては有意義だと言えるのではないでしょうか。
同僚には、働きながら介護福祉士資格取得を目指している人がいるそうです。畠山さんの施設では、受験対策の勉強会などは行われていないので、個人個人の努力によるのですが、働きながら勉強することの大変さも痛感しているこの頃です。
「私は、分からないこと、覚えられないことは書き出すのが一番と思っています。書いて覚える、それが私の勉強法です」と、ケアマネジャー資格取得の勉強でも、要点の整理は書き出すことで覚えることを信条としています。書くという作業は、ただ言葉そのものを書き出しても意味がありません。畠山さんは、大学ノートに、自分なりに項目や課題とその要点を整理して書き出し、そのノートを仕事の合間におさらいしています。
参考書を読んで覚え、問題集を解くというのが一般的な受験勉強ですが、学校の授業で学生が先生の講義を聞き取ってノートを作るように、参考書や教科書であっても、読み取った内容を自分で整理して書き出す、といった作業をされる人は少ないのではないでしょうか。「書く」ということは、自分なりの理解の仕方を補うものですので、要点整理ノートを作って勉強してみるのも、受験勉強の仕方としては有意義だと言えるのではないでしょうか。
同僚には、働きながら介護福祉士資格取得を目指している人がいるそうです。畠山さんの施設では、受験対策の勉強会などは行われていないので、個人個人の努力によるのですが、働きながら勉強することの大変さも痛感しているこの頃です。