13万人を超える受験者の中から晴れて介護福祉士になった皆さんに、仕事をしながら勉強を続けるコツや効果的な勉強法、受験を仕事に活かす展望についてうかがいました。
第6回 竹内房江さん
訪問介護事業所 サービス提供責任者/ホームヘルパー
竹内さんが使った参考書
介護福祉士養成講座 全15巻
中央法規出版
中央法規出版
介護福祉士国家試験 頻出問題要点チェック
中央法規出版
中央法規出版
介護福祉士国家試験過去問解説集
中央法規出版
中央法規出版
竹内さんの合格までの道のり
竹内さんと訪問介護の仕事
専門学校で、社会福祉を専攻した竹内さん。卒業後は、身障者施設、療護施設などの現場で働き、少々苦労して4度目の挑戦で社会福祉士の国家資格を取得しました。その後、訪問介護の職を選ぶのですが、当初はヘルパーの仕事が自分に向いているとは思わなかったそうです。それでもヘルパー2級の講習を受け、介護の仕事に就いたのが5年前のことでした。しかし仕事に就いてみると、たとえ30分、1時間の訪問ではあっても、利用者一人にしっかり向き合うことが訪問介護の魅力と感じたのでした。
勤務先は、保育園に通う子どもの送迎もあって自宅から遠くない訪問介護事業所を選びました。「訪問介護が自分に向いている」と思ったからです。ここは、居宅介護支援事業、福祉用具の貸与事業を併せて行っていて、訪問介護事業部門に限ってみると、現在サービス提供責任者が3名、訪問介護員が25名となっています。この数年、現業スタッフが辞める傾向にあり、人材確保は厳しい状況ということです。
入社して半年で、竹内さんはサービス提供責任者の役割を担うことになりました。もっと現場経験を積んでからと思っていたのでしたが、社会福祉士資格を取得していることもあってか、会社の強い要請だったといいます。以来この役職を務めていますが、管理職の立場とは言っても現業の訪問介護員は減っていて、それをカバーするためにも、他の現業スタッフ同様、利用者宅を訪問する毎日です。
サービス提供責任者の仕事は、事業所の訪問介護員への助言、指導、個別訪問介護計画の立案、アセスメント、モニタリングなど多岐にわたりますが、「利用者家族の意向、訪問介護員の事情、そして事業所の意向などを調整する中間管理職の役割が大きく、3者の間で板ばさみになるという辛い側面もある」と竹内さん。
勤務先は、保育園に通う子どもの送迎もあって自宅から遠くない訪問介護事業所を選びました。「訪問介護が自分に向いている」と思ったからです。ここは、居宅介護支援事業、福祉用具の貸与事業を併せて行っていて、訪問介護事業部門に限ってみると、現在サービス提供責任者が3名、訪問介護員が25名となっています。この数年、現業スタッフが辞める傾向にあり、人材確保は厳しい状況ということです。
入社して半年で、竹内さんはサービス提供責任者の役割を担うことになりました。もっと現場経験を積んでからと思っていたのでしたが、社会福祉士資格を取得していることもあってか、会社の強い要請だったといいます。以来この役職を務めていますが、管理職の立場とは言っても現業の訪問介護員は減っていて、それをカバーするためにも、他の現業スタッフ同様、利用者宅を訪問する毎日です。
サービス提供責任者の仕事は、事業所の訪問介護員への助言、指導、個別訪問介護計画の立案、アセスメント、モニタリングなど多岐にわたりますが、「利用者家族の意向、訪問介護員の事情、そして事業所の意向などを調整する中間管理職の役割が大きく、3者の間で板ばさみになるという辛い側面もある」と竹内さん。
竹内さんと介護福祉士国家試験受験勉強
竹内さんは入社したときから、介護福祉士資格を取得することを当然のことと考えていました。事業所には介護福祉士養成講座15巻のテキストが置かれていたので、ときどき内容を拾い読みしては知識の充実に努めていました。
竹内さんの場合、社会福祉士資格取得のために勉強を重ねてきた経験は大きく、福祉系の科目についてはざっと教科書に目を通して知識を再確認する作業でカバーできていました。技術系の科目についてはヘルパー講習で学んだことを、養成講座のテキストで再度整理するといった勉強の仕方でした。
それでも2005年になり実務経験3年が経過して受験申請する時点になってからは、要点チェックといった受験参考書を購入し、それを中心に、夜、家に戻って子どもが寝てからの勉強です。毎日取り組むことはなかなかできませんでしたが、勉強するときには1〜2時間集中して取り組みました。いつまでに、これだけのことはやり遂げようとの計画を立てて臨んだ追い込みの1年でしたが、思うようには実行できずにいました。
暮れも押し迫ってきたころ、専門学校でお世話になった先生が介護福祉士国家試験直前セミナーの講師を務めていることを知り、これに申し込みました。昔を思い出し、俄然張り切って講習を受けたのでした。講義では筆記試験の受験ポイント、暗記のコツなどを伝授され、それがとてもよく頭に入って、筆記試験については特段心配することもなく臨むことができたそうです。
竹内さんの場合、社会福祉士資格取得のために勉強を重ねてきた経験は大きく、福祉系の科目についてはざっと教科書に目を通して知識を再確認する作業でカバーできていました。技術系の科目についてはヘルパー講習で学んだことを、養成講座のテキストで再度整理するといった勉強の仕方でした。
それでも2005年になり実務経験3年が経過して受験申請する時点になってからは、要点チェックといった受験参考書を購入し、それを中心に、夜、家に戻って子どもが寝てからの勉強です。毎日取り組むことはなかなかできませんでしたが、勉強するときには1〜2時間集中して取り組みました。いつまでに、これだけのことはやり遂げようとの計画を立てて臨んだ追い込みの1年でしたが、思うようには実行できずにいました。
暮れも押し迫ってきたころ、専門学校でお世話になった先生が介護福祉士国家試験直前セミナーの講師を務めていることを知り、これに申し込みました。昔を思い出し、俄然張り切って講習を受けたのでした。講義では筆記試験の受験ポイント、暗記のコツなどを伝授され、それがとてもよく頭に入って、筆記試験については特段心配することもなく臨むことができたそうです。
試験結果は
竹内さんの場合、社会福祉士資格を取得するために、何度も受験をした経験があり、試験会場の雰囲気、またマークシートによる解答記入といったことには慣れていました。そこで2006年の筆記試験は、思ったとおりに合格しました。それで気が緩んだのか、3月の実技試験への対策が不足していました。実技試験当日は、緊張が大きく時間がたちまち過ぎてしまい、必要な事項を演技しきれずに終わってしまったのです。結果は案の定、不合格。
しかし、それであきらめては仕方がないと、すぐに翌年度の試験を受けることとし、同じ轍を踏まないために、今度は介護技術講習会を受けることにしました。
しかし、それであきらめては仕方がないと、すぐに翌年度の試験を受けることとし、同じ轍を踏まないために、今度は介護技術講習会を受けることにしました。
2回目の挑戦
この介護技術講習会ですが、申込者が多く竹内さんが申請した時点では土日はほとんど埋まっていて、8月の最も暑いシーズンしか空きがありませんでした。しかし、講習会の会場となった学校は自宅に近かったので、仕事を調整してやり繰りができました。
技術講習会の講義は大変に厳しく、試験に代わって行う以上しっかりと基本を身につけていてほしいとの講師の意気込みが感じられたそうです。12種類の講義それぞれに、受講生が一人ずつ皆の前で教わったことを実演し、さらに修了試験を行うという形でしたが、この講義は竹内さんには「かえって勉強になった」とのこと。ヘルパー講習会ではここまでみっちりと教わることはなかったため、日々の介護技術に対しても、大変によく整理ができるようになったとの感想です。
実技試験はこれで免除となったため、9月には受講修了書と一緒に筆記試験の申請をしました。そして昨年末に直前セミナーで紹介された過去問題集を購入して、出題傾向などを再確認するといった勉強を重ねました。また12月には昨年同様に直前セミナーを受講し、試験への心構えを作っていったのでした。セミナーは今年もまた恩師が講師を務めていて、試験のポイント、暗記すべき重要な事柄などを整理し、万全の体制を整えて試験に臨みました。
筆記試験は昨年同様に合格。これで晴れて介護福祉士資格取得となったのです。
技術講習会の講義は大変に厳しく、試験に代わって行う以上しっかりと基本を身につけていてほしいとの講師の意気込みが感じられたそうです。12種類の講義それぞれに、受講生が一人ずつ皆の前で教わったことを実演し、さらに修了試験を行うという形でしたが、この講義は竹内さんには「かえって勉強になった」とのこと。ヘルパー講習会ではここまでみっちりと教わることはなかったため、日々の介護技術に対しても、大変によく整理ができるようになったとの感想です。
実技試験はこれで免除となったため、9月には受講修了書と一緒に筆記試験の申請をしました。そして昨年末に直前セミナーで紹介された過去問題集を購入して、出題傾向などを再確認するといった勉強を重ねました。また12月には昨年同様に直前セミナーを受講し、試験への心構えを作っていったのでした。セミナーは今年もまた恩師が講師を務めていて、試験のポイント、暗記すべき重要な事柄などを整理し、万全の体制を整えて試験に臨みました。
筆記試験は昨年同様に合格。これで晴れて介護福祉士資格取得となったのです。
竹内さんのすすめる試験対策術
竹内さんのように、何度も国家試験を経験する人はほとんどいないでしょうから、「まず、試験会場の雰囲気、そしてマークシート方式という解答の仕方といったことに慣れることが大切では」と竹内さん。そのためには、受験セミナーはとても有効な手段だとのこと。試験出題のポイント、暗記の仕方など、自分では気がつかないことを伝授してくれるのが、こうした講習会です。また模擬試験などで、会場の雰囲気、解答の仕方などをつかんでおくことも有意義でしょう。
実技試験を受ける場合は、「やはり講習会などで実演のコツや試験官がどういったことを採点するのか、知っておくことが大切でしょう。私はこうした講習会を受講しなかったので失敗しました」と竹内さん。
竹内さんはまた、自分が失敗した経験から、試験当日の昼食を持参することをすすめています。会場近辺で食事の場を探すことは大変ですし、見つけたとしても長蛇の列となること必至。また弁当類もすぐに売り切れてしまったりして、最悪は昼食抜きとなりかねません。不要なことにイライラしたりしないためにも、昼食は持参をとのことです。
実技試験を受ける場合は、「やはり講習会などで実演のコツや試験官がどういったことを採点するのか、知っておくことが大切でしょう。私はこうした講習会を受講しなかったので失敗しました」と竹内さん。
竹内さんはまた、自分が失敗した経験から、試験当日の昼食を持参することをすすめています。会場近辺で食事の場を探すことは大変ですし、見つけたとしても長蛇の列となること必至。また弁当類もすぐに売り切れてしまったりして、最悪は昼食抜きとなりかねません。不要なことにイライラしたりしないためにも、昼食は持参をとのことです。
これからの介護の仕事
「介護福祉士資格を取得して、さらに向上心のある人はケアマネジャーになることが多いようですが、私はそこまでは考えていません。社会福祉士資格があるということかもしれませんが、現状のケアマネジャーの仕事は、あるべき姿とは遠いと感じています」と厳しい意見です。
竹内さんの事業所でも、家族のいる場合の生活支援を不適切な支援とされてしまわないか、現場の訪問介護員は悩んでいるそうです。保険制度が一律の規準を適用しようとすると、介護の現場では戸惑いが大きくなります。
また、評価事業が進むにつれて、サービス提供責任者として事務処理にあたるといった仕事も増えてきています。しかしこれらの業務は新規に求められる内容も多く、その処理の仕方などを教育できる人がいないのも多くの事業所の実態です。竹内さんは、発展途上にある介護事業という運営管理側の問題にもこのところ頭を悩ませているのです。
竹内さんの事業所でも、家族のいる場合の生活支援を不適切な支援とされてしまわないか、現場の訪問介護員は悩んでいるそうです。保険制度が一律の規準を適用しようとすると、介護の現場では戸惑いが大きくなります。
また、評価事業が進むにつれて、サービス提供責任者として事務処理にあたるといった仕事も増えてきています。しかしこれらの業務は新規に求められる内容も多く、その処理の仕方などを教育できる人がいないのも多くの事業所の実態です。竹内さんは、発展途上にある介護事業という運営管理側の問題にもこのところ頭を悩ませているのです。