第8回 〈ステージ2-Step4〉自分の興味を知ろう
堀越 弘(キャリアステージ研究所代表)
興味からみた「6つの領域」
そこで、今回は、「私は、どのような活動や仕事に興味を持っているのか」という点について考えてみたいと思います。
アメリカの心理学者のホランドは、興味を切り口とすると、無数にある仕事や職業、活動は「6つの領域」に分けることができる、と述べています。その6つの領域の特徴と、その活動・仕事の例を以下に示しておきます。
アメリカの心理学者のホランドは、興味を切り口とすると、無数にある仕事や職業、活動は「6つの領域」に分けることができる、と述べています。その6つの領域の特徴と、その活動・仕事の例を以下に示しておきます。
領域名 | 特徴 |
---|---|
現実的領域 | 物や道具、機械を取り扱ったり、運転・操作したりするなど実際的な活動や仕事。(例:自動車・機械の運転、装置の操作や運用・保守、調理関係、建設・土木関係など) |
研究的領域 | 研究や調査、分析などを行ったり、論理的に物事を考えたりする活動や仕事。(例:各種分野の研究職・技術職の業務、社会調査や統計処理関係、情報処理関係、医学関係など) |
芸術的領域 | 創造性を発揮したり、芸術的な感性や能力が求められる活動や仕事。(例:デザインやイラスト作成、雑誌の編集・制作、美術・音楽・文芸関係など) |
社会的領域 | 人に接したり、相手を理解し援助したりする活動や仕事。(例:看護・医療関係、介護などの社会福祉関係、保育・教育関係、各種接客業務や販売業務など) |
企業的領域 | 組織を運営したり、経営や管理にかかわる活動や仕事。(例:自営業・商店主、経営コンサルティング業務、営業、広報・宣伝、事業企画・人事労務・財務など) |
慣習的領域 | 予め決められている方式や規則、計画に従って行動するような活動や仕事。(例:経理事務、一般事務、医療事務、事務機オペレーター、警備関係など) |
皆さん方の中には、この6つの領域の内容を見て、ご自分の興味のある職業名が頭に浮かんだ方もいるかもしれません。ですが、ここでは個々の具体的な仕事や職業を考える前に、この6つの領域について、ご自分の興味がどこにあるのかを考えてみましょう。
それでは、次のワークに取り組んでください。
それでは、次のワークに取り組んでください。
自分の興味を知り、これからの活動や仕事に生かす
皆さん方のように人生経験が豊かになると、興味ある(好きな)領域と、そうではない(嫌いな)領域は、かなりはっきりしているのではないでしょうか。興味が明確になっていれば、ご自分が興味をもっている領域の中から、今後どのような活動や仕事をしたらよいのかを容易に選択することができるといえます。
また今回のワークでは、興味ある領域を3つ選んでもらいました。これは、仕事を選択するときに、この領域うちの2つ、あるいは3つを複合的に検討していただきたいという考えからです。複合的とは、どういうことか具体的にみてみましょう。
例えば、ある方が、興味ある領域として、「企業的―社会的―慣習的」の3つを選んだとします。この方が、「企業的領域」に興味があるので、仕事として営業職を考えている場合、次に、どのような業界の営業職を検討したらよいかということが問題になります。その際、この方が2番目に興味をもっている「社会的領域」に関係する業界、例えば、社会福祉や人材支援の業界の中から、営業職を探してみるといったアプローチができるわけです。
このように興味の領域を、業界、業種、職種、活動内容などの観点から幅広く複合的に捉えて検討することによって、仕事の選択の可能性も広がるといえます。
また今回のワークでは、興味ある領域を3つ選んでもらいました。これは、仕事を選択するときに、この領域うちの2つ、あるいは3つを複合的に検討していただきたいという考えからです。複合的とは、どういうことか具体的にみてみましょう。
例えば、ある方が、興味ある領域として、「企業的―社会的―慣習的」の3つを選んだとします。この方が、「企業的領域」に興味があるので、仕事として営業職を考えている場合、次に、どのような業界の営業職を検討したらよいかということが問題になります。その際、この方が2番目に興味をもっている「社会的領域」に関係する業界、例えば、社会福祉や人材支援の業界の中から、営業職を探してみるといったアプローチができるわけです。
このように興味の領域を、業界、業種、職種、活動内容などの観点から幅広く複合的に捉えて検討することによって、仕事の選択の可能性も広がるといえます。
興味に合った仕事は、満足感につながる
皆さんが今後、希望する仕事を選ぶときの条件はなんでしょうか。勤務時間や報酬、能力適性なども大切な要素ですが、自分の興味に合っているかどうかということも重要な条件の一つです。
自分の興味に合った仕事に就くことは、自分の好む活動が行えたり、能力を発揮する機会が増え、結果として、働くことの満足感を高める可能性がある」とホランドは言っています。なぜなら、その仕事には、同じような興味を持った人が多数就いており、その人たちは似た考え方や価値観をもっていますので、皆さんに期待する役割や能力は、その興味の内容に近いものになるからです。
今回の「自分の興味を知る」はいかがだったでしょうか。興味という観点から「仕事と自分の関係」を理解することは、充実した人生をおくるうえでのヒントになるかもしれません。
自分の興味に合った仕事に就くことは、自分の好む活動が行えたり、能力を発揮する機会が増え、結果として、働くことの満足感を高める可能性がある」とホランドは言っています。なぜなら、その仕事には、同じような興味を持った人が多数就いており、その人たちは似た考え方や価値観をもっていますので、皆さんに期待する役割や能力は、その興味の内容に近いものになるからです。
今回の「自分の興味を知る」はいかがだったでしょうか。興味という観点から「仕事と自分の関係」を理解することは、充実した人生をおくるうえでのヒントになるかもしれません。
(2008年8月26日)