映画「エンディングノート」はいいです!
日本では、1年間で120万人が死を迎えます。平均すると、ひと月10万人。まさに「多死社会」になった感があります。
死を迎える年齢もさまざまです。生まれて間もない赤ちゃんから、10代の中高生や20代の若者、40~50代の中高年から70代~90代の高齢者まで。どの年齢であっても、まさか自分が亡くなるなど、よもや想像もされてないことでしょう。
同じように死を迎える原因も、事故死や病死、それに自死までさまざまです。それぞれに納得のいく理由を探しても、事故死なら偶然性を嘆くしかなく、自死では周囲には真の理由はわかりようもなく、病死といえどもなんとかなったのではないかと後悔が残るといいます。
今回ご紹介する映画「エンディングノート」は、偶然テレビで紹介されているのを目にして、とてもその視点に惹かれて映画館を訪れました。
主人公は砂田知昭さん(67歳)。高度経済成長の申し子のような「モーレツ社員」として一貫して営業畑を歩み、2007年に専務までのぼりつめて円満退職します。第二の青春を謳歌しはじめた矢先のこと。定期健診で胃がんが発覚します。すでにステージⅣで手術もできない。そして半年後の2009年12月29日に亡くなります。享年69歳でした。
この6か月間の様子を克明にカメラは追います。
「段取り命」で生きてきた砂田さんは、用意周到に「その日」を迎える準備を始めます。94歳の母との伊勢志摩家族旅行、孫たちとの思い出づくり、そして葬式場の下見から知人・友人の名簿づくり、さらには訃報を知らせる話し方見本まで。
まさにそれは、自らの死を「最後のプロジェクト」のように取り組む元サラリーマンの姿です。このような迎え方があるだと教えてくれます。
この映画の秀逸な点は、撮影・監督・編集をしているのが次女の麻美さん。フリーの助監督の彼女にとっては第1作となります。また、映画の進行役のナレーションまで、彼女の声です。
映画のパンフレットには制作にあたり、本人や家族の葛藤などが彼女の言葉で語られています。その中の一節です。
「 作り始めた当初は、みんないつか必ず死んでしまうのになぜ生きていなければいけないのか?という疑問は、だからこそ死ぬまでちゃんと生きたほうがいいんだろうな、という気持ちに変わりました。いつか死が訪れるまでは存分に生を味わいつくせばいいのだと考えるようになりました」
「存分に生を味わいつくす」…なんと素敵な言葉でしょう。余命6か月を前に砂田さんは、自暴自棄になることなく、みずからがやっておきたい「生」(残された時間)を一つひとつていねいに味わいつくしました。その姿が従来にない「看取りの映画」として、私たちに不思議な感動を与えてくれます。
ムロさんの写メ日記
武蔵野市福祉公社の職員研修会です
静岡県研修計画作成者養成講座の2日目(1回目は9月)です。全員で作成した計画を発表します
びっしりと書き込まれた計画書
2事例を発表してもらいました
午後は研修手法として「ビデオ・ロールプレイ」を見てもらいました
なかなかの名演技。向かって左が施設の生活相談員役、右が帰宅願望が強い入居者の女性役。あまりのリアルさに、皆さん大笑いの場面も
横須賀市での午後の高齢者虐待対応研修会の様子。午前中は市民向け、午後は専門職対象です
皆さんに手を上げて答えてもらいます
映画「エンディングノート」のパンフレット
映画ポスターの前で…
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