第5回 シンプル発明の定石をマスターしよう!
定石を学ぶことが、上達への近道!
何事もうまくなるには、まず、「定石」にしたがって取り組んでいくことです。定石とは、囲碁において長年の研究により最善とされる一定の石の打ち方をいい、転じて物事を行ううえで最善とされる方法を指すようになりましたが、将棋、茶道、相撲の四十八手など、物事にはすべて定石となるものがあります。定石は、先人が考えに考えた知恵の結晶ですから、これらをマスターしていくことが上達につながります。
発明・アイデアにおいても、定石ともいえる、数多くの発想法が開発されています。ここでは、「シンプル発明の定石」ともいえる、アメリカのオズボーンが開発したチェックリストを紹介します。
発明・アイデアにおいても、定石ともいえる、数多くの発想法が開発されています。ここでは、「シンプル発明の定石」ともいえる、アメリカのオズボーンが開発したチェックリストを紹介します。
オズボーンのチェックリスト9
(1)他に使い道はないか(別途使用法)
・今のままで用途を変えることができないか
・不便なところをいかせないか など
(例)おしゃれなコップを花瓶に
・不便なところをいかせないか など
(例)おしゃれなコップを花瓶に
(2)他からアイデアが借りられないか(借用法)
・ほかに似たものはないか
・過去に似たものはなかったか など
(例)「源平碁」と「オセロ」
・過去に似たものはなかったか など
(例)「源平碁」と「オセロ」
(3)変えてみたらどうか(変更法)
・形状を変えたらどうか
・中身を変えたらどうか など
(例)三角形にしたタオル
・中身を変えたらどうか など
(例)三角形にしたタオル
(4)大きく変えたらどうか(拡大法)
・何か付け加えたらどうか
・回数をふやしたらどうか など
(例)Lサイズのお菓子
・回数をふやしたらどうか など
(例)Lサイズのお菓子
(5)小さく変えたらどうか(縮小法)
・分割したらどうか
・ミニ化したらどうか など
(例)折り畳み式自転車
・ミニ化したらどうか など
(例)折り畳み式自転車
(6)他のものに代用できないか(取替法)
・他の材料にしてみたらどうか
・他の人にしてみたらどうか
(例)水の代わりに凍結ゲルを使用した氷枕
・他の人にしてみたらどうか
(例)水の代わりに凍結ゲルを使用した氷枕
(7)入れ替えてみたらどうか(入替法)
・役割や成分を入れ替えたらどうか
・原因と結果を入れ替えたらどうか など
(例)役割を入れ換えて演技するロールプレーイング
・原因と結果を入れ替えたらどうか など
(例)役割を入れ換えて演技するロールプレーイング
(8)逆に変えたらどうか(逆転法)
・真逆にしてみたら
・逆からみたらどうか など
(例)文字盤が反対の時計
・逆からみたらどうか など
(例)文字盤が反対の時計
(9)組み合わせたらどうか(結合法)
・目的を結合したらどうか
・ユニット同士を結合したらどうか など
(例)印鑑付ボールペン
筆者は、このオズボーンのチェックリストをよりシンプルに表現して、「マネロ」・「カエロ」発想術と呼んでいます。とにかく、発明・アイデアは、“ゼロ”から考えていくのではなく、これまであるものを、“真似”したり、少し“かえ(変・替・代・換)”ていくのです。そうすれば、どんどん自分のアイデアが生まれてきます。
・ユニット同士を結合したらどうか など
(例)印鑑付ボールペン
筆者は、このオズボーンのチェックリストをよりシンプルに表現して、「マネロ」・「カエロ」発想術と呼んでいます。とにかく、発明・アイデアは、“ゼロ”から考えていくのではなく、これまであるものを、“真似”したり、少し“かえ(変・替・代・換)”ていくのです。そうすれば、どんどん自分のアイデアが生まれてきます。
自由な目のつけどころが発想を広げる!
また、昔から「丸い卵も切りようで四角」といわれたり、「コロンブスの卵」という言葉もありますが、これらは発明・アイデアにおいて最も重要な「着眼点」のことを示唆しています。つまり、常識にとらわれない「目」のつけどころです。
子どもに「神様がもう一つ目をつけてよい、といわれたら、三番目はどこにつけてもらいたいですか?」と尋ねると、ほとんどの子どもは後ろ(背中)と答えることが多いといいます。しかし、なかには手の指先と答える子もいます。これだと、指を回すだけで、全方角見えるだけでなく、狭い穴奥までみることができることになります。
こうした、自由な目のつけどころは、「マネロ・カエロ」の発想術を大きく活かします。
あのホームラン王のベーブルスが「ホームランの数は、振ったバットの数に比例する」といっているように、アイデアも「量産」していくことによって、だんだん「質」も高まっていくことになります。また、世界の真珠王の御木本幸吉も、「悪い案も出ないような者に、どうしてよい案が出ようか? 悪い案でもよいから、50でも60でも出してみることだ」とアイデアの量を強調しています。
着眼点と発想術を念頭に、浮かんだことはどんどんメモしていきましょう!
次回は7月9日(木)、更新予定です。
子どもに「神様がもう一つ目をつけてよい、といわれたら、三番目はどこにつけてもらいたいですか?」と尋ねると、ほとんどの子どもは後ろ(背中)と答えることが多いといいます。しかし、なかには手の指先と答える子もいます。これだと、指を回すだけで、全方角見えるだけでなく、狭い穴奥までみることができることになります。
こうした、自由な目のつけどころは、「マネロ・カエロ」の発想術を大きく活かします。
あのホームラン王のベーブルスが「ホームランの数は、振ったバットの数に比例する」といっているように、アイデアも「量産」していくことによって、だんだん「質」も高まっていくことになります。また、世界の真珠王の御木本幸吉も、「悪い案も出ないような者に、どうしてよい案が出ようか? 悪い案でもよいから、50でも60でも出してみることだ」とアイデアの量を強調しています。
着眼点と発想術を念頭に、浮かんだことはどんどんメモしていきましょう!
次回は7月9日(木)、更新予定です。