キャリアアップ力
前回は「災害クライシス」をテーマに書きました。今年はなんと沖縄と関東地方は梅雨明け宣言はされていますが、九州・近畿・東海・四国はまだなんですってね。例年に比べてひと月以上も長い梅雨…まだまだ集中豪雨が心配です。
桃太郎さん、早速のレスポンス、ありがとうございます。
今回は「キャリアアップ力」のテーマで書きたいと思います。
今年も09年版の介護支援専門員受験対策テキストが書店のコーナーに並ぶ季節になりました。10年前、この手の本は中央法規出版など福祉・介護系に強い版元さん(出版関係の業界用語)から出されるのが一般的でした。ところが今では、医療系や資格系、実用書系まで実に多様な出版社さんが揃い踏みしています。
受験する元となる資格も、当初は看護師と介護福祉士が2大勢力だったのが、10年経ってみると、看護師や介護福祉士だけでなく、ヘルパーや社会福祉士、歯科衛生士、栄養士などが占めているというのが実感です。特に最近は、福祉系の資格者の受験が目立ちます。
施設の介護福祉士などのキャリアアップ資格として位置づけられ、法人によっては昇給(いわゆる加算ですか)にも反映するので、積極的に取得しようとする動機づけになっているようです。
国家資格の「さらなるキャリアアップ」のステップとして介護支援専門員試験が位置づけられるのは、貴重な「学ぶ機会」を得ている意味でとてもよいことだとは思います。
ただし気になるのは、すぐに現場で経験するわけでなく、「肩書き」として名刺に刷り込まれるだけとなってしまう人が案外と多いのではという点です。定期的な更新研修を受けていれば「はく奪」(ちょっと嫌な表現ですが)をされることはありませんしね。
ところが法人の都合や転職等で、予期せぬ時期に「介護支援専門員」の職務を任された時に、どれほどの実力を発揮できるでしょうか。相談援助職であるケアマネジメントで、リーダーシップのごとき指示・命令的・仕切り的な態度をとると、チームケアは壊れ、利用者(家族)は萎縮してしまいます。ペーパーケアマネなら現場への「慣らし運転」が経験できる場がなんとしてでも保障されることが必要と考えます。
自分のモチベーションとレベルの維持のために、うちがやっている月間セミナーに来られている人もいます。
一方、介護支援専門員の「経験」は抜群にすばらしい職務経験と思います。なにしろ利用者(家族)の暮らしと毎月じっくりと向き合い、介護サービス等の調整を行い、多様な事業所の悩みや要望を聞く機会が持てる「数年~10年近い経験」は、介護・福祉・医療の専門職としては「珠玉の経験」ではないでしょうか。
「毎月、利用者(家族)の方の人生と向き合う経験って、ケアマネ以外にありませんよね…だからやめられないですね」
知り合いのベテランケアマネのA.Oさんが私にしみじみと語ってくれました。施設ではなかなかここまで関われないといいます。
在宅の暮らしのなかにその方の人生が「玉手箱」のように詰まっています。それを開いて見た経験は、やがて元々の専門職に戻った際や施設管理者や新人研修等の際に必ず役に立つ「かけがいのない経験」となって振り返ることができると思いますと彼女はつけ加えました。
キャリアップは、けっして資格取得ではありません。資格に「あぐら」をかいて、なんら努力をしなければ、すぐに「錆びた道具」となってしまいます。
いつも「磨いている努力」こそがプロフェッショナルな姿勢だと思います。それを他人に教えを乞うのでなく、30歳を過ぎたら自らが「考え抜き、行動に移すこと」が、職業人としての自立心を養うことになります。
ムロさんの写メ日記
佐嘉神社の巨大灯篭の前での記念写真。まるで宮崎アニメに紛れ込んだようですね
先週、名古屋の日本福祉大学にて「福祉教育フォーラム」に参加してきました。高校の福祉科の生徒たちが「福祉を学ぶ」をテーマに発表をしたフリップです。これは愛知県高浜市の生徒がつくった福祉マップですね
今週のメールマガジン「元気いっぱい」第187号は「同窓会はタイムマシン!」です。ケアタウン総合研究所の公式HPではバックナンバーまで見ることができます。
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