これは旨い! 画廊喫茶ルポーズ(精神障害者小規模作業所)
さいたま市の大宮駅から東へ徒歩15分。大宮駅周辺の喧騒と人ごみからほどよく離れたところに、画廊喫茶ルポーズがあります。小ぢんまりとしたお店ですが、画像をご覧になってわかるように、なかなか洒落た構えです。
ここは、10代から30年以上の入院生活を余儀なくされたKさんの「いつか本物の喫茶店を開きたい」という夢をきっかけに、1996年8月末オープンした精神障害者小規模作業所です(http://hwsa5.gyao.ne.jp/repose/を参照)。
画廊喫茶ルポーズ
計画策定のポリティクス―(3)協議文化を創造する
障害のある人の施策形成の基本は、協議を重ねることにはじまると考えてきました(1月29日付本ブログを参照)。ここには、二つの意味があります。
一つは、わが国の政策決定過程における「多数決の原理」の横行を乗り越える協議をつくる意義です。もう一つは、協議のなかで参画の実質化を深める必要性です。
閑話休題-あるご婦人がかみついた出来事
某市障害者計画の策定委員会が終盤を迎えたある時のことです。突然、担当課から庁内会議に出席してほしい旨の打診がありました。「今回の計画策定の趣旨・目的・意義について、委員長のほうから市の職員にしっかり伝えてください」との依頼です。
異例のことですから、何かただならぬ事態が起きているのではないかとの不安が胸をよぎりました。案の定、「計画には数値目標を入れるな」との強い圧力が庁内に高まっていたのです。この計画策定は、担当課から「しっかりと数値目標を設定する」との説明を受けて委員会の協議が出発していますから、担当課にとっても予想しがたい何かの力が働いたのでしょう。
計画策定のポリティクス―(2)障害のある人を市民として、主権者として
フィールドに足を運び皆さんで議論を重ねることは一つの手立てに過ぎません。そのポリシーは、障害のある人とそれに連なる人たちの観点から、地域の実情を知りあい、望ましい施策とサービスのあり方を考えていくことにあります。それは決して「事業者とそれに連なる障害のある人」の観点からのものではありません。
昔から、長屋には井戸が必ず一つあり、たとえば新参者を井戸端会議に引き入れては、「顔見知りの関係」から「お互いに関心を向け合う関係」を培い、ともに暮す地域社会をつくってきました。今日においても、このような回り道を省いたままで地域を共にする暮らしを築くことは不可能なことだと考えています。
そして、もう一つの大切な点は、障害のある人を施策形成の過程においてエンパワメントすることです(前回ブログの(2)についてです)。これは未だ十分に達成されていないのですが、いつでも、何とかして実現したいと願い続けてきました。