13万人を超える受験者の中から晴れて介護福祉士になった皆さんに、仕事をしながら勉強を続けるコツや効果的な勉強法、受験を仕事に活かす展望についてうかがいました。
第55回 小林さくらさん
訪問介護員(ホームヘルパー)
小林さんが使った参考書
これだけ覚える介護福祉士重要項目
成美堂出版
成美堂出版
本試験型介護福祉士問題集
成美堂出版
成美堂出版
小林さんの合格までの道のり
◎小林さんの必勝三か条
- ●無理しない。
- ●あきらめない。
- ●地道にコツコツと。
職場の上司や仲間、家族の後押しを受けて…
ヘルパー2級を取得して介護の仕事を始めてから3年、小林さんは職場の上司や同僚、そして家族の温かい応援を受けて10年ぶりの「受験勉強」に取り組むことにしました。「仕事や家庭のことで忙しく、とても受かる自信はありませんでした」という小林さんですが、必勝三か条にもあるとおり、無理のない計画を立ててコツコツと進め、最後まであきらめずに全力を尽くした結果、見事に「合格」を手に入れました。
試験勉強は3ステップで
ステップ1:7〜11月
小林さんの勉強法は、大きく3つのステップを踏んでいます。ステップ1は7〜11月。要点をまとめた参考書を持ち歩き、空き時間を利用して音読したり、わからない点をまとめたりしました。「出題範囲が広いので、要点をまとめた参考書を選び、まずはある程度の知識を身に付けることに専念しました」とのこと。この時期は、外出先でも携帯サイトで問題を解くなど、スキマ時間を活用してコツコツと知識を得ていきました。勉強時間は、1日30分〜1時間程度で、まったくできない日もあったそうです。9〜11月には、事業所主催の受験対策講座やヘルパー講習会に参加したり、介護技術講習会を受けたりしました。これらの内容も試験勉強に大いに役に立ったそうです。
ステップ2:12〜1月中旬
12月になると、少しずつ焦りを感じはじめ、勉強時間も1日1〜2時間に増えました。この時期は、空き時間や寝る前の時間に予想問題を解き、解答と解説をじっくり読み込みました。「誤りの選択肢の解説もとても勉強になります」とおっしゃるように、小林さんは、一問一問、丁寧に解いて解説を読み込んだ結果、得点につながる確かな知識を身に付けました。この勉強スタイルには、解説が取り外せる問題集が便利だったとのこと。重要事項にはマーカーを引いたり、付箋を貼るなどして、復習できるようにしました。
ステップ3:試験1週間前
いよいよ試験まで1週間になると、1日2〜3時間、まとまった時間をとってラストスパートをかけました。この時期は、問題集を解くことに加え、浴室にプリントを持ち込み、湯船に浸かりながら音読するという勉強法も取り入れました。試験の前日は、仕事を終えてから5時間ほど予想問題を解いて、間違えた問題をざっと見直してから寝たそうです。
仲間や友人の存在が合格の秘訣
小林さんは、受験について職場の仲間や友人にも伝えたそうです。その結果、資料やアドバイスをもらったり、オススメ勉強法を教えてもらったりとさまざまな形で支えてもらえました。「こんなによくしてもらったのだから絶対に合格しなければとプレッシャーにもなりました」とのことですが、「とにかく3年は頑張ろう」と決めて気持ちを落ち着かせて取り組んだそうです。
また、同じ職場の同僚の方と、電話やメールで連絡を取り合い、合格までの長い道のりをともに支え合ってきたとのこと。「晴れて二人で合格し、喜びも倍増でした。ひとりだったらこんなに頑張れなかったと思います」と、小林さん。仕事と家庭と試験勉強をやりくりできたのは、同じ環境にある仲間の存在があったからと振り返っていました。
また、同じ職場の同僚の方と、電話やメールで連絡を取り合い、合格までの長い道のりをともに支え合ってきたとのこと。「晴れて二人で合格し、喜びも倍増でした。ひとりだったらこんなに頑張れなかったと思います」と、小林さん。仕事と家庭と試験勉強をやりくりできたのは、同じ環境にある仲間の存在があったからと振り返っていました。
受験を予定している方へ
最後に小林さんに、受験を予定している方々に向けたメッセージをお願いしました。
「試験本番は、わからない問題も落ち着いて読み、消去法で答えを導き出すとよいと思います。たとえわからなくてもとりあえずマークをしておくことも大切です。その1点が合格に導いてくれるかもしれません。注意したいのは、「見直し」。時間があまったので、見直しをしたのですが、この見直しによって落としてしまった1点もありました。結果的に合格できたのでよかったのですが、見直ししたことにより間違えてしまった問題には、とても残念な気持ちが残りました。そうはいっても、間違えた問題は今でもしっかり頭に残っていて、仕事におけるスキルアップにつながると実感しています。」
「試験本番は、わからない問題も落ち着いて読み、消去法で答えを導き出すとよいと思います。たとえわからなくてもとりあえずマークをしておくことも大切です。その1点が合格に導いてくれるかもしれません。注意したいのは、「見直し」。時間があまったので、見直しをしたのですが、この見直しによって落としてしまった1点もありました。結果的に合格できたのでよかったのですが、見直ししたことにより間違えてしまった問題には、とても残念な気持ちが残りました。そうはいっても、間違えた問題は今でもしっかり頭に残っていて、仕事におけるスキルアップにつながると実感しています。」
* * *
訪問介護員(ホームヘルパー)として、日々、利用者さんと向き合っている小林さん。仕事のやりがいについて尋ねると、「利用者さんの力を活かすために、どのような支援をしたらよいのかを考えながらサービスを行うこと」「利用者さんとの会話、表情などから身体の小さな変化に気づき、対応すること」「利用者さんのよりよい生活のために、同僚やケアマネジャーと連携しながら支援すること」と答えてくださいました。お仕事にもご家庭のことにも、そして試験勉強にも丁寧に向き合う小林さんの姿を想像することができました。