ヒトを動かし、組織を変える
明日から使える職場マネジメント
最終回 いま求められるセルフマネジメントとは?
セルフマネジメント、ワーク・ライフ・バランス、ストレスマネジメントは、現代を生きる私たちにとって不可欠なスキルです。それぞれの重要性と実践法を解説します。
セルフマネジメントの重要性
セルフマネジメントとは、自分自身の生活全般がバランスよく保てるように管理することをいいます。自己管理は、安定して仕事を行い、また自分らしい生活を続けていくために身に着けておくべきスキルの一つです。
セルフマネジメントが重要とされる理由の一つは、安心して仕事を任せられることです。自己管理がうまくできている人は、仕事の優先順位を適切に判断し、時間を無駄にすることなく効率的に行動することができます。また、計画性をもって取り組むことで、長期的な目標も達成しやすくなり、周囲からの信頼も獲得できます。さらに、セルフマネジメントの実践により、ストレスや不安を軽減できることも大きな利点です。つねに自分の状態を正しく把握し、状況に応じて的確に対処するスキルは、幸せな人生を送るためにも欠かせないものといえるでしょう。
ワーク・ライフ・バランスとは
ワーク・ライフ・バランスとは、「仕事と生活の調和」のことをさします。現代社会においては、仕事に対する責任や要求が増大する一方で、家族との時間や趣味、リラクセーションなどのプライベートな活動も大切にしたいというニーズが高まっています。
特に、対人援助職においては、業務の性格上、夜勤や休日出勤など、変則的な勤務が求められることが少なくありません。このような環境のなかでは、生活リズムが乱れやすく、家族との時間を確保しづらいといった状況になりがちです。したがって、意識的に適切なワーク・ライフ・バランスを実現するための努力が必要でしょう。仕事をプライベートに持ち込まないよう制限する、休暇を積極的に取得するなどの柔軟な考え方が求められます。
ワーク・ライフ・バランスの考え方
ストレスマネジメントの実践
ストレスマネジメントとは、日常生活で感じるストレスを適切に自己管理する方法のことです。社会のなかで生きているかぎり、ストレスの原因自体をなくすことはできませんが、つど適切に対処するスキルを身につけておくことで、ストレスの影響を最小限に抑え、心身の健康を保つことができます。このような対処方法は、ストレスコーピングと呼ばれます。自分が使いやすいコーピングスキルを身につけておくとともに、場合によっては普段はあまり使わないコーピングも活用してみることで、さまざまな場面で、その場にあった対処ができるようになります。
8つのストレスコーピング
セルフマネジメント、ワーク・ライフ・バランス、ストレスマネジメントの3つは、現代を生きる私たちにとって必要不可欠なスキルです。これらを意識的に取り入れることで、仕事もプライベートもバランスよく整い、生活の質(QOL)を高めることができます。それが職場マネジメントの実践に効果的に取り組むことにもつながっていくでしょう。
著者情報
大村美樹子(おおむら・みきこ)
株式会社アイビー・リレーションズ代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント、公認心理師、産業カウンセラー 大妻女子大学非常勤講師、修士(実践人間科学;早稲田大学)、早稲田大学人間 総合研究センター招聘研究員
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発行日:2024/10/30