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ヒトを動かし、組織を変える
明日から使える職場マネジメント

Vol.3 チームで成果を出すための効果的なチームビルディング法

 今回はチームビルディングの重要性を解説! タックマンモデルを理解し、効果的なコミュニケーションとリーダーシップでチームの成果を最大化、チームワークを向上させる方法をご紹介します。

効果的なチームビルディングとは

 チームで高い成果を上げるためには、個々のスキルや知識だけでなく、メンバー間の協力関係やコミュニケーションが非常に重要です。チームビルディングは、メンバーが互いに信頼し、協力し合うための土台をつくり、チーム全体が一丸となって目標に向かって進むための取り組みです。チームビルディングが奏功すると、各メンバーの強みが掛け合わさり、最大のパフォーマンスを生み出すことができます。それが最終的にチーム全体の成果向上につながります。
 さらに、困難な課題に直面したときでも、メンバーがお互いの得意な部分を持ち寄り、協力することで問題解決に取り組みやすくなります。

タックマンモデルで理解するチーム形成の5つの段階

 チームの形成過程を理解するためには、アメリカの心理学者、B・タックマンが提唱した「タックマンモデル」というチームビルディングの理論が役立ちます。これは、チームが一体となって機能するまでの過程を「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」「散会期」という5つの段階に分けて説明したものです。

タックマンモデルの5段階

 このタックマンモデルによって、現在のチームがどのような段階におかれているのかを知ることで、その時期に最適なアクションや役割分担について検討することができます。

コミュニケーションの重要性と心理的安全性の確保

 チームビルディングにおいて、コミュニケーションは極めて重要です。効果的なコミュニケーションには、自由な提案や意見交換が欠かせません。お互いの意見に対する率直なフィードバックも求められるでしょう。ただし、相手の発言をさえぎるような自己中心的な方法は控え、つねに相手の目線を忘れずにやりとりし、時には傾聴も忘れないようにしましょう。
 こうした姿勢をチームメンバーそれぞれが心がけていくと、チーム内の心理的安全性が高まります。心理的安全性は以下の7つの要素で成り立つとされています。チーム内の心理的安全性を確保し、全員が意見を出しやすい環境をつくることも、よりよいチームビルディングには不可欠です。

心理的安全性の7つの要素

ハラスメントを防止し、健全なチームをつくる

 チーム形成が進むなかで、どうしてもメンバー間の力関係が生まれることがあります。このような状況がハラスメントを誘発する可能性もあるため、つねにフラットな関係性が維持できるよう、細心の注意が必要です。自分がよかれと思ってしている行為も、相手にとっては苦痛に感じることがあります。リーダーだけでなく、メンバー全員がハラスメントの定義を理解し、決して許さないという姿勢で臨みましょう。

次回予告

 次回は、チームのコミュニケーションを活性化し、無駄のない議論を生み出すミーティング・マネジメントをご紹介します。
 実は多くの時間を費やしている「会議」。しかし、「意見が出ない」「結論が出ない」と悩む人も多いのでは?
 効果的な会議の進め方や、意思決定をスムーズにするテクニックなど、会議の生産性を劇的に向上させる方法をお伝えします。

著者情報

大村美樹子(おおむら・みきこ)
株式会社アイビー・リレーションズ代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント、公認心理師、産業カウンセラー 大妻女子大学非常勤講師、修士(実践人間科学;早稲田大学)、早稲田大学人間 総合研究センター招聘研究員

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