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ヒトを動かし、組織を変える
明日から使える職場マネジメント

Vol.2 効果的なリーダーシップを発揮する方法

 効果的なリーダーシップを発揮するために欠かせないリーダーとマネージャーの違いやリーダーシップ/フォロワーシップの知識を詳しく解説! チームを成功に導くためのヒントが満載です。

リーダーとマネージャーの違いを理解しよう

 多くの組織では、一人の人間がリーダーとマネージャー、両方の役割を担うことが少なくありません。「チームをまとめ上げていく立場」である点は共通ですが、本来の役割はそれぞれ異なります。
 具体的には、リーダーとはチームを目的に向かって導く役割をもつ者をいい、マネージャーとはチームが目的に沿って機能するよう管理・調整する役割をもつ者をさします。言い換えれば、リーダーは「ヒトを動かす」ためにメンバーへのはたらきかけを行い、マネージャーは「コトを動かす」ためにチーム全体を支えます。
 両方の役割を担う立場にある場合は、タイミングによって、どちらの役割に焦点化すべきかを見極め、臨機応変に行動することが望ましいでしょう。たとえば、スタッフに未体験の仕事を任せるとき、頑張ろうという気持ちにさせる言葉かけをするのがリーダー的役割、業務内容を具体的に伝えて行動につなげるのがマネージャー的役割となります。

リーダーとマネージャーの役割の違い

効果的なリーダーシップを発揮するためのポイント

 リーダーシップの主な役割は、チームのメンバーに対して目標や方向性を示し、行動させていくことです。重要なのは、指示するだけではなく、その後もメンバーそれぞれが目指す方向に進んでいるかどうかを継続的に観察していくことです。ゴールに到達するまでの過程を確認しながら、そのつど、必要に応じたサポートを惜しまないこともポイントです。
 アメリカの経営学者、R・ハウスは「パス=ゴール理論」のなかで、リーダーの役割は「目標(ゴール)を達成するために、どのような道筋(パス)を通ればよいかを示すこと」と定義しています。これはチームの状況に合わせて、具体的な指示を出すのか、あるいはメンバーを信頼して自律的な行動への支援を行うかなど、プロセスにも着目して見守ることが、効果的にリーダーシップを  発揮するコツだということです。
このように、メンバーそれぞれの業務経験や習熟度、自立性や能力などによって、適切なスタイルを使い分けることが、リーダーシップに基づく効果的なチームづくりに役立ちます。

パス=ゴール理論によるリーダーシップ

フォロワーシップの重要性とその役割

 フォロワーシップとは、リーダーを助け、ともにチーム全体を動かしていくことをいいます。先導役であるリーダーにメンバーが追従できるよう、後方から援助する重要な役割でもあります。
 フォロワーには、①模範的フォロワー、②孤立的フォロワー、③順応的フォロワー、④実務的フォロワー、⑤消極的フォロワーの五つのタイプがあるといわれています。
 フォロワーシップが強固になることで、リーダーの間違いを指摘したり、場合によってはリーダーの役割を分担して行うこともできるようになります。事業所のなかでなかなかリーダーシップが機能しない、といった場合には、サポートしてくれそうな補助役を見つけ、フォロワーシップを発揮してもらうのも一案でしょう。

 次回は、リーダーとフォロワーが力を合わせることで「チームの真価」を発揮するための手法・チームビルディングについて解説します。成功するチームの秘訣や、驚くべき成果を引き出す方法など、あなたのチームが変わるためのヒントが満載です。絶対にお見逃しなく!

著者情報

大村美樹子(おおむら・みきこ)
株式会社アイビー・リレーションズ代表取締役
国家資格キャリアコンサルタント、公認心理師、産業カウンセラー 大妻女子大学非常勤講師、修士(実践人間科学;早稲田大学)、早稲田大学人間 総合研究センター招聘研究員

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