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今月のおすすめ「読み合い」絵本

1月に読みたい
おすすめ「読み合い絵本」

絵本には作者だけでなく、かかわる方々の思いが詰まっています。それぞれの絵本に込められた思いを知ることで、読み合いにも深みが出てきます。
本コーナーでは毎月、この時期に読み合いたい絵本を年齢別に紹介します。
解説:佐々木由美子(東京未来大学こども心理学部教授)

0・1歳児におすすめの絵本

作:安西水丸『がたんごとん がたんごとん』
(福音館書店1987)

年末年始、帰省で電車に乗る経験をする子も多いのではないでしょうか。
「がたんごとん がたんごとん」と汽車が走ってきます。待っていたのは哺乳瓶。「のせてくださーい」。汽車は哺乳瓶を乗せて走ります。「がたんごとん がたんごとん」。次に待っていたのは、コップとスプーン。「のせてくださーい」。赤ちゃんにとって身近なものが次々に登場し、汽車に乗っていきます。シンプルな繰り返しが楽しい絵本です。ゆったりとしたリズムで赤ちゃんの反応にあわせながら読んでみてください。

2・3歳児におすすめの絵本

作:いわむらかずお『14ひきのさむいふゆ』
(童心社1985)

寒い冬。あたたかな家のなかで仲良くすごす14匹のねずみの家族の様子が描かれます。雪がやんだら、さっそく、みんなでそりすべり。冬って楽しいな、家族っていいなと思わせてくれます。そして、この作品の魅力は、絵が14匹それぞれの物語を雄弁に語ってくれること。表紙カバーではにっくん、ごうくん、なっちゃんの3人でそりに乗っていたのに、カバーを外すと、なっちゃんがそりからころげ落ちています! すでに表紙のカバーから物語が始まっているのです。ぜひ、じっくり絵をみて14匹の世界を楽しんでください。

4・5歳児におすすめの絵本

文:内田麟太郎、絵:山本孝『十二支のおはなし』
(岩崎書店2002)

1月はコマ回しやかるた、凧揚げなど、日本古来の伝承遊びを取り入れている幼稚園・保育所も多いことでしょう。あわせて読みたいのが、この作品です。お正月に神様のところに新年の挨拶にいくことになった動物たち。早いものから順に12番まで、その年の大将にしてくれるというのです。動物たちはおおはりきりです。干支のお話は数多く絵本化されていますが、この作品は絵がとてもユニークで個性的。それぞれの動物たちが生き生きとダイナミックに描かれています。