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今月のおはよう21

おはよう21

介護専門職の総合情報誌『おはよう21』最新号の内容をご紹介します。

こんなときどうする? 対応が難しい認知症の人へのかかわり方

『おはよう21』2025年4月号から、特集(こんなときどうする? 対応が難しい認知症の人へのかかわり方)の内容を一部ご紹介いたします。

利用者が暴力的になる、帰宅欲求が強い、同じことを何度も繰り返す…。
認知症ケアにおいて、介護職が対応の難しさを感じる場面は少なくありません。

そんなとき、どのようなことに留意すれば、利用者は穏やかに、安心して過ごせるでしょうか。
押さえておきたいケアのポイントをまとめます。


対応の難しさを解決するためのかかわり方の6つのポイント

ポイント❶ 環境が変わっていないか?

認知症の方は環境の変化に敏感です。
環境が変わると、「ここがどこなのか、今がいつなのか」といったことがわかりづらくなります。

入院、引越し、施設入所などがきっかけで認知症が進行し、BPSDが強く出ることがあります。

もちろん、自宅と施設では環境が違うので、自宅に近づけることには限界があるでしょう。
それでも、その方が少しでも落ち着くような環境をつくれるようにしたいものです。

ポイント❷ 生活習慣が変わっていないか?

生活習慣が変わると、認知症が進行したりBPSDが出たりすることがあります。

「はいこんちょ」では、畳の部屋で暮らしていた方には、できるだけ最期まで畳で過ごしてもらうようにしています。
タバコやお酒が好きだった方にも、取り上げてしまうのではなく、続けられるように支援しています。

脳卒中になってから禁煙していた女性に、少しでも楽しい時間を過ごしてもらおうと、家族と相談して、再びタバコを吸ってもらったことがあります。
生活習慣を守ることが自立支援にもつながります。

ポイント❸ 関係性がつくれているか

関係性が構築できているかどうかは、ケアをするうえでとても大切です。

関係性のできている職員がかかわれば、利用者も安心できるでしょう。
逆に、かかわる人が頻繁に変わると、利用者は混乱してしまうことがあります。

関係性をつくるのが難しい利用者がいたとしても、必ずその利用者と相性の合うスタッフがいるはずです。
チームとして、さまざまな人の力を集結しましょう。

「はいこんちょ」には、BPSDが強い利用者が多いのですが、それでも職員たちは「できるかぎり最期まで看取りたい」と言っています。
関係性ができているからこそ、職員のかかわり方も深くなっていきます。

ポイント❹ 三大介護はどうなっているか?

食事、入浴、排泄という生活の基本がしっかりとできていることが大切です。
これらがおろそかになっていると、生活のリズムが崩れ、それがBPSDにつながります。

特に、「口から食べる」「トイレで排泄する」といったことは、利用者にとって重要です。
その方の状態をよく見極めて、「食べる」「出す」ことにしっかりと取り組みましょう。

ポイント❺ 個性的な生活空間はつくれているか?

利用者がほっとしたり、喜びを感じたり、自分らしく過ごせる空間があることが大切です。

私たちが運営する住宅型有料老人ホームでも、自宅のテレビやお気に入りの人形、寝具、たんす、賞状などを自由に持ち込んでもらい、自分らしい空間をつくってもらっています。

集団生活ということで難しい部分もありますが、自分らしさを感じられる場所があることが、BPSDの軽減につながります。

ポイント❻ 役割をつくれているか?

日々の生活のなかで、自分の役割があるということが大切です。
そして、その役割を果たしたとき、周囲から感謝されたり、喜んでもらえると、それが生活のハリになります。

年をとって、しかも介護が必要な状態になると、「役割なんてない」と思ってしまいがちですが、そんなことはまったくありません。
介護職として、その方にとっての本当の役割をつくることが大切です。

参考文献:三好春樹 著『現場からの見方と関わり学 認知症介護』円窓社、2023

続きは本誌でご覧いただけます。

執筆
小林敏志 宅老所はいこんちょ代表

以上は、『おはよう21』2025年4月号の特集の内容の一部です。このほかにも本誌では、下記のトピックを取り上げ解説しております。ぜひお手に取ってご覧ください。


特集

こんなときどうする? 対応が難しい認知症の人へのかかわり方

  • 1 これだけは押さえたい 認知症の基礎知識
  • 2 支援の難しさを解決するためのかかわり方の6つのポイント
  • 3 利用者が暮らしやすくなる支援のポイント
  • 4 事例で考える 対応が難しい利用者へのかかわり方
『おはよう21 2025年4月号』
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