メニュー(閉じる)
閉じる

ここから本文です

今月のおはよう21

おはよう21

介護専門職の総合情報誌『おはよう21』最新号の内容をご紹介します。

「言ったはずなのに…」をなくす
スタッフが納得できるリーダーの“伝え方”6つのルール

『おはよう21』2024年2月号から、特集(「言ったはずなのに…」をなくす スタッフが納得できるリーダーの“伝え方”6つのルール)の内容を一部ご紹介いたします。

介護・福祉現場のリーダーは、スタッフが適切に行動できるよう業務にかかわる情報や指示を正確に伝える必要があります。
しかし、言ったことがうまく伝わっていない、自分とスタッフの解釈にズレがあった、という経験がある方も多いのではないでしょうか。

今回の特集では、「伝え上手」なリーダーが正確に伝えるために意識している〝伝え方〞の6つのルールを紹介します。


「伝え上手」なリーダーの6つのルール

Rule1 状況・安心・関心に配慮する

リーダーとスタッフの会話例

リーダー

利用者さんのことで伝えたいことがあるんだけど、ちょっといいかな?

スタッフ

今、記録を入力していて……

リーダー

1〜2分で済むから。入力しながらでもいいから聞いて

スタッフ

わかりました

リーダー

Aさん(利用者)のご家族から電話があってね。再来週の月曜日に外出をするから、赤いブラウスと黒のスカートを着せてほしいって。君、その日早番勤務だよね。忘れないようにAさんに声かけして、準備してくれないかな。絶対に忘れないでね

スタッフ

はーい

いかがでしょうか。忙しい現場では、このような光景は日常茶飯事かもしれません。
しかし、こうした会話では、ミスが起きたり、もう一度スタッフが聞き直すことになりがちです。

このように、リーダーが相手の状況に構わず、言いたいことを言ってしまうと、伝わるはずのことが、正しく伝わらないのです。

「状況」に配慮する

スタッフに話しかける前に、相手の表情や顔色、声色や振る舞いなど、ふだんの様子と異なるところはないか、さりげなく目を配ります。
スタッフが急いでいる様子であれば、あとで伝えるようにするか、急用の場合は手短に伝えます。
焦っていたり、困っている様子であれば、「何か手伝おうか」などと声をかけて、落ち着いたタイミングで話をしましょう。

また、スタッフが話しかけてもよい状況にあるかどうかを確認してください。
「ちょっとした立ち話だから問題ない」と判断して、作業中やサービス提供中のスタッフに話しかけたり、周りがにぎやかで多くの人がいる状況で大切な話をするのはNGです。

慌ただしい状況で行われた会話は、スタッフを困らせるだけではなく、内容が記憶に残りにくく、指示が通らないことにつながります。

たとえば、電車内でスマホの画面に集中しているときは、すぐ隣に座っている人たちの会話の内容が頭に入ってこなかったり、集中してテレビを見ているときは、話しかけられていることに気がつかない、ということはよくあります。
同様に、考えごとや別の仕事に集中しているときに話しかけても、相手の意識はこちらに向きません。

そのため、伝えたいことがあれば、スタッフの様子を確認し、集中して受け取れる状況かどうかに配慮をしてください。
また、20分以上の面談など、ある程度時間がかかる話の場合は、事前にスタッフのスケジュールを確保するようにしましょう。
当日にいきなり「面談しよう」と言われても、スタッフは困惑してしまいます。

ただし、急遽どうしても伝えなければならない話がある場合は、「急ぎで伝えたいこと、共有したいことがあります。
20分ほどお時間がとれるタイミングはありますか?」と、確認してから話をするのが望ましいです。

「安心感」を与える

伝えたいことをしっかり伝えるためには、スタッフとのふだんからの関係づくりが大切になります。

皆さんは、どのような人であれば、「話を聞こう」「話を受け止めよう」と感じるでしょうか?
おそらく、自分の話を受け止めてくれる人、自分を認めてくれる人だと思います。

つまり、傾聴してくれる人に対して、話を聞こうという意思がはたらくのです。

傾聴の際に意識すべきことは、「批判的な態度で話を聞かないこと」です。
仮にスタッフの意見が自分の考えと異なっていても、一言目から「いや、そうじゃなくて……」とは言わず、まずは、「そうなんだ」と受け止めるのです。

話し手は、聞き手が共感的で、批判的ではないと感じたときに安心して、感情や思考を共有することができます。
この安心感こそが、「話を聞こう」「話を受け止めよう」という思いにつながります。

また、スタッフの存在や仕事を認める「承認」も大切です。
人は、自分のことを認めてくれる人に対しては、自分も同様にその人のことを認めようと考え、話を聞こうとする意識がはたらきます。

承認の言葉と伝えたいことの具体的な割合は、7対3を意識しましょう(できれば9対1)。これが、伝わる会話の黄金比率です。

「関心」にアンテナを張る

スタッフの関心や仕事のやりがいを理解し、そこにアプローチすることも大切です。

たとえば、利用者に喜んでもらうことをモチベーションにしているスタッフには、「もっと利用者、入居者に喜んでもらうために○○して」と言ったり、スタッフのチームワークを大切にする職員には、「この仕事をしてくれると、チームにとってとても助かる」などと声をかけると、相手はその言葉がより印象に残ります。
向上心の高いスタッフに対しては、「この仕事をお願いしたい。必ずあなたのスキルアップにつながるから」と伝えるのもよいでしょう。

続きは本誌でご覧いただけます。

執筆
本間佑介
株式会社IDO代表取締役社長(1、2)

山﨑史香
グラフィックテラー株式会社代表取締役(3)

以上は、『おはよう21』2024年2月号の特集の内容の一部です。このほかにも本誌では、下記のトピックを取り上げ解説しております。ぜひお手に取ってご覧ください。


特集

「言ったはずなのに…」をなくす
スタッフが納得できるリーダーの“伝え方”6つのルール

  • 1 伝えたいことが伝わらない… 介護・福祉現場のリーダー“あるある”
  • 2 「伝え上手」 なリーダーの6つのルール
  • 3 もっと伝わる! 介護現場で使える“グラフィック”
『おはよう21 2024年2月号』
  • 本書のお買い求めは、中央法規オンラインショップが便利です。
    年間購読(増刊号2冊含む計14冊)のお客様は、1冊あたりの割引に加えまして毎月の送料をサービスさせていただきます!
    さらに、年間購読の方限定の動画配信サービスもご利用いただけます!
  • 電子版も好評発売中!
    販売サイトはAmazon富士山マガジンサービスから順次拡大予定!