今月のおはよう21
介護専門職の総合情報誌『おはよう21』最新号の内容をご紹介します。
意識がない… 窒息している… 息が苦しい… 転倒・転落した…
命にかかわるキケンな急変・事故対応と予防のポイント
『おはよう21』2023年4月号から、特集(意識がない… 窒息している… 息が苦しい… 転倒・転落した… 命にかかわるキケンな急変・事故対応と予防のポイント)の内容を一部ご紹介いたします。
利用者には、さまざまな体調の変化や不測の事態が生じる可能性があります。介護職はそれらにいち早く気づき、適切な対応を行うことが求められます。
本特集では、命にかかわる危険な急変・事故として、「意識がない」「窒息している」「息が苦しい」「転倒・転落した」場合の対応や再発予防の対策を考えます。
これだけは押さえたい 命にかかわる急変・事故とその対応
利用者の命に直結し、すぐに対応が必要な4つの急変・事故として、❶意識がない、❷窒息している、❸息が苦しい、❹転倒・転落があります。それぞれについて、介護職が押さえておくべきこと、行うべきことを考えます。
1 意識がない
①呼吸の状態はどうか
胸部と腹部の動きから、呼吸状態を確認します。確認すべきポイントは次のとおりです。
〇鼻や口からの呼気はあるか
②脈拍の状態はどうか
脈拍は、手首で測定しますが、とりにくい場合は、頸部で測定します。
(1)手首の動脈で測定する場合
手首の親指側に、人差し指・中指・薬指の3指を揃えた状態で当てて測定します。日頃からトレーニングしておくとよいでしょう。
(2)頸部の動脈で測定する場合
顎を少し横に向け、頸骨の延長上に人差し指・中指・薬指の3指を揃えた状態で当てて測定します。
③意識レベルはどうか
意識レベルの確認は、JCS(ジャパン・コーマ・スケール)を用いることが一般的です(表1)。
Ⅰは、利用者の日常を知っている介護職だからこそ、「いつもと違うかも」と最初に違和感をもつレベルです。Ⅱは、呼吸の有無や脈拍を確認しながら、10-30のレベルを判断し、医療職(看護師、医師、救急隊)に伝えられると、医療職が利用者の状況をイメージしやすく、その後の対応や指示が受けやすくなります。
反射性・迷走神経性
咳、嚥下、食事、排便・排尿、ストレス(痛みや緊張)などが誘因となって、神経の動きが過剰になることで起こります。この場合、短時間で意識が回復し、大きな後遺症の心配はありません。
起立性
次の状況が生じたときに起こります。
- ・急に立つ・起き上がることで、血管内の血液量が急激に減少して起こる血圧の低下(立ちくらみ)
- ・消化管・心臓血管系の出血や脱水などによる循環血液量の低下
心原性
不整脈、心臓・肺などの疾患により起こります。呼吸・脈拍の異常があり、命にかかわることもある緊急事態です。
生活上のリスクを押さえておこう
多くの高齢者には、脳・心臓血管系、呼吸器系、糖尿病、神経系、認知症などの複数の疾患や病歴があります。それらが複合的に関連したり、多数服用している治療薬の相互作用や副作用で、体調変化が起こることがあります。
日々の生活のなかで、予測できない意識消失も起こる可能性があります。日頃より、元気がない、食欲がない、あくびが多い、歩行がふらつきがちなど、いつもと違う様子が何らかの予兆になることを念頭に置きましょう。
意識消失が起こった状況によって、けがのリスクも高まります。転倒による意識消失なのか、意識消失による転倒なのかで、その後の対応は変わります。
- 執筆 小谷洋子
介護付き有料老人ホーム カーサプラチナみなとみらい 看護主任
1、2-❹
松尾綾子
看護師・睡眠健康アドバイザー
2-❶
真鍋哲子
特別養護老人ホーム 聖ヨゼフの園 医務室 主任看護師
2-❷
鈴木英世
特別養護老人ホーム第二南風 看護主任
2-❸
以上は、『おはよう21』2023年4月号の特集の内容です。このほかにも本誌では、下記のトピックを取り上げ解説しております。ぜひお手に取ってご覧ください。
特集
意識がない… 窒息している… 息が苦しい… 転倒・転落した…
命にかかわるキケンな急変・事故対応と予防のポイント
1 高齢者の身体的な特徴を押さえよう
2 命にかかわる急変・事故とその対応
❶意識がない
❷窒息している
❸息が苦しい
❹転倒・転落した
- 『おはよう21 2023年4月号』
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