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再録・誌上ケース検討会

このコーナーは、月刊誌「ケアマネジャー」(中央法規出版)の創刊号(1999年7月発刊)から第132号(2011年3月号)まで連載された「誌上ケース検討会」の記事を再録するものです。
同記事は、3人のスーパーバイザー(奥川幸子氏、野中猛氏、高橋学氏)が全国各地で行った公開事例検討会の内容を掲載したもので、対人援助職としてのさまざまな学びを得られる連載として好評を博しました。
記事の掲載から年月は経っていますが、今日の視点で読んでも現場実践者の参考になるところは多いと考え、公開することと致しました。


第62回 「いいなり」から脱け出すには?
(2004年3月号(2004年2月刊行)掲載)

スーパーバイザー

奥川 幸子
(プロフィールは下記)

事例提出者

Wさん(居宅介護支援事業所・介護福祉士)

クライアント

U氏 男性、72歳
既往歴:平成13年3月、脳梗塞後遺症による右半身麻痺、失語症。
生活歴:20代で当市に転居し、スナックなどで勤務していた。60代になった頃から、さまざまなボランティア活動を積極的に行う。
家族関係:15年前に妻と離婚。別れた妻との間に長男(町内在住)がいる。現在、お付き合いをしている女性(Fさん・64歳)がいる。Fさんとは、数カ月同居していたが、現在は別居(関係は続いている)。

事例の概要

 平成13年6月、Fさんから、明日U氏が退院するので、風呂に入るのにシャワーチェアがほしい、他のサービスも利用したいとの電話が入る。Fさん自身もヘルニアの持病があり、U氏の身の回りの世話をするのが難しいため、買い物・掃除をヘルパーが行うこととする(週3回)。その後、FさんがUさん宅を出ていったため、週5日(1時間)の家事援助(買い物・料理・掃除)に変更となった。現在は、本人の希望で事業所の変更、頻度・時間の変更があり、週3回・2時間となっている。

プロフィール

奥川 幸子(おくがわ さちこ)

対人援助職トレーナー。1972年東京学芸大学聾教育科卒業。東京都養育院附属病院(現・東京都健康長寿医療センター)で24年間、医療ソーシャルワーカーとして勤務。また、金沢大学医療技術短期大学部、立教大学、日本社会事業大学専門職大学院などで教鞭もとる。1997年より、さまざまな対人援助職に対するスーパーヴィジョン(個人とグループ対象)と研修会の講師(講義と演習)を中心に活動した。主な著書(および共編著)に『未知との遭遇~癒しとしての面接』(三輪書店)、『ビデオ・面接への招待』『スーパービジョンへの招待』『身体知と言語』(以上、中央法規出版)などがある。 2018年9月逝去。