訪問看護ステーションを立ち上げるには?
開業までの流れや失敗しないためのポイントを紹介!
地域に根差した訪問看護のニーズは高まり、ステーション数も増加しています。一方で開設後1年も経たないうちに、休止や廃止に追い込まれるステーションも少なくありません。
ステーションの立ち上げを検討している人のなかには、「開設までに何をすればいいの?」「開設後、失敗しないためには?」といったことが気になっている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、訪問看護ステーションを立ち上げるまでの流れや、ステーション開設後に廃止や中止となることを防ぐためのポイントを紹介します。
1.訪問看護とは?
訪問看護とは、主治医が訪問看護ステーションに交付する訪問看護指示書に基づき(さらに介護保険では居宅サービス計画書(ケアプラン)に沿って)、看護師等が利用者の居宅に訪問して看護(療養上の世話または必要な診療の補助)を行い、その対価を各種保険者と利用者に請求し支払いを受ける仕組みです。
看護職が「看護」の視点で地域を見つめ、得意な「察知」する力で地域の住民や多職種のニーズを把握し、高齢者や、医療的ケア児など障がい児・者、精神疾患の罹患により社会参加が難しい人、ひきこもりの人、がん等治療中の人といった、あらゆる利用者の息遣いを 24時間感じ、時に吐露される想いに心を震わせてケアをしています。
訪問看護ステーションは、今後、地域包括ケアシステムの構築から地域共生社会を目指すわが国において、不可欠なサービスとして充実強化が求められています。
2.訪問看護ステーションを立ち上げるには?
立ち上げを決意した日から開設までの流れは以下のようになります。最初にタイムスケジュールをつくり、やることを頭に入れておくと、いつ何をすればよいのか、構想~開設にどのくらいの期間が必要なのかが理解でき、取り組み方が明確になります。
3.失敗を防ぐために
訪問看護事業では、経営者と管理者・スタッフが理念を共有してサービスの質を高め、利用者や多機関・多職種からも信頼される事業所へと発展させることが重要となります。
①地域にとって、メリットが出せているかを確認する
訪問看護ステーションは資金の出資者が市民になります。市民から税金と保険料を託してもらう分、期待以上の成果をあげ地域に貢献することが求められます。新規にステーションを開業することで、市民にどういったメリットを提供できるのかということを広い視野で考え、実行していくことが大切です。
②人を育てる
看護では「生きる力が高まるような環境をつくる」ことが大切といわれています。自分たちが開設したステーションが来てくれてよかったと思ってもらえるためにも、千差万別の価値観をもった人がさまざまな疾患に罹患している状況で、どうすれば生きる力が出てくるのかを考え実行できる人を育てましょう。
③ミッションやビジョンの追求と実現
組織運営を行ううえで、理念やミッション・ビジョン・バリューはとても重要です。さまざまな業務のプロセスが複雑化・煩雑化していく場合でも、基本となる「理念」に基づいて仕組みやルール、マニュアルづくりを行っていきます。
組織の存在意義や目的を果たすためには、統一性がある「理念、ミッション・ビジョン・バリュー」が組織の隅々まで浸透していることが大切です。
④組織の醸成と多職種との連携
訪問看護ステーションは利用者の生活を支えるために、地域の多職種と連携し、良好な関係を構築する必要があります。
相手の立場や職種に理解を示し、わかりやすい言葉でコミュニケーションを図るようにしましょう。困ったことはいつでも気軽に相談ができる関係性をつくり上げていくことが大切です。
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このページの内容は、公益財団法人日本訪問看護財団編集『Q&Aでわかる 訪問看護ステーションの起業・経営・管理 確かなスタートと着実なマネジメントで成果を出そう』の内容をWeb掲載に見合う形に編集したうえで転載しております。より詳しい内容は本書籍をご覧ください。
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