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福祉の現場で思いカタチ
~私が起業した理由わけ・トライした理由わけ

志をもってチャレンジを続ける方々を、毎月全4回にわたって紹介します!

【毎週木曜日更新】

第46回③
任意団体「パレット」代表 瀬名香織さん
「でこぼこパーク」は初回にして
1000人規模のイベントに!

瀬名香織(せなかおり)
任意団体「パレット」代表
会社員時代に、産業カウンセラー、社員研修講師などを経験。息子の子育てに悩んだことから、発達障害について学ぶ。2020年、発達が気になる子どもと親のためのオンライン講座「寺子屋EQBO」を立ち上げる。その後、思いに共感してくれたた仲間と、子どもが安心して学べる場所「パレット」を立ち上げ、さまざまな活動を展開中。

取材・文:石川未紀

-2022年3月には「でこぼこパーク」、4月からは「ここぷれ」と、さまざまな「パレット」の活動が始まりましたね。

 はい。まず3月に開催した「でこぼこパーク」は、体験型のファミリーイベントですが、「障害を体験する」という裏テーマがあります。不便さを体験してもらって障害や、困りごとを知ってもらう。障害への理解が進まないのは、障害を知る機会があまりにも少ないからだと感じています。また、「インクルーシブ」「障害」などを表に出して、福祉イベントにしてしまうと、福祉関係の人しか来ず、これではいつまでたっても、交流が生まれないし広がらない。ですから、あくまでも、ファミリー向けのお祭り風イベントにしました。具体的には、ヨーヨー釣りを手でやらずに足でやる。色付きのメガネをかけてペイントを体験してもらう。実際に聴覚に障害のある方にも参加いただいて手話で一緒に歌を覚える、車いすや白杖の体験もやりました。福祉とは直接関係ありませんが、フリーマーケットのコーナーでは、店主も客も子どもにやってもらいました。
 障害を体験して、どんなことに困ったか、どんな手助けがあったらいいかなどを、家族と話してくれるきっかけになれば、と思い開催しました。

-楽しそうですね。実際、初回にもかかわらず1000人近い方がいらしたとか。

 芦屋市の市民提案型事業として採択いただいたこと、また芦屋市と教育委員会から後援を頂き、市内の小学校や幼稚園全てにチラシを配布させて頂き、多くのご家庭に情報をお届けできたことが大きかったです。また、コロナ禍でイベントがなくなり、家族で楽しめる場所がなかったので、このイベントを楽しみにしてくださった方も多かったのではないでしょうか。ボランティアの方は35名来ていただいたのですが、それでも足らなくて、忙しい思いをさせてしまい、反省すべき点が多々ありましたが、多くの方に楽しんでいただけたのは良かったと思っています。

-まさにうれしい悲鳴ですね。

 はい。本当に驚きましたし、たくさんの方に関心を持っていただけたのは嬉しかったですね。今後もこの「でこぼこパーク」は同じテーマで、年に一回芦屋市で開催していきたいと考えています。またこうしたイベントが全国に広がればいいなと。うちの地域でもやっていきたいというところがあれば、パレットがサポートしながら、その地域の方と一緒に活動が今後出来ればいいなと考えています。実際に、今、他の自治体からも相談が来ていて、大阪府池田市ででこぼこパークミニが開催されました。他の自治体や団体さんに関心を持って頂いていることは嬉しいですね。

-「ここぷれ」は4月から活動をスタートさせていますね。

 はい。心地よい居場所「ここぷれ」は4月から活動を開始しました。文字通り、心地よい居場所をめざします。工作や公園遊び、学習支援なども行っています。初回は川遊びやレゴなどをして遊びました。先日は女子高校生が来てくれて、裁縫が好きだというので、お気に入りのくまのぬいぐるみのマフラーを作りました。「こんなに集中力があるとは思ってませんでした!」とお母さんが驚くくらい、集中して取り組んでいました。何をやるかも大事ですが、誰とやるかも大事だな、と改めて教えて頂きました。このお子さんのように、なかなか家では経験できないことも経験し、できたこと、やったことが自信につながっていけばいいなと思います。現在は月2回ですが、ニーズが増えてきたら週に1回は開催していきたいですね。一年後には拠点を構えて、毎日、ここに来れば自分の居場所があるというふうにするのが目標です。

-ありがとうございました。

足でやるヨーヨー釣りは難しい!

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