認知症かな?と思ったら 認知症の初期症状をわかりやすく紹介!
認知症かな?と思ったら 認知症の初期症状をわかりやすく紹介!
高齢化社会の進展に伴い、認知症は決して他人ごとではない疾患となりました。本記事では、もし身近な人に「認知症かな?」と思うような症状が現れた場合に役立つよう、押さえておきたい認知症の初期症状をわかりやすく紹介します。
【記事の監修者】
松永慎史
相生山ほのぼのメモリークリニック院長。2007 年藤田医科大学医学部卒業。2014 年藤田医科大学医学部・精神神経科・講師、2018年藤田医科大学医学部・認知症・高齢診療科(内科)・講師を経て、2020 年より現職。医学博士・認知症専門医・老年精神専門医。認知症と高齢者の内科・精神疾患の診療が専門でありながら、一般的な内科疾患や心療内科の診療も行い、地域のかかりつけ医としての役割も担っている。
1 同じ話を何度もする
記憶力が低下してくると、同じ話を何度も繰り返す、同じ質問を何度もするといった行動がみられます。このような行動がみられた場合は、認知症に注意が必要です。本人が短い時間で何度も同じ話や質問を繰り返していることに気づいていない場合は、認知症の可能性が高くなります。
(例)
- ● 先ほど話した旅行の話を、まるで初めてのように再び語り始める。
- ● 今日の昼食について、すでに何度か質問しているにもかかわらず、再び尋ねる。
2 探し物が増える、物を盗られたと言う
記憶力の低下に伴い、物を置いた場所を忘れてしまい、探し物が増えることがあります。 加齢によってもみられることではありますが、財布や鍵、通帳など、日常生活に必要な物を見失うことが頻繁に起こるようになったり、物が見つからない際に、誰かに盗まれたと主張する「もの盗られ妄想」を示すようになったら注意が必要です。
(例)
- ● いつも持ち歩いているはずの財布が見当たらず、家中を探し回る。
- ● 財布が見つからないと、「誰かが盗んだに違いない」と家族を疑い始める。
3 冷蔵庫の中に異変がある
冷蔵庫の中に、賞味期限切れの食品や腐った食品が放置されていたり、同じ食品が大量に保管されていたりすることがあります。記憶力が低下し、買ったことを忘れて同じものを購入しているかもしれません。また、冷凍食品が冷蔵室に入っているなど、食品の保管場所を間違えている場合は判断力が低下しているおそれがあるので注意が必要です。
(例)
- ● 賞味期限を大幅に過ぎた食材が冷蔵庫に入っている。
- ● 卵や牛乳など、すでに十分な量があるにもかかわらず、同じ食品を大量に購入して冷蔵庫に詰め込んでいる。
4 道に迷う
空間認知能力や見当識の低下により、道に迷うことがあります。普段は問題なく行き来できていた場所に行けなくなったり、自宅の周辺で道に迷ったりする場合は注意が必要です。
(例)
- ● いつも通っているスーパーマーケットへの道順が分からなくなる。
- ● 自宅から数分の場所にある公園に行った帰り道、自宅が分からなくなり、途方に暮れる。
5 言葉が出にくい
認知症の症状として、言語機能にも影響が現れることがあります。言葉が出てこない、言いたいことがうまく伝わらないなどの症状がみられる場合は注意が必要です。
(例)
- ● 日常会話でよく使う単語が出てこなくなり、言い換えたり、ジェスチャーで伝えようとしたりする。
- ● 複雑な文章を理解することが難しくなり、会話が成立しにくくなる。
6 なんだか元気がない
意欲の低下や気分の落ち込みがみられることがあります。 以前は楽しんでいた趣味や活動に興味を示さなくなったり、外出を控えがちになったりする場合は、注意が必要です。
(例)
- ● 以前は毎日欠かさず行っていた散歩に出かけなくなり、一日中家の中で過ごすようになる。
- ● 趣味の園芸にも関心を示さなくなり、庭の手入れを怠るようになる。
これまで紹介したサインは認知症の初期症状かもしれません。しかし、早期発見・早期対応を心がけることで、認知症の進行を遅らせることにもつながります。家族や支援者など身近な人に気になる症状がある場合は本人と一緒に相談に行ってみるなど、早めにアクションを起こすようにしましょう。
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