今月のケアマネジャー
介護専門職の総合情報誌『ケアマネジャー』最新号の内容をご紹介します。
2024年介護保険改正
注目ポイントを徹底解説!
ケアマネ業務はどう変わる?
『ケアマネジャー』2022年9月号から、特集(ケアマネ業務は激変!? 2024年介護保険改正 最新情報)の内容を一部ご紹介いたします。
早くも2024年の介護保険制度の見直しに向けた議論が本格的にスタートしました。
診療報酬とのダブル改定でもあり、ケアマネジャーの業務についても激変の予感が漂います。
介護保険に精通したジャーナリストが予想される改正ポイントを解説します。
Part1 ケアマネジャーの業務
依然としてケアマネジャーを取り巻く環境は厳しい状況です。
処遇改善加算や利用者負担の導入など、気になるポイントを解説します。
特定事業所加算
さらなる単位UPは期待されるも
新要件が加わる可能性あり?
事業所の収益アップに向けて、基本報酬とともに重視されるのが特定事業所加算です。2021年度改正では、以下の内容で見直されました。
- ・要件を緩和した新区分(A)の設置
- ・既存加算について新要件を設け、単位数をアップ
基本報酬アップが困難なら、特定事業所加算のさらなる単位アップに期待が集まります。ただし、ケアマネジメントの質の向上に向けて、要件の追加も考えられます。たとえば、国が力を入れるプラン作成時のAI活用や、次項の「適切なケアマネジメント手法」の修得・実践に向けた何らかの方策の実施を求めるというものです。
CHECK 未算定の場合、「区分A」の取得に注力を
収益アップのカギが特定事業所加算とすれば、未算定事業所は、まず新設された「区分A」の取得に力を入れることを考えたいものです。
適切なケアマネジメント手法
自治体の任意研修普及に向け、
加算の要件に組み込まれる?
国の改革工程表では、2026年度までに「適切なケアマネジメント手法」をふまえたケアマネジメントの実施を目指しています。2021年3月時点で策定された内容をもとに、すでに自治体による任意の研修等も進められています。
これを現場の実践につなげるうえで、2024年度改正では何らかの基準や加算要件が設けられるかもしれません。上記で述べたように、特定事業所加算の要件に組み入れるなどが考えられます。
CHECK まずは、当該手法の理解を深めよう
地域で任意の研修等が行われていれば、積極的に参加したり、当該手法の「手引き」や厚労省の動画を活用した事業所内研修を実施しておきたいものです。
図表1 「適切なケアマネジメント手法」の構成
ケアマネジメントへの利用者負担導入
いよいよ「現実」となる可能性大!?
経済界も導入に前向きな情勢
ケアマネジメントへの利用者負担導入については、過去の制度見直しの際にも取り上げられてきましたが、そのつど見送りとなっています。2020年の介護保険部会の取りまとめでも、「(制度利用の)入口での利用控えが危惧される」など、慎重論が目立ちました。
しかし、今回は導入論の急先鋒である財務省が、「利用者負担の導入は当然」といった強い表現の提言をまとめています。提言では、「利用者が自己負担を通じてケアプランに関心をもつ」ことで、「ケアマネジャーのサービスのチェックと質の向上にも資する」と述べています。
また、2021年の経済団体連合会の提言など、経済界からも「ケアマネジメントへの利用者負担の導入」に同調する声が高まっています。
今回は今まで以上に慎重論への風当たりは強くなりそうです。
CHECK 利用者の新たな反応や要望を注視
「利用者負担」が導入された場合、利用者の反応や新たな要望などが発生するのか否かなどについて、事業所において今から利用者へのヒアリングを行っておくとよいでしょう。
図表2 利用者負担導入の議論の推移
法定研修カリキュラムの見直し
「適切なケアマネジメント手法(以下、手法)」の普及に向けた動画公開や任意研修が進むなか、その内容を法定研修(実務研修・専門研修など)にも反映させる動きが見られます。
たとえば、2022年4月に「介護支援専門員の資質向上に資する研修等のあり方に関する調査研究」の報告書が、厚労省から示されました。そのなかのカリキュラム案には、当該手法で示されている「疾患別ケア」の項目などが反映されています。あくまで「案」ですが、今回の内容をベースとした見直しになるのは間違いないでしょう。
田中 元(介護福祉ジャーナリスト)
以上は、『ケアマネジャー』2022年9月号の特集の内容です。ぜひお手に取ってご覧ください。
特集
Prologue 一目でわかる! 介護保険の3大問題と改正ポイント
- Part 1 ケアマネジャーの業務
- Part 2 医療連携
- Part 3 介護保険制度全般
- 『ケアマネジャー 2022年9月号』
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