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今月のケアマネジャー

ケアマネジャー

介護専門職の総合情報誌『ケアマネジャー』最新号の内容をご紹介します。

ケアマネ基本スキルアップシリーズ(2)
改めて考えたい“利用者の力”に着目したアセスメントのスキル

『ケアマネジャー』2024年3月号から、特集(改めて考えたい“利用者の力”に着目したアセスメントのスキル)の内容を一部ご紹介いたします。

 本誌2023年12月号で、利用者と協働作業で行うニーズ探しについて学びました。
 今回は、利用者のもつ力に着目して、利用者本人とともに問題の解決へと向かっていくためのアセスメントについて学びます。


アセスメントの姿勢を考える3つの問いかけ

 アセスメントの姿勢を考えるにあたり、あなたに3つの問いかけをします。思い当たることはありませんか?

問いかけ #01
アセスメントのための面接って、疲れませんか?

 ケアマネジャーとして、利用者との面接に初めて臨んだときを思い出してみましょう。
 極度に緊張しませんでしたか?
 胸がドキドキしませんでしたか?
 頭のなかが真っ白になりませんでしたか?

面接はアセスメントの生命線

 利用者との面接は、アセスメントの生命線であり、面接の良し悪しは、アセスメントの精度を左右します。それがわかっているからとても緊張するのです。
 特に相談援助の経験が浅い場合、研修等で面接の方法を学んでいたとしても、現場実践では勝手が違います。
 どのように利用者に対応したらよいかと戸惑い、面接の場で固まってしまうことが多いものです。

利用者との面接は真剣勝負

  面接を重ねるにつれ、初心者のときに感じたぎこちなさは薄らいできます。半面、面接の難しさがしだいにわかってきます。
 面接の相手は、感情をもった生身の人間です。
ケアマネジャーの聞きたいことにすんなりと答えてくれるわけではありません。
 限られた訪問時間のなかで、アセスメントを深めるためには、全神経を集中する必要があります。
 面接は「真剣勝負」です。それでいて、利用者の前では、緊張感をみせず、安心を与えるように自然体で振る舞うことが大切です。
 だからアセスメントのための面接は、とても難しく、むしろ、疲れて当たり前なのではないでしょうか?

問いかけ #02
利用者の見ている景色を感じる瞬間はありますか?

 利用者は、今の状況をどのようにとらえているのでしょうか?
 心配事や不安は、何なのでしょうか?
 利用者の目に、ケアマネジャーはどう映っているのでしょうか?
 利用者は何を見ているのでしょうか?

ケアマネジャーが介在することで、利用者は自分の状況を把握する

 アセスメントのための面接は、ケアマネジャーによる一方的な情報収集だけが目的ではありません。面接を通じ、利用者は自分の問題を整理し、問題にどのように向き合っていけばよいのかを知ることができます。
 そこに介在するのがケアマネジャーに他ならず、利用者が見ている景色を感じ取る力が求められます。これが、面接の技法における「共感」と呼ばれる技術です。

課題を解決するのは利用者本人

 なぜ、利用者は自分の問題に向き合う必要があるのでしょうか。
 もちろんそれは、問題を解決するのは、ケアマネジャーではなく、利用者本人であるからです。
 ケアマネジャーが面接で利用者が見ている景色を感じることにより、利用者が自らの問題を解決する手段(サービス等)を的確に提案することが可能となります。そして、利用者が心から納得できるケアプランを利用者と一緒に作成することにつながります。

問いかけ #03
課題提示に利用者が難色を示すことはありませんか?

 ケアマネジャーが把握した利用者の課題や、それに基づいて提案したサービスに、利用者本人は納得しているでしょうか?
 利用者に「おまかせします」と言われたことはありませんか?
 よかれと思って勧めたサービスを利用者が拒否することはありませんか?

利用者もケアマネジャーの見ている景色がわからない

 利用者はケアマネジャーと違い、「アセスメント」の専門家ではありません。
 ケアマネジャーが利用者からの景色が見えづらいように、利用者にとっても、ケアマネジャーの見ている景色はわかりづらいものです。
 専門家であるケアマネジャーが把握した「課題分析の結果」(第1表)や「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」(第2表)について、利用者が心から納得していないことが多いことを承知しておく必要があります。

「おまかせします」に潜む危険

 ケアマネジャーが分析し、提示する課題のなかには、利用者が難色を示すものがあるのが自然であり、逆に、「おまかせします」は要注意です。
 ケアマネジャーの課題分析に関心を示していないか、課題分析を重要視していないか、または、「おまかせ」の裏に、別の本音が潜んでいることもあります。
 アセスメントで導き出すのは、利用者の生活上の課題です。生活の主体者は利用者自身です。アセスメントのプロセスで、そのことを繰り返し伝えることで、課題解決に利用者自身が向き合うことができます。

その他の解説および他の実践事例については、本誌(ケアマネジャー2024年3月号)をご覧ください。
執筆:
佐賀由彦
 ライター
編集協力:
相田里香
 介護サービス青い鳥代表
取出涼子
 医療法人社団輝生会初台リハビリテーション病院 ソーシャルワーカー

以上は、『ケアマネジャー』2024年3月号の特集の内容の一部です。ぜひお手に取ってご覧ください。


特集

スキルアップ集中プログラム No.1
アセスメントの姿勢を考える3つの問いかけ
スキルアップ集中プログラム No.2
インタビューで利用者理解を深める
スキルアップ集中プログラム No.3
利用者に希望を語ってもらう
スキルアップ集中プログラム No.4
利用者の力をアセスメントする
スキルアップ集中プログラム No.5
エピソードで見るアセスメントの視点

『ケアマネジャー 2024年3月号』
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  • けあサポでは今後、中央法規出版発行の月刊誌『おはよう21』『ケアマネジャー』について、最新号のお知らせや、介護現場の皆様に役立つ記事の公開をしてまいります。