山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
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介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
一家は習慣の学校なり。父母は習慣の教師なり
施設内で複数名の方がコロナ陽性となり、クラスターとなりました。
今年2月に経験した大規模なクラスターと比較すれば、陽性になったご利用者も職員も少なく、また同一グループ内から感染拡大していないということは、2月の経験が活かされているのかとも思います。
ただ、それでも施設という生活の場で、罹患した方たちを見ていくことは、かなり厳しいものがあります。
119番がつながらない、入院できる病院がみつからない、施設でみるしかない…。
全国で頑張っている仲間たちに、心からエールを送りたいです。
このような厳しい状況ですから、命を守ることが優先、それが精いっぱいというのが正直な気持ちです。
しかし、クラスターが発生しているグループで、最前線で介護をしている職員が私のところに来て「施設長、あかん! コロナだからって、汚れた服も代えてない! 寝具も代えてない! 俺たちもきついけど、入居者はもっとつらいのよ! こんな時こそ、やないですか! うちのオカンなら、よう預けんわ!」と言って、足早に現場に戻っていきました。
彼は私と同世代。若い頃やんちゃだった私たちは、妙にうまが合います。
コロナ禍で、命を守る最低限のことしかできない。それだけで精いっぱい。それは職員たちの偽らざる気持ちだと思います。ただ、こんな状況下でも、ご利用者を想い、自分の母親だったら…と想像できる彼は、心の豊かな人だと感じます。
先日は、施設の外でも熱中症で道に倒れていた高齢者を助けていたらしいです。見た目は私と一緒でこわもてだし、言葉遣いはあまり良いとはいえないけれど(笑)、心根の優しい人なのです。
学生時代はやんちゃが過ぎて、お母さんがいつも学校に呼び出され、先生に頭を下げてばかりだったと聞きました。
でも、いまの彼を見ていると、きっとお母さんの育て方が良かったのだ、お母さんの背中を見て育ったから、いまの優しい彼がいるのだと思います。
著書のご案内
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山口晃弘氏の著書が弊社より発行されています。
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。現場のリーダーからも「この本に出会えてよかった」「求められているリーダーについて深く理解できた」「実践にもすぐに役立つ」など、嬉しい感想を頂いています。ぜひ、ご一読ください!
介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8