山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
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介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
「日本の未来は…」
コロナ、戦争、ロックダウン…、こんな世の中に拍車をかけるように、国際平和、社会の秩序を乱すような事案も後を絶ちません。
不安、不満、不穏、不正、不況、不遇、不幸…。「負の連鎖」という言葉がありますが、まるでこの世は「不」の連鎖。多くの人がこれからの世界がどうなってしまうのかと、明るい未来が描けなくなっているのではないかと思います。
私たち、介護、福祉の世界に目を向けても、施設の職員配置基準問題、要介護1・2の方に対する一部サービスが総合事業に移行するかの議論…。現場側からすると不安な要素がたくさんあります。日本の介護は、これからどうなっていくのでしょうか。
先日、ある方から、戦時中、戦後の貴重な体験を聞かせていただきました。
「小学校の時にね。進駐軍が来るからと、教科書を取り上げられ、ほとんどの部分を墨で消されたんだよ。教科書が真っ黒だった(笑)。それにノートなんて手に入らない時代だったから、地面に書いて学んだんだよ」
今年で戦後77年になります。現在、80歳代、90歳代の方たちが、どれだけ大変な時代を生き抜いてこられたか。当時の話を聞かせてくれる人が少なくなってきました。私たち介護に携わる者は、こういう時代を生き抜いてこられた方たちの声なき声に気持ちを傾け、思いを馳せ、何をすべきか考えるべきだと思います。
以前にも、このブログに書いたことがありますが、第2次大戦中に戦地に向かい、長い期間捕虜となって苦しんだ男性ご利用者は、テレビの国会中継を見ながら「俺はこんな世の中にするために、命がけで戦争に行ったんじゃねえ!」と怒っていたことがありました。
いま高齢になったみなさんが望んだ日本は、どんな国だったのでしょう。
22年間この仕事をしてきて、多くのご利用者から「戦争は絶対にいけない」という言葉を聞いてきました。みなさんが望んだ「平和」は、実現しているでしょうか。
私たちは、この国の平和のために闘い、働き、必死に生き抜いてきた方たちの介護をさせていただいているのです。この方たちを敬い、優しく、親切に…。“この国に生まれて良かった”“長生きした甲斐があった”と思ってもらえるように。
世界がうらやむ日本の介護。世界がうらやむ日本の未来。
大げさではなく、これが実現できるのも、私たち介護職の持つチカラなのです。
著書のご案内
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山口晃弘氏の著書が弊社より発行されています。
テーマは、介護現場の「リーダーシップ」と「人材育成」です。現場の職員から「一緒に働きたい!」と思われる人気者リーダーになるために、役立つ知識、使えるツール、心揺さぶられるエピソードが満載の一冊です。現場のリーダーからも「この本に出会えてよかった」「求められているリーダーについて深く理解できた」「実践にもすぐに役立つ」など、嬉しい感想を頂いています。ぜひ、ご一読ください!
介護リーダー必読!
元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダーシップの極意
定価 本体2,000円(税別)
A5判、218ページ
ISBN978-4-8058-8278-8