山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
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介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
「こんな時代に働けること」
11月23日は勤労感謝の日です。
いまから70年以上前、国民の祝日に関する法律により制定されました。
「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう」ことを趣旨としています。
働けることのよろこび…。
コロナウィルスの影響で、働きたくても働けなくなった人が大勢います。
倒産した会社、閉店した店舗、事業縮小、人員削減…。報道によると、国内の失業者は7万人以上にもなるとのことです。
こんな時代に仕事があること、収入があることがどれだけありがたいことか。
この時代だからこそ、「勤労感謝」という言葉の意味を改めて考えさせられます。
人生において「仕事」がどれだけのウエイトを占めるかは、人によって違います。
仕事に人生をかける人もいれば、人生を仕事に支配されたくないという人もいます。
仕事を自己実現の場と考える人もいれば、仕事はあくまでも生きていくためにするものと考える人もいます。
それでいいと思います。さまざまな価値観で社会は成り立っています。
ただ、現実として、収入を得るということは、自分の思い通りにはならないことや努力をしなければならないことは、「当然」と考えるべきではないでしょうか。
慢性的に人材不足になっている介護業界では、「働いてやっている」というような感覚の人も見受けられます。いつも不満ばかり口にして、それを会社や上司のせいにばかりしている。そういう人にかぎって、自分自身は努力が足りなかったり、自分が上に立って変えることは拒んだりします。
人のせいにばかりして、人の悪口ばかり言って、それで優位に立った気になっている。
こんな人は哀しい。かわいそうに思います。
人を批判、否定する前に、鏡の前に立って自分を見てください。自分はどんな人間でしょう? 自分は他人を批判したり、否定したりするだけのことをしているのでしょうか?
もっと純粋に仕事にいそしむことはできませんか。働けることに感謝し、周りの人に感謝し、互いに認め合うことはできませんか。
コロナ禍における勤労感謝の日。
こんな時代に働けることに感謝したいです。