山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
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介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
「明日はきっと何かある…、明日はどっちだ」
厚労省は敬老の日を前に、全国の百歳を超える高齢者人口を発表しました。
今年の百歳を超える高齢者は、8万450人で過去最多を更新したそうです。そのうちの88%が女性とのこと。男性も負けていられませんね。
日本は世界一の長寿国でありながら、一方で、若者の自殺に歯止めがかかりません。
十代の自殺者が3年連続で増加し、659人と過去20年間で最も多かったといいます。
若い人が生きにくい時代。
先日も、若い俳優が自殺をして世間に衝撃が走りました。
人が抱える苦しみは、本人にしかわかりません。死にたいわけじゃないけど、生きているのが辛いのでしょうね。もう何も悩みたくない。考えたくない。終わりにしたい。
だれだって死ぬのは怖いはずです。それでもきっと、もう楽になりたいと思うのかもしれません。
「あしたのジョー」という作品をご存知でしょうか。作中には、しきりに「明日」というフレーズが出てきます。明日はきっと「未来」のことをさしています。明日(未来)にはきっと何かある。
作中に登場する「泪橋」は、人生に敗れ、生活に疲れ果てて、ドヤ街に流れて来た人たちが涙で渡る悲しい橋、というところから付いた名だといっています。主人公はボクシングを通じて明日(未来)の栄光をめざし、一歩を踏み出すことで「泪橋を逆に渡る」ことを決意します。
人生に敗れ、落ちるところまで落ちた人間が流れ着いた「泪橋」を逆に渡る。
この主人公は、最後に世界チャンピオンに挑戦するまでになります。
「泪橋のチャンピオン」
彼はドヤ街の人たちの夢、希望になりました。
苦しみ抜いた人間にしかわからないことがあります。苦しみ抜いたあなたを必要としている人がいます。
死んでいい人なんていない。絶対にいない!
明日を信じよう。明日はきっと何かある。
明日はきっと! 明日はきっと!…私もそうやって生きています。
泪橋を逆に渡ろう!