山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
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介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
大人の責任
学校の夏休みが終わりました。
今年も報道されていましたが、子どもたちの自殺が急増するのが、この時期だといいます。
私も学生時代いじめを経験しているので、夏休みが終わる頃の不安な気持ちは分かります。
1か月半の夏休みが始まる頃、私は現実逃避していました。置かれている環境から逃げ出せる。その喜びと安心しかありませんでした。
ところが夏休みの終わりが見える頃、また辛かった夏休み前の学校を思い出し、これまでのことを整理し始めるのです。
夏休みが終わったら、見違えるような自分で登校したい。
そんな夢みたいなことを想像しますが、そんな勇気があるはずもなく、言い知れぬ不安だけが募っていきます。
受け入れてもらえない自分…。
この時、出口が見えず、未来が見えず、消えてしまいたい衝動が襲って来るのだと思います。
子どもでは、どうしても解決できないこともあります。
私たち大人は何をするべきなのでしょうか。
いじめを認めず、事なかれ主義の学校の姿勢を報道で見ることがあります。
確かに学校教育は難しくなっています。
私たちが子どもの頃のように、先生は絶対ではなくなりました。
親も権利主張やわが子さえ良ければという姿勢が強く、学校、教師にとって生徒はまるでお客様のようになってしまったという人もいます。
しかし、本当にそうでしょうか。
昔の学園ドラマのような熱血教師は、本当に今の時代に通用しないのでしょうか。
高齢者施設において、若い職員たちの指導も、ある意味では教育現場だと思っています。
真剣に向き合って、時にはぶつかって、分かり合えることもたくさんあります。
生徒に真剣に向き合って、時にはぶつかって、それが果たして親からのクレームに必ずしもなるでしょうか。
生徒の将来を、人生を真剣に考えて、時には怒鳴りつけたとしても、その気持ちは親御さんにも必ず伝わると、私は思います。
私たち大人が、子どもたちに生き方を見せましょう。
いじめなどというものが、いかにくだらなく愚かな行為であるか、教えるのです。
子どもたちが目指すべきカッコイイ生き方を、私たち大人が見せてやりましょう。
それが大人の責任です。