山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
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介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
それでも生きていく
警察庁の発表によると、2018年の自殺者数は20,598人(速報値)。驚くべき数字でありながら、9年連続で減少しており、21,000人を下回ったのは37年ぶりとのことです。
2万人を超える人が一年間で亡くなるというのは、戦争をしている国レベルではないでしょうか。そこまで自ら命を絶つほどに、生きにくい時代になっているということなのかもしれません。
近年の福祉の考え方は、wellfareからwellbeingへ変化しています。どちらも「福祉」という意味で変わりないように思いますが、wellfareが貧困から救う、もつ者がもたざる者に施しをする、といったニュアンスがあったのに対し、wellbeingは、あらゆる人々が自分らしく生きる権利を保障される、といった福祉観に変わってきたのだと思います。
とてもよいことだと思いますが、それでもこの国では毎年2万人を超える方が自ら命を絶っているのです。自分らしく生きることができず、苦しんでいる人がそれだけいるということなのではないでしょうか。
あなたは、人と比べて自分は不幸だと思いますか?
もしも、あなたが自分と比べてキラキラと輝いて見えて、自分らしく生きているように見える人がいたとしたら、あなたはその人のことをどれだけ知っているのでしょう。
もしかしたらその人も、人に見せないだけで苦しみ、もがいているかもしれません。
辛くて、苦しくて、悲しくて、もう逃げ出したい。何もかも投げ出したい。もう頑張れない。一歩も前に進めない。頑張る理由も、生きる理由も、何もない。もういい。もう終わりにしたい──心の中では、そんな風に思っているかもしれません。
それでも生きていく。その理由は私にはわかりません。説明できません。
でも、わかってほしいのは、苦しいのはあなただけじゃないということです。たとえ、あなたの目の前に見える世界が暗闇に見えたとしても、もっと、もっと苦しい境遇のなかで生きている人はたくさんいます。生きている理由なんて考える暇もないほど、必死に生きている人がいることを忘れないでほしいです。
必死に生きていれば、いつか必ず一筋の光がさしてきます。
どんなに辛くても、悲しくても、生きていこう。
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平成31年1月24日(木)横浜でセミナーを行ないます。
新年第一弾で皆さまに元気を持ち帰っていただけたらと思います。
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