山口晃弘の超幸齢社会の最幸介護術
超高齢社会を実り多き「幸齢社会」にするために、
介護職がすべきこととは?
元気がとりえの介護職・山口晃弘が紡ぐ最幸介護術。
- プロフィール山口 晃弘 (やまぐち あきひろ)
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介護福祉士、介護支援専門員。1971年、東京都生まれ。高校卒業後、設計士、身体障害者施設職員を経て、特別養護老人ホームに入職し、介護職・生活相談員を務め、その後グループホームの管理者となる。
現在、社会福祉法人敬心福祉会 千歳敬心苑の施設長。著書に『最強の介護職、最幸の介護術』(ワニブックス、2014年)、『介護リーダー必読! 元気な職場をつくる、みんなを笑顔にする リーダシップの極意』(中央法規出版、2021年)がある。
拝啓 美里ヒルズ様
私の勤務する特養千歳敬心苑のリーダー4名が、三重県にある特別養護老人ホーム美里ヒルズさんへ研修に行かせていただきました。4名別々で5日間ずつの宿泊研修。このような無茶な企画を快諾してくださった世古口施設長はじめ、美里ヒルズの職員の皆さまには、感謝の気持ちでいっぱいです。
千歳敬心苑は開設20年の特養で、いわゆる従来型です。1フロアに50名の入居者さんがいらっしゃいます。つまりそれは、フロアの職員は50名の入居者さんの状態を把握しなければならないことになります。
正直、この状況でも介護ができないわけではありません。ただ、質の高い介護、質の高い生活をしていただけるかといえば、YESとは言い難い。一人ひとりの利用者さんの生活歴、生活習慣、趣味、思考、家族構成、生き甲斐、そういったものを生活に反映し、この業界でよく言われる「その人らしさ」という生活をしていただくには、やはり少人数化を図り、利用者さん一人ひとりの理解を深めていくことが必要です。
その発想から生まれたのが、ユニットケア。今は多くの施設がユニットケアに取り組んでいますが、美里ヒルズさんは中でも素晴らしい実践をされていることで有名な施設です。
この度、5日間の研修を終えた4名は、それぞれが大きな影響を受けて、また「やる気」というお土産をいただいて戻ってきました。
一番うれしいのは、ユニットケアという形を真似たいのではなく、ユニットケアの目的、もっと一人ひとりの入居者さんに寄り添ったケアがしたい! という気持ちを持ち帰ってきてくれたこと。
みんな早速動き出しました。リーダー同士で話し合ったり、パワーポイントで資料をつくってグループの仲間にプレゼンしたり、マンツーマン入浴の方法を示したり。
うちはハード的にすぐにユニットケアを取り入れることはできませんが、その考え方や実践のノウハウは、美里ヒルズさんから学ばせていただいたことをすぐにでも取り入れていきます。
美里ヒルズの皆さま、たくさんの刺激とたくさんの学びを本当にありがとうございました。
いつの日か、美里ヒルズの皆さまに少しでも近づけるよう努力してまいります。